こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
ランサーズ・ココナラ・クラウドワークスなど、
クラウドソーシングサービスでお仕事を受けているクリエイターさんから
「手数料を引かれた金額しか通帳に入っていないけど、これってどう処理するの?」
という質問をよくいただきます。
結論から言うと、クラウドソーシングの手数料は経費として処理できますが、
入金額をそのまま売上にしてしまうのはNGなので、正しい処理方法を整理します。
手数料は「支払手数料」として経費にできる
大前提として、経費になるかどうかは、
「その出費が売上を得るための事業活動に必要だったかどうか」で決まります。
この点、クラウドソーシングサービスやプラットフォームの手数料は、
サービスを利用して売上を得るために必要な支出なので、「支払手数料」として経費に計上できます。
たとえばこんなケース👇
- ランサーズで55,000円の案件 → 手数料9,075円 → 受け取りは45,925円
- この場合の売上:55,000円
- この場合の経費:9,075円(支払手数料)
入金額の45,925円を売上として処理してしまうのはNG。
売上を正しく計上しないと、消費税の課税判定や特例適用の可否に影響が出ることがあり、
税務調査で指摘されるリスクがあります。
勘定科目は「支払手数料」が基本です。
サービスごとに分けて管理したい場合は自分でオリジナルの科目を作っても問題ありませんが、
確定申告の収支内訳書では「支払手数料」にまとめて計上します。
売上と入金額がズレるもう一つの理由は「源泉徴収」
手数料以外にも、「源泉所得税」が原因で入金額が少なくなることがあります。
源泉所得税とは、報酬の支払側(クライアント)が税金をあらかじめ差し引いて税務署に納める仕組み。
つまり、報酬の一部が所得税の前払いとして自動的に引かれている状態です。
具体的な例👇
イラストのお仕事で55,000円(税込)の請求書を発行 クライアントが10.21%(5,615円)を源泉徴収して、49,385円だけ振り込まれる
この場合、49,385円は源泉徴収後の金額なので、売上は請求額の55,000円として計上します。
源泉徴収された5,615円は確定申告のときに所得税から控除できるので、二重課税にはなりません。
このように入金額をそのまま売上高として計上すると間違ってしまう可能性が高いので、
クラウドソーシングサービスやプラットフォームからの入金があるときには、
- 源泉徴収されている?いない?
- 手数料はいくら?
- 売上高はいくら?
これらを把握して会計システムに登録する必要があることに留意しましょう。
支払明細書の保存は必須
クラウドソーシングサービスやプラットフォームからの入金があった際は、
支払明細書を必ず保存しておきましょう。
その主な理由はこちら👇
- 原則5年間の保存義務がある(インボイス登録してたら7年間)
- 売上の根拠として税務調査で提出を求められることがある
- 手数料・源泉徴収額・入金額の内訳を後から確認できる
あとあとダウンロードをしようと思っても、ログイン情報を紛失してアカウントを復旧できなかったり、
サービスそのものが終了してしまったりすることも珍しくありません。
基本的にはPDFでダウンロードできるサービスが多いので、
月ごとにフォルダに保存しておくと管理もしやすくておすすめです。
Q&A:クラウドソーシングと経費のよくある疑問
Q. 今まで入金額をそのまま売上にしていた場合は修正が必要ですか?
A. 売上を過少申告している状態になっているので、基本的には修正することをおすすめします。
判断に迷う場合は、税理士に相談して現実的な対応策を検討してもらいましょう。
Q. 確定申告のときに支払明細書の提出は必要ですか?
A. 確定申告の提出時には不要ですが、税務調査があったときに備えて7年間保存しておきましょう。
書類がきちんと保管されていない場合は、青色申告の要件を満たさずに取り消されるリスクがあります。
Q. クラウドソーシングで得た収入は消費税の課税売上になりますか?
A. 原則として消費税の課税売上になります。
ただ、インボイス登録をしてない場合には、消費税区分はあまり気にしなくても大丈夫です。
まとめ:クラウドソーシングの経費処理のポイント
- 手数料は「支払手数料」として経費にできる
- 入金額ではなく報酬の総額を売上として計上する
- 源泉徴収が原因で入金額が減ることもある
- 支払明細書は7年間保存しておく
クラウドソーシングの処理は「入金額=売上」と思ってしまいがちなので、
最初に正しい処理方法を覚えておくことが大事です。

