こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
世の中には「初回相談無料」「初回体験無料」というサービスが数多くありますよね。
それこそ税理士業界でいえば、わたしの体感としては初回相談無料の事務所が大多数。
お客様は経済的なコストを負担せずに、自分にあった事務所選びができるというメリットがあります。
でも、無料という言葉につられてサービスを利用したり、話を聞いてみたら、
こんな経験になったことありませんか?
- 保険の無料相談に行ったら、なんか申し訳なくて保険契約してしまった
- スキルアップのための勉強会に行ったら、ついその場の勢いで有料講座の申込をしてしまった
- 試供品をもらうために営業の話を聞いてたら、気分が良くなって商品を買ってしまった
もちろんそれが悪いというわけではありませんが、
「正直、冷静じゃなかった…」とか「親切にしてくれた相手に申し訳なくて…」っていうこともあると思うんです。
この記事では、「相手に良くされると、要求に応えたくなってしまう」という心理的な話と対策について、
フリーランスのクリエイターさん向けにわかりやすく整理してみました!
「もらったらお返しをする」は本能
そもそも人って、相手から自分の利益になることをしてもらうと、
その相手にお返しをしたくなる本能があります。
たとえば、誕生日プレゼントをもらったら、相手の誕生日にもプレゼントを返しますし、
何か困ったときに助けてもらったら、「何かあったときは頼ってね」って伝えますよね。
逆に、もらいっぱなしで済ませてしまう人は「常識がない」人と見られてしまい、
周囲の人から仲間外れにされたり、信用を失うことになります。
これは昔の人も同じで、「もらったらお返しをする」ことは信頼関係を構築するための大前提。
今まさに生きてる私たちも、何かをもらうと「お返しをしなきゃ」という気持ちになるのは、
相手との信頼関係を構築して、社会でうまくやっていくために刷り込まれた習性なんです。
ちなみに心理学ではこれを「返報性の原理」と呼びますが、
多くのビジネスでは、お客様に商品を買ってもらうためにこの原理を巧みに利用しています。
クリエイターが遭遇しやすい返報性の罠
この「返報性の原理」、冒頭でもちょっと具体例を紹介しましたが、
フリーランスのクリエイターさんがとくに遭遇しやすい場面がいくつかあります👇
士業・コンサルの無料相談
「まず無料でご相談を」という入口は、士業やコンサルタント業界の標準になっています。
とくに普段接する機会の少ない専門家が自分のために時間を使ってくれていると特別感も生まれやすく、
「この人しかいない!」と本気で思えなくても、なんとなく契約してしまうケースが少なくありません。
保険の無料相談
フリーランスになるとどうしても将来の不安に備えたい気持ちが強くなりますが、
そのなかでも保険は自分ひとりで正解を出すことがとても難しく、無料相談を利用する人は多いです。
不安を感じていることに寄り添ってもらったり、自分の家・最寄りのカフェまで来てくれたりすると、
「良くしてもらったのに断ったら失礼」という感覚が生まれやすく、勧められた商品をそのまま契約してしまうことも。
情報商材・セミナーの無料体験・無料テンプレ
情報商材やセミナー関係で多いのが、「初回参加無料」や「無料テンプレの配布」から始まり、
無料個別相談・フォローアップ・本講座と段階的に誘導される構造になっていること。
最初に価値があるものを受け取るほど信用度も上がるため、その後の提案を断りにくくなっていきます。
異業種交流会での親切
異業種交流会のような、はじめて参加する人にとって居心地の悪いようなイベントには、
気さくに話をしてくれて、すごく親切に対応してくれる人がだいたい1人はいます。
そのイベントの後も色々と気にかけてくれ、信頼関係が深まったところでビジネスや投資の話が出てきて、
「この人がおすすめしてるものなら信頼できる」と、騙されてしまうケースもあったり…。
「返報性の原理」を利用して、自分の目的に相手を誘導しようとする人は意外といます。
