こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
売上が増えてきたクリエイターさんが法人化を検討するとき、
必ずといっていいほど話題になるのが「社宅制度」です。
家賃の一部を会社の経費にできるこの制度、うまく使えば節税効果がかなり大きいんですよね。
ただ、「社宅にしたら電気代や水道代も会社で払えるの?」という疑問もよく聞きます。
結論から言うと、光熱費は原則として経費にできません。
この記事では、社宅の光熱費を経費にできない理由と、
社宅制度で実際にできることをクリエイターさん向けに整理します!
社宅制度とは?
社宅制度とは、法人が賃貸物件を借りて、それを役員や社員に貸し出す仕組みです。
一般的な流れはこんな感じ👇
- 法人名義で賃貸物件を契約する
- 法人の口座から家賃を支払う
- 居住者(役員など)から家賃の一部(例:20%)を徴収する
この仕組みを使うと、賃料のほとんどが会社の経費になります。
ちなみに具体的には、こんな方法で徴収する賃料額を決定します。
(1)借りてる建物の固定資産税課税標準額×0.2% (2)12円×(借りてる建物の床面積÷3.3) (3)借りてる物件がある土地の固定資産税課税標準額×0.22% (1)+(2)+(3)= 賃貸料相当額
個人事業主が自宅家賃の経費割合を大きくすると税務調査で否認されるリスクが高まりますが、
社宅制度を使えばリスクを負わずにそのほとんどを経費にできるので魅力的ですよね!
社宅の光熱費は原則、経費にならない
ここが重要なポイント。
社宅の電気代・水道代・ガス代などを会社が負担すると、「給与(役員報酬)」としてみなされます。
理由はシンプルで、生活に必要な費用を会社が肩代わりしているので、
「お給料をもらっているのと同じだよね」と考えられるからです。
そして役員の場合はさらに注意が必要です。
役員報酬には「毎月一定額でなければならない(定期同額給与)」というルールがありますよね。
そのため、光熱費を会社が負担すると追加の報酬とみなされ、
その分が会社の経費にならないうえに、所得税の課税対象にはなるという二重のデメリットが生じるんです…!
例外的に経費になるケースもある
ちなみに国税庁の通達では、以下の2つをどちらも満たす場合、
光熱費を会社が負担しても経費として認められると定められています👇
- 光熱費が「明らかに高額でない」
- 誰がどれだけ使っているか特定できない(共有的な使い方)
たとえば、複数人が生活する寄宿舎タイプの社宅を法人で一括契約しているケースがこれに当たります。
ただ、クリエイターさんが法人化する場合の社宅は一人暮らしのケースがほとんどなので、
この例外に当てはまることはまずないと考えておいてください。
社宅制度でできることの整理
光熱費まで会社負担にすることはNGですが、社宅制度そのものの節税効果は大きくて、
整理するとこうなります👇
- 家賃の大部分(条件により80%前後)を会社の経費にできる
- 個人が自由に使えるお金を増やしつつ会社の利益を圧縮できる
- 家賃の最低額(賃貸料相当額)は税務上のルールで決まるため、適切に設定すれば否認されない
光熱費・食費・日用品などの生活費は個人負担が原則ですが、
社宅制度はあくまで「家賃」の部分だけを会社経費にできる制度として理解しておくのが安全です。
Q&A:社宅制度のよくある疑問
Q. 個人事業主でも社宅制度は使える?
A. 社宅制度は法人が物件を契約することが前提なので、個人事業主には適用できません。
自宅を事務所として使っている場合は、家事按分で一部を経費にする方法になります。
Q. 役員から徴収する家賃は20%に設定すればいい?
A. 一律20%と決まっているわけではなく、「賃貸料相当額」を下回らないように設定する必要があります。
基本的には20%未満となることが多いですが、きちんと計算しましょう。
Q. 社宅の引越し費用も会社で払えますか?
A. 業務上の転居が理由であれば、引越し費用は会社の経費にできます。
ただし、業務上の必要性が説明できることが前提です。
Q. 法人名義で契約できない物件の場合はどうすればいいですか?
A. 法人名義で契約できない場合は社宅制度を使えません。
物件を探す段階で法人名義での契約が可能かどうかを確認しておくことが大事です。
まとめ:社宅制度は「家賃」だけが対象
- 社宅制度を使えば家賃の大部分を会社の経費にできる
- 光熱費・水道代などの生活費は原則として給与扱いになる
- 社宅制度は法人化した場合のみ使える
社宅制度を活用するかどうかによって、法人・個人トータルでの資金繰りも大きく変わります。
使える可能性があれば積極的に検討しましょう!

