こんにちは!
公認会計士・クリエイター業専門税理士の三橋裕樹です!
税理士としてお仕事をしていて、一番神経を使うのはやっぱり確定申告の時期です。
お客様からいただいた情報をもとに帳簿付けや申告書づくりを行って、納税額を計算する。
当たり前のことのように感じるかもしれませんが、
正しい申告書を作るためには、お客様からしっかり情報を吸い上げる必要があります。
お客様にとっては「まぁこれは言わなくていいでしょ」と思っていることでも、
じつは申告書に反映しなければ意図せず脱税になってしまうことも。
逆に、伝えていただければ納税額を減らしたり、来年以降の税金を安くできたりする可能性もあります。
そこで今回は、実務で起きやすい「先に言っておいてほしい…」というケースをまとめてみました。
新しいプラットフォームで収益化した、副業をはじめた
新しいプラットフォームで収益化できるようになったり、副業をはじめたとき、
「まだ数百円しか稼げてないし」と思うかもしれませんが、少額でも収入があれば基本的には申告の対象です。
いつも事業用の入出金がある口座にお金が入ってくるなら税理士が気づけることも多いですが、
ただ、「これは分けて管理しよう」といった感じでいつもと別口座に入金されると、
お客様から伝えていただけないかぎり分かりません。
ほかにも、請求書を発行せずに手渡しでお仕事の報酬を受けたような場合も、
税理士側からすると後追いで把握する手段がないためしっかり情報共有しましょう。
医療費がかさんだ
1年間のうちに、自分および同一世帯の家族が窓口で支払った医療費の合計金額が10万円を超えると、
超過分は「医療費控除」として税金を安くすることができます。
ただ、通常の病院代・薬局代はそれぞれ数百円、数千円の積み重ねであることがほとんどなので、
お客様も「さすがに10万円は超えてない」とご自分で判断して領収証を捨ててしまうことが多いです。
税理士に都度領収証を送付してもらえれば集計のうえで判断することができますが、
そうじゃない場合、お客様の生活を24時間見ているわけではないので、
「今年は病院に行くことが多くて」「今年は手術・入院があった」という話がないと、
医療費控除の対象になるかどうか判断のしようがありません。
また、医療費がかさんでも健康保険や生命保険から一部補填を受けられることがあり、
補填額によっては控除対象外となる可能性もあるので、そういうときは正直に税理士に伝えるようにしましょう。
ふるさと納税以外の寄付をした
寄付金といえばふるさと納税というイメージが強いですが、
赤十字社への活動支援金、被災地への義援金、NPO法人への寄付など、いろいろな種類があります。
顧問契約をしているお客様には「ふるさと納税の限度額はこれくらいですよ」とお伝えしますが、
他の寄付をすでにしている場合、その限度額の計算にも影響を与える可能性があるんです。
また、「これはふるさと納税じゃないから申告には関係ない」と思っている寄付が、
じつは所得税の寄付金控除の対象になるケースもあります。
ふるさと納税以外の寄付金控除はなかなか複雑なので、
自分で判断しようとせず税理士にとりあえず共有しておくのが一番おすすめです。
機材を売却した
クリエイター業のお客様によくあるのが、過去に買った機材の買い替え。
機材が経費になることはみなさん認識しているので、
購入時の領収証はきちんと保管してくれていることが多いです。
ところが、機材を「売った」ときにも税金がかかる可能性があるという点は、
税理士に報告されないままになっていることが意外と珍しくありません。
友達や同業者に売ったっていうケースもありますしね。
「買ったときより安く売っているから問題ないだろう」と思うかもしれませんが、
その機材の会計上における帳簿価額より高い金額で売却していれば利益が生まれます。
結果として税金がかからないケースもありますが、安く売れば安全というわけではありません。
そしてたとえ損が発生するような機材売却であっても、
消費税申告義務のある人が業務用の機材を売却したら、その取引も消費税申告に含める必要があります。
機材の売買は思いもしないところに影響があるので注意しましょう。
家族の扶養状況が変わった、車を買い替えた、など
ほかにも、
- もともと共働きだったけれど、パートナーが仕事を辞めて扶養に入った
- いままで扶養してた家族が仕事に復帰した
- 車を買い替えた
- 高価なものを誰かにもらった
- 趣味で株式投資をはじめた
- 特定口座の株式投資で赤字を出した
- 暗号資産への投資をはじめた
こうしたことも、税理士が普段のやり取りをしているだけでは分かりません。
とくに株式投資は、もし「一般口座」で取引を何度もしてしまうと地獄を見ることになります。
もちろん税理士側も、認識漏れがないように情報を吸い上げる工夫をしていますが、
それでもお客様に伝えていただくのが一番確実で、一番手っ取り早い方法なのは間違いありません。
特に顧問契約ではなく、確定申告だけを依頼する「丸投げプラン」のような形式の場合は、
日頃のやり取りの機会自体が少ない分、なおさらこうした情報の抜け漏れが起きやすくなります。
まとめ:いつもと違うことが起きたら、税理士に共有しよう
「これくらい大したことないだろう」と思う情報ほど、じつは申告に影響することが少なくありません。
損をしないためにも、損をさせられる立場にならないためにも、
迷ったときはとりあえず税理士に共有してみることをおすすめします。