お金が絡むことに関して親切を受けるときには、とくに注意しましょう。
悪用と善意の見分け方
ただ、親切な人が全員悪人というわけではありません。
まったく見返りをもとめずに優しくしてくれる人がいるように、
ビジネスでも「お客様が満足できるように」と本気で考えて動いてる人もいます。
なので、その親切を無下にしないためにも、
「これは本当の善意でやってくれてるのか、それとも何か別の目的に誘導するための入り口か」
という視点をもって、悪意をもって「返報性の原理」を利用している人を見分けることが大事です。
わたしの経験も踏まえて共有すると、こういうサインがあるときは要注意👇
- 次のアポイントを積極的に取ろうとしてくる
- 求めていないのに、より価値のあるものを勧めようとしてくる
- 「ちょっと怖い」と思うほど親切過ぎる
- 断りにくいシチュエーションをつくろうとしてくる
- 断ったとたんに態度が変わったり、関係が急に冷える
- なにか「お返し」を期待している空気がある
悪意がある人から受け取った親切を「落とし穴」として認識できるようになると、冷静に判断がしやすくなります。
税理士として正直に言うと
「じゃあ無料相談は使わないほうがいいの?」
と思うかもしれませんが、そういう話ではありません。
無料相談・無料体験を活用すること自体は全然いいと思っています。
でも、「申し訳ない」という感覚と、「この人に頼むべきか」という判断を切り離すことが大事です。
感謝しながらも、契約するかどうかは一度持ち帰ってフラットに判断する。
「無料でお世話になったから」という理由で意思決定しない。
これを意識しておけば、自分主導で契約の検討を進めることができ、あとで後悔することが減ります。
あえて無料相談を取り入れてない理由
ちなみにわたしは、あえて無料相談はやっておらず、
初回のお打ち合わせから報酬をいただくようにしています。
いくつか理由はありますが、その一つは返報性の原理を知っているから。
無料相談は、お客様に「一度お世話になったから」という気持ちを生むきっかけになります。
でも返報性に背中を押されての契約は、本当に必要だと感じていない状態でも成約してしまうことがあり、
そういうご縁は長続きしないことが多いように感じるんです。
「無料で相談に乗ってもらったし…」という気持ちからではなく、
「この人にこそ頼みたい」と前向きに思ってもらえたとき、依頼いただけたらとても嬉しく思います。
Q&A:返報性とビジネスに関する疑問
Q. 相手の隠れた目的がわかっていても、断れないことが多いです…。
A. 返報性は人間の本能に近いものなので、知識があればすぐ対処できるという話でもありません。
でも、「これは返報性を利用されてるかも…」と気付いたときには、
「もともとそういう目的で近付いてきたと知ってたら、契約してたと思う?」と自問すると、
冷静になれることが多いです。
Q. 返報性を自分のビジネスに活かすことはやめるべきですか?
A. 「相手にとって本当に価値があることを先に提供する」のは、ビジネスにおいて大事なことです。
ただ「相手の意思を操作しようとする」ことを目的として返報性を使おうとすると、
構築した信頼関係を壊すことにつながるので、「結果的に返報性が働く」くらいの考えで活かしましょう。
まとめ:返報性という本能を知って、自分の意思で判断しよう
- 人間には「もらったらお返しをしなきゃ」という本能がある
- 無料提供には本心から善意のものと、狙った成果を引き出すための戦略的なものがある
- 見分けるポイントは、「相手の温度感」「シチュエーション」「断ったときの反応」
- 無料相談を使うこと自体は問題ない。「申し訳なさ」と「判断」を切り離すことが必要
- 相手にとって価値あるものを提供した結果として、返報性が働くのがベスト
返報性の原理を知ることは、怪しいものを疑うためではなくて、自分の判断を自分で守るため。
自分の意思で「本当に必要かどうか」を選べるようになると、仕事もお金の使い方も変わってきます。
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