片手間な対応がより大きな手間を生む電子帳簿保存法。個人事業主や小規模企業がやってほしいこと。

税務関連

こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

改正された電子帳簿保存法が
2022年1月に施行されましたね!(今更)

時代はペーパーレス!ということで
紙で貰う領収証を廃棄できるようになったり

メールにPDFファイルで添付される領収証とかを
PDFファイルのまま保存しなきゃいけなくなったり

うまく運用できれば
業務効率化を大きく促進できる制度です!

その概要とまずやってほしいことをサクッと書いていきます。

(改正後)電子帳簿保存法の要件

メリットだけ聞けば
サイコーじゃん!って話なんですけど

なかなかそうシンプルにいかないのが
日本の法制度のツラいところ…。

「とりあえずなんでもPDF化して
紙の書類を廃棄すれば良いんでしょ」っていうと
合っているようで合ってないんです。

電子データは紙面に比べて改ざんの余地がある(らしく)
建前が色々面倒なことになってますけど

ザックリまとめるとこういう要件があります。

  • 利用するシステムのマニュアル等を整備
  • 電子保存するためのマニュアル、内部規程をつくる
  • データで保存するファイルに期間内にタイムスタンプをつけるか、訂正・削除履歴の残るクラウドストレージに保存
  • ファイルを日付、金額、取引先で検索できるようにする
  • PDF等のデータでもらったファイルは紙面に出力、保存しちゃダメ
  • 仕訳帳、総勘定元帳とかは電子データのままでOK(紙面印刷不要)

なんだか分かるような、分からないような感覚ですよね…。

ただ、これらの要件への対応を
2023年12月末の猶予措置までに終わらせておく必要があるので

既存の紙運用が浸透しきった大きな企業ほど
慌ただしい動きになってるわけです。

とりあえずコレはやっておこう!

色々面倒なことはあるので
個人事業主や小規模企業が100%対応するなんて無理な話でしょう…。

少なくとも私はそう思ってます。

とはいえ完全ノールックも前時代的なので
少なくとも以下への対応はしていきたいところ!

  • PDFファイルで共有された請求書、領収証等は印刷しないでクラウドに保存
  • 紙面でもらった領収証はスマホで撮影してクラウドに保存したら破棄
  • クラウドに保存したファイルは日付、金額、取引先で検索できるようにする
  • 仕訳帳や総勘定元帳は今後紙に印刷しない

これをやるだけで
紙面の保存が一気に減るハズ!

ここでいうクラウドは
訂正・削除履歴の残るものじゃないとダメなんですけど

個人事業主や小規模企業なら
使用する会計システムをfreeeにすることで一気に解決します。

freeeにはスマホアプリがあって
それで紙の領収等を撮影すればfreee内のファイルボックスという
クラウドストレージに保存されますし

ファイルボックスにアップロードされたファイルを仕訳登録すれば
日付、金額、取引先での検索も可能。

もちろんPDFファイルをPC内で
直接アップロードもできます。

会計システムという点だけ見れば候補はたくさんありますけど
電子帳簿保存法の対応とかも踏まえて考えると

今のところ正直freeeじゃないと
対応が面倒だろうなっていう印象があります。

(外部サービス間の連携を考えなくて済むならそれが一番)

 

ちなみに

  • 利用するシステムのマニュアル等を整備
  • 電子保存するためのマニュアル、内部規程をつくる

この辺りが実務上で突っ込まれるとは
あんまり考えていませんが

システムのマニュアルは
提供元のホームページとかに行けば見れますし

電子保存するためのマニュアル、内部規程は
freeeの特設ページからDLして自社用にアレンジすればOK。

こういう点を見ても
正直freeeがオススメですね。

 

対応初年度は目を背けたくなりますけど
うまく運用できれば大きなメリットを得られるので

できることからコツコツと
対応を進めていきましょう!