法人成り後に活用されやすい社宅制度。水道光熱費も会社負担にできる?

税務関連

こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

法人成りをすることによる
節税策の一つ、社宅制度。

  1. 法人名義で賃貸契約
  2. 社員に社宅として貸し出す
  3. 社員から賃料の50%を徴収

厳密には計算式や要件がありますけど
ザックリいうとこんな感じ。

大きな企業では
社員の福利厚生として使われる側面が強いですけど

法人成りした場合でも
賃貸住居の家賃を一部経費にできるので
結構使われることが多いです。

 

社宅制度そのものは
結構存在が知られてますけど

意外と知られてないのが
社宅の光熱費を経費にできるかどうか。

たとえば電力会社と法人が契約して
電気代を払ったような場合は経費にできるんでしょうか?

原則、給与として課税される

さっそく結論です!

社宅の水道光熱費を会社が負担した場合
原則として、社宅を借りてる社員への給与とみなされます。

本人が生活用資金として払うべき金額を
会社が払ったということは給料と同じでしょ?ってことですね。

なので、社員の方で税金が増えてしまうことになります。

そしてこれが役員の社宅だった場合は
役員報酬としてみなされることになるわけですけど

役員報酬はご存知のとおり
定期同額給与といって株主総会等で決めた金額を
毎月定額払う必要がありますよね。

ということは、水道光熱費を会社が代わりに払ってしまうと
定額分を超過して役員報酬が払われてるので会社の方でも経費になりません。

大人しく個人で負担するように取り決めておきましょう…。

 

ただ、必ずしも給与として課税されるわけじゃなく
例外もあります。

(課税しない経済的利益……寄宿舎の電気料等)

36-26 使用者が寄宿舎(これに類する施設を含む。以下この項において同じ。)の電気、ガス、水道等の料金を負担することにより、当該寄宿舎に居住する役員又は使用人が受ける経済的利益については、当該料金の額がその寄宿舎に居住するために通常必要であると認められる範囲内のものであり、かつ、各人ごとの使用部分に相当する金額が明らかでない場合に限り、課税しなくて差し支えない。

引用:国税庁 法令解釈通達〔給与等に係る経済的利益〕

めっちゃ分かりづらい!!

ザックリまとめると

  • 金額が明らかに高くない
  • 社宅に住んでる個々人の水道光熱費が分からない

この条件を満たせばOKということ。

社宅としてマンションを
まるまる借り上げてるようなケースとかですね。

なので基本的には
認められないものとして考えて問題ないと思います…。