こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「事業用の口座、ちゃんと分けるようにしましょう」
フリーランスとして活動しているクリエイターさんに、こういうお話をすることがよくあります。
口座を分けると帳簿付けが楽になるし、お金の管理もしやすくなるので、
「分けなくても平気だけど、分けたほうが便利だよね」というのがわたしのスタンス。
でも、口座を分けたことで新しい落とし穴にはまってしまう人が、じつはかなり多いんです…。
この記事では、事業用の口座を分けたことで生まれるデメリットと、
その対策法をクリエイターさん向けにわかりやすく整理してみました!
口座を分けると、脳が別のお金として処理し始める
事業用口座を作ると、プライベートのお金とは分けて管理することになるので、
その口座は「仕事のお金が入っている財布」として脳内に定着することになります。
これは本来メリットのはずなんですが、意外な落とし穴があるんです。
その落とし穴というのが、お金に色をつけてしまうこと。
プライベートのお財布であれば慎重に考えるはずの買い物でも、
事業用口座からであれば「経費になるからいいか」と判断が甘くなりやすいんです。
よくあるのは、こういうパターン👇
- 「事業用口座に300万円ある」
- 「経費として使っていいお金がたくさんある」
- 本来なら不要な機材・サービス・交際費を「事業に必要だから」と重く考えずに支出してしまう
これはその人の性格がどうこうという話ではなく、人間の心理的な問題なので誰にでも起こりえます。
具体的にこういう場面で起きやすい
わたしも顧問先のクリエイターさんを見ていると、こういったパターンをよく目にします👇
機材の衝動買い
「今のカメラはまだ使えるけど、新機種が気になる…」
「少し高いけど事業用口座にお金残ってるし、買っちゃおう」
プライベートの財布から出すなら絶対迷うはずの金額でも、あっさり決断してしまう。
サブスクの積み上がり
「月額なら大した金額じゃないし、AIツールやテクノロジーへの投資は大事」
と次々に契約したサブスクが、気づいたら毎月数万円になっている。
交際費の感覚マヒ
「仕事の打ち合わせも兼ねてるし…」
「同業者仲間も、このくらいの予算のお店よく使ってる」
プライベートなら「このお店は高すぎる」と思う食事代や贈り物を、ためらわずに出してしまう。
どれも「仕事に必要」「経費になる」という言葉に背中を押されて、
本来の自分とは違うお金の使い方を選択してしまっている状態です。
事業用口座のお金も、結局は自分のお金
ここで大事なことをひとつ確認しておくと、
事業用口座の100万円も、プライベート口座の100万円も、最終的には自分の手取りに影響します。
法人であれば会社のお金と個人のお金は明確に別物ですが、
フリーランスにとっては全部同じ財布のお金ですよね。
でも、口座が分かれているだけで、
脳は「別のお金」として認識してしまいやすくなり、それが判断を狂わせていく…。
事業活動に積極的な投資を行うことは決して悪いことじゃありませんが、
「経費になるから」という理由で支出を増やすと、税金を減らす代わりに手元のお金も減ってしまいます。
「売上はあるのに事業のお金が残らない」という状況は、それを教えてくれるサインかもしれません。
シンプルな対策法「月に一度、全部合算して見る」
じゃあ事業用口座を分けないほうがいいのかというと、そうではありません。
口座を分けることは帳簿付けや資金繰りを把握するうえでも正しい習慣です。
問題なのは、事業用口座のお金を「自由に経費として使えるお金」として錯覚してしまうこと。
それならやるべきことは一つだけ。
月に一度でいいので、
- 事業用口座
- プライベート口座
- 投資信託などの積立
これら全部の口座残高を合計した数字を確認する習慣をつけてください。
たったこれだけで、脳の認識が、「事業用口座に300万円ある」ではなく
「自分の全財産は○○円で、そのうち事業用口座に300万円がある」という見方に切り替わるので、
事業用口座も「自分の資産の一部」として見ることができるんです。
わたし自身もスプレッドシートを使ってこの習慣を取り入れてますが、
「自分の全財産はこれだけなんだ」という数字が見えているだけで、お金の使い方が明らかに変わります。
ぜひ事業用口座を分けている人は、参考にしてみてくださいね!
Q&A:事業用口座と財務管理のよくある疑問
Q. 全財産を確認する頻度は、多い方がよくないですか?
A. 継続することが大事なので、月に一度が現実的でおすすめです。
また、毎日確認すると数字の変動が気になりすぎて、逆に判断が消極的・短期的になりやすくなるので、
ほどよい頻度で全体像を把握しながら落ち着いた判断をできるようにしていきましょう。
Q. 事業用口座の残高はどのくらいキープしておくのが適切ですか?
A. 一般的には月の固定費の3〜6ヶ月分が目安です。
売上が安定しているクリエイターさんでも、大きな案件の入金タイミングのズレや急な出費に備えて、
一定のバッファを持っておくことが大事です。
Q. 「経費になるから買う」という判断は全部ダメなの?
A. 全部ダメなわけではなくて、仕事に本当に必要なものは経費にすべきです。
問題なのは「経費になる」という理由だけで、本来なら買う必要のないものを買ってしまうこと。
「これがなければ仕事に支障が出るか」という問いを先に立てるようにすると、判断が整理しやすくなります。
まとめ:口座は分ける、でも月に一度は全財産を確認する
- 口座を分けることで「事業用のお金は経費として使っていいお金」という錯覚が生まれやすい
- 個人事業主にとって事業用とプライベートは最終的に同じ財布のお金
- 「経費になる」ことと「買うべきかどうか」は別の話
- 月に一度、全口座を合算して全体像を確認する習慣をつける
- 判断するときは全体を見てから考える
口座を分けることは正しいことですが、無意識に判断を狂わすきっかけにもなります。
シンプルな習慣一つで、資金繰りを改善していきましょう!
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