印税収入が読めない漫画家・作曲家が知っておきたいお金の守り方

クリエイターのお金の話
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こんにちは!

公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

 

漫画家さん、作曲家さんにとって、印税は生活を左右する大事な柱です。

作品がバズったときの破壊力はすさまじく、1回の印税で数年分の生活費を稼げてしまうなんて人もいるほど。

 

ただ、印税には予測を立てづらく、いきなり収入が落ち込む可能性があるという負の側面もあります。

「二年前は2,000万円、去年は2,500万円だったのに、今年は800万円…」

わたしも多くのお客様をサポートさせていただくなかで、こういう状態を何回も目にしてきました。

 

毎月の原稿料や、単発の作曲報酬がある程度あったとしても、

いくら入ってくるか読めない印税が収入の大部分だと、お金の使い方・残し方にも大きく影響しますよね。

 

そこでこの記事では、税理士として実際にクリエイターのお客様にお伝えしている考え方を紹介します!

 

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「毎月〇〇万円稼ぐ」より「入ったお金で何か月持つか」を考える

まず結論ですが、印税にかなり依存している漫画家さん、作曲家さんは、

「毎月〇〇万円稼ぐ」という発想より、「この印税で何か月生活できるか」という発想が重要になります。

 

毎月ある程度の売上が見込めるビジネスなら、

各月の売上目標を達成することで、お金が減る状態をひとまず回避できるので分かりやすいですよね。

 

一方、印税が収入のほとんどを占める構造だとこの発想を使うことができません。

とくに作曲家さんの場合は3ヶ月に1回ペースで各社からの印税がまとめて入金されるので、

収入がドカンとある月もあれば、まったく収入がない月があることも…。

 

そのため、お金を前借りするようなイメージで数ヶ月先の支払に充てることを考える必要があり、

最低限確認してほしい数字はこの3つです👇

  • 手元の現預金残高
  • 毎月の固定費(生活費、仕事用のお金、年金・健康保険料など)
  • その固定費で、あと何か月持つか

 

たとえば春に印税が600万円まとめて入ったとき、

何も考えないとそれ以降も近い金額が入ってくると見込みんで、お金を使い過ぎてしまうかもしれません。

 

でもここで、「毎月の固定費が30万円だから20ヶ月生活できる」と考えられれば、

この生活余裕を減らすのが無意識に怖くなり、支出を抑制できる可能性が高くなります。

 

固定費は収入が落ち込んだときでも耐えられる水準にキープ

そしてこの記事で一番お伝えしたいのが、

固定費をなるべく増やさずに、収入が落ち込んだときでも耐えられる水準に維持してほしいということ。

 

たとえば一回の印税で数百万円のお金が入ってしまうと、

ほとんどの人は「これくらいお金使っても平気だよね」とお財布の紐がゆるくなってしまいます。

 

もちろん、

  • 数年前から使ってるパソコン、タブレット端末の買い替え
  • 我慢して使っていた椅子、机の新調
  • 作業効率を高めるためのガジェット

こういう明らかにお仕事で必要なものは今後のお仕事を伸ばしていくための投資ですし、

基本的に単発での支払になり、毎月の固定費を増やすものではないので使ってOK。

 

一方で、

  • 「もっと生活を良くしたい」
  • 「もっと便利なサービスを活用したい」
  • 「ローンを組んで家、車を買おう」

という発想は、慎重になりすぎるくらいでもちょうどいいかもしれません。

 

というのも固定費の怖いところは、それぞれの金額だけ見ると「この程度なら問題ない」と思うのに、

すべて集計してみるとあっという間に数十万円という大金になること。

もし入金が数ヶ月ないとき、毎月口座から数十万円確実にお金が無くなるって考えたらかなり怖いですよね。

 

さらに、ほとんどの人は一度生活水準を上げてしまうと、

そこから下げることに対して心理的な抵抗がかなり強くなり、

手元のお金がなくなっていくのが分かっていてもなかなか生活を変えることはできません。

 

そのため、印税が多かった年の生活水準を基準にして固定費を増やさないことが、

生活とお仕事の両方を守るためにはかなり重要になります。

 

