こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
個人事業主として独立し、売上や案件が増えてきたら検討したいのが「法人化(法人成り)」。
そんな時に注目されるのが「社宅制度」。
実はこれ、上手く使えば家賃の一部を経費にできる節税テクニックでもあります。
でも、意外と聞かれるのが…
「社宅の電気代や水道代も、会社で払ってOKなの?」
今回はこの点について、分かりやすく解説していきます!
まず社宅制度ってどういうもの?
ざっくり言うと、法人が賃貸物件を借りて、それを役員や社員に「社宅」として貸す制度です。
よくある仕組みはこんな感じ👇
- ① 法人名義で部屋を契約する
- ② 法人が家賃を支払う
- ③ 居住者(役員など)からは、家賃の一部(例:20%)を徴収
このようにすれば、差額の賃料(例:80%)が「会社の経費」になります。
個人事業主で家賃を80%経費にするのはかなり難しいので本当にオトクな制度。
ただし!
ここで気になるのが「水道・光熱費も会社で払えるのか?」という話です。
【注意】社宅の水道光熱費は原則“給与扱い”になります
結論から言うと…
社宅の電気代・水道代などを会社が負担すると、
基本的に「給与(=役員報酬)」として課税対象になります。
生活に必要な費用を会社が負担してることになるので
「それ、給料もらってるのと同じでしょ?」という判断になるんですね。
そして、役員の場合はさらに注意が必要です。
役員報酬は「毎月一定額でないといけない(定期同額給与)」というルールがあります。
なので、水道代などを会社が追加で払ってしまうと、
追加の報酬とみなされてしまい、経費にもならなくなるんです…。
(でも所得税は追加分も給与として課税される…)
【例外もあり】水道光熱費が経費になる可能性もある
国税庁の通達では、例外として以下2つをどちらも満たせば認められています。
- 社宅の光熱費が「明らかに高額でない」
- 誰がどれだけ使ってるかがハッキリしない(=共有的な使い方)
たとえば、複数人が使う寄宿舎タイプの社宅を法人で一括契約しているなど、
完全に生活費として切り分けられない場合です。
でも、これはかなりレアなパターン。
ふつうの一人暮らし社宅などでは、水道光熱費は個人が負担する方が無難です…。
まとめ:水道・光熱費の法人負担は原則NG。個人で払うのが安全!
- 社宅の家賃は制度を使えば一部を経費にできる
- でも、水道・電気などの生活費は「給与」とみなされる
- 結果的に税金が増えたり、経費にできなくなるリスクも
- よほど特殊なケースでない限り、水道光熱費は個人負担がおすすめ!
社宅制度は、うまく使えば生活コストを下げながら節税できる心強い仕組みです。
でも、ルールを誤解すると、かえって損してしまうことも。
法人成りを今後検討される方は、コストや手間も踏まえて法人成りをするかどうか決めましょうね!
◆参考記事


\ 社宅制度、ちゃんと活用できてますか? /
「家賃を会社で払いたい」「役員からはいくら天引きすればいいの?」
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