経費の線引きがあいまいになっていくと、税金が減ってもお金がなくなる

クリエイターのお金の話
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こんにちは!

公認会計士・クリエイター業専門税理士の三橋裕樹です!

 

「経費の線引きがあいまいになるのはよくないことだよ」という話は、

わたしのブログでも何回か記事にしてきました。

 

それはもちろん税理士としてのあるべき論で発信している側面が強いんですが、

今回はそうではなく、税金が減るはずなのにお金がなくなるという不思議な話について書いてみます。

 

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支出は変えずに、経費の範囲だけ広げるという方法

税金を減らす手っ取り早い方法は、

売上を減らすか、経費を増やすかのどちらかです。

 

ただ、収入が増えれば経済的な不安から解放されることが多いので、

売上を減らしたいと思う人はほとんどいませんよね。

そうなると、選ぶのは必然的に経費を増やす方向。

 

でも、経費を増やすということはその分お金を使うということ。

使った金額に対して節税できるのはだいたい30%くらいなので、

100万円使っても税金が減るのは30万円程度で、手元からは70万円出ていきます。

 

ところが、お金の使い方をいままでと変えなくても、

支出のうち経費として処理する範囲を広げれば、数字の上では経費を増やすことが可能です。

ストレートに言うと、生活費や私費を経費として処理すれば税額は大きく減ります。

 

「支出は変わらないのに税金が減るんだから、税務調査にさえ当たらなければ毎年お金は増えていく」

これは悪魔のささやきですが、そう考えたくなる気持ちは正直わからなくもありません。

 

線引きがあいまいになると、生活水準が少しずつ上がっていく

しかし現実は、だいたいそううまくは進みません。

経費の線引きがあいまいになればなるほど、

「なんでも経費にしちゃえばいい」という感覚が悪い方向で生活に染み込んでいくんです。

 

具体的には、金額の大きな家具や家電を買うことへの抵抗がなくなったり、

外食代や飲み代をケチらなくなったり、出張という名目で旅行に頻繁に行くようになったり、

洋服や美容に対しても欲が強くなったりしていきます。なんせ経費にできちゃうから。

 

商売道具である機材やパソコンも、本来そこまでの機能は必要ないのに、

「仕事道具こそいいものを」という理由で上のランクを選ぶようになったり、

毎年のように買い替えたり。

 

そして良くも悪くも、世の中にはお金を多く使う人ほど、

丁寧におもてなしをしてくれるお店やサービスがたくさん。

 

いいものに囲まれて、趣味を思う存分楽しめて、

ステータスも感じられる生活は、間違いなく心地いいものです。

 

ただ、税金が減るはずなのにお金がなくなる原因は、

この心地よさに慣れてしまうことにあります。

 

一度上げた生活水準はなかなか下げられない

贅沢できる生活に慣れてしまうと、

飽きるまではランクダウンすることにものすごい抵抗が出てくるんです。

 

とくに家族やパートナーがいたり付き合いのある友人がいたりすると、

一度いい格好をしてしまった分、後に引けなくなりやすい。

 

そうなるといくらお金があっても、

「次はあれ」「その次はこれ」「来年になればあれに手が届く」と、

どんどん経済的な不足を感じるようになっていきます。

 

売上の増加がそのスピードに追いつかなくなると、

さらに私費を経費に混ぜ込むことで税金を減らして解決する方向に意識が働きやすくなる。

 

そして、あるとき税務調査でそのからくりを一気に否認される日が来ます。

しかも加算税や延滞税というおまけつき。

 

短期間で立ち直るのがかなり難しい状況になって、生活そのものが破綻してしまう。

しかも、一度引き上げた生活水準を急には落とせないので傷はさらに深くなります。

 

線引きがしっかりしている人は、歯止めがかかりやすい

逆に、経費の線引きをしっかりしている人は、

無意識のうちに生活水準を上げることへの歯止めがかかります。

 

外食に行くこと、新しい家具家電を買うこと、旅行に行くことを無駄だなんて思ってなくても、

「私費でお金を使っても、お金が使った分だけなくなって税金は変わらない」という意識があると、

なんだかんだお金を使わない方向に意識が向きやすくなります。

 

機材を新調するときも、ルーティンのように毎年買い替えることはなくなりますし、

自分のいまの使い方とそのスペックを冷静に比べて、じっくり考えて選ぶようになります。

 

そうやって生活実態に合わせて生活水準を維持していくので、

お金も無理なく溜まっていきやすい。

 

お金を抵抗なく使える生活はたしかに魅力的ですし、お仕事を頑張るための活力にもなりますが、

生活水準を上げる前にやるべきことは、経費の幅を私費まで広げることではなく売上を増やすこと。

 

普段から説明のつく経費処理をしていれば税務調査に当たっても痛くないですし、

売上を上げてから生活水準を上げていけば、不測の事態があったときでも崩壊しない水準で生活できます。

 

経費の線引きは、税務調査から身を守るためだけのものでなく、

自分のお金の使い方にバランス感覚を保つためにも必要なことなんだと覚えておいてほしいです。

 

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