税金の分は、入金と同時に「最初からないもの」として分けておく

さらに踏み込むと、印税収入がある漫画家さん、作曲家さんで一番多い資金繰りの失敗が、

「印税が跳ねた翌年」に住民税や健康保険でお金が足りなくなるケースです。

 

なぜこれが起きるかというと、住民税と健康保険は「前の年に稼いだ分」をもとに計算されるので、

儲かった年にお金を残しておかないと、手元資金から払うタイミングで詰んでしまうことも…。

 

ただ、この対策はシンプルで、

印税が入ったタイミングで、おおむね30%を機械的に別口座へ振替してしまいましょう。

さらに、そのお金とは別口座に生活費6ヶ月分の生活防衛貯金を作っておけると理想です。

 

はじめから「これはもう自分のお金じゃない」というプール場所を作っておくと、

無駄遣いの抑制にもなりますし、心理的にも割り切って対応しやすくなります。

 

ちなみに、クリエイター業の場合は基本的に文美保険に加入すると

稼ぎがいくらであっても健康保険料を定額にすることができるので一度検討してみましょう。

参考になる過去記事はコチラ👇

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印税が大きく跳ねた年は「平均課税」を使う

すこし専門的な話になりますが、

印税、作編曲、原稿料といった収入は、所得税のルール上「変動所得」という区分に該当します。

 

所得税は「195万円を越えた部分は10%、330万円を越えた部分は20%…」というように、

稼いだ金額を多ければ多いほど、その上澄み部分について課せられる税率がどんどん上がる仕組み。

つまり印税が一気に増えた年は上澄み部分の割合が増えて、それだけ税負担も急増します。

 

でも、「変動所得」に該当する場合は「平均課税」という計算方法が用意されていて、

過去2年と比較して稼ぎがドカンと増えた場合は、この計算方法で所得税をかなり軽減することが可能。

事前申請も不要なので、そういうケースの場合は税理士に相談してみてください。

 

補足:ひとつの収入を増やすより、収入源の数を増やす

印税そのものはコントロールできませんが、

自分でもコントロールできる可能性があるのは収入源の「数」です。

 

たとえば自分の収入源が、

  • 原稿料、作編曲料
  • 印税
  • ファンコミュニティ系のプラットフォーム
  • 広告収入
  • グッズ
  • 講師
  • 動画配信

このように複数あれば、それらが同時にすべてゼロになる可能性は低くなります。

 

もちろん本業が回らないほど色々なものを同時並行で進めていくのはNGですが、

いずれ「毎月〇万円は入ってくる」という状態を目指していけると理想ですね。

 

Q&A:印税収入とお金の守り方に関する疑問

Q. 印税を頼りに生活してて、印税の一部を貯金することができません…

A. 厳しいかもしれませんが、いまの固定費が収入水準に合っていない可能性が高いです…。

まずはクレカ明細を見直して、無駄なサブスク支払いなどがないか確認して支出を抑制しましょう。

 

Q. 平均課税は、どういうときに使えますか?

A. 要件をざっくり説明すると以下のとおりです。

  • その年の変動所得金額が、その年の所得金額の20%を超えている(変動所得の割合が大きい)
  • 過去2年の変動所得から計算して平均額を上回っている(今年変動所得が伸びた)

事前申請がいらないので、税理士が申告前に気付いて勝手に対応してくれたりもします。

 

Q. 印税収入が増えたら法人成りすべきですか?

A. 法人成りすると文美加入ができず、変動所得の平均課税も使えないので断言はできません。

また、法人成りをすると士業への報酬など固定費増加、事務作業量の増加、税務調査リスクの増大など、

収入の変動が激しい業種だと割に合わない結果になることが少なくないので、税理士と相談しましょう。

 

まとめ:印税の波は大きいからこそ、対策をしっかり練ろう

  • 印税型の収入は「入ったお金で何か月持つか」で考える
  • 確認するのは手元資金・固定費・何か月持つかの3つだけ
  • 固定費は「収入が落ち込んだとき」でも耐えられる水準にキープ
  • 印税が入ったら30%を即座に別口座へ。税金分は最初からないものとして扱う
  • 印税が跳ねた年は平均課税を使う

印税収入を正確に予測することはできません。

コントロールできる部分をしっかり管理することが、長くお仕事を続けるためのカギになります。

 

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