こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
フリーランスとして仕事をしていると、外注さんに報酬を払うこともありますよね。
そのときに出てくるのが「源泉所得税」の話。
「あ、これ便利そう!」と思って使い始める人が多い”納期の特例”、
じつは意外な落とし穴があるんです。
今回は、源泉所得税の納期の特例って何?という話から、
やってしまいがちな注意点まで、できるだけやさしくまとめてみました!
そもそも源泉所得税ってなに?
たとえば、家族を青色事業専従者にてお給料を払うとき。
月額88,000円以上を払うときは、
お給料から「所得税」を一部差し引いて、税務署に納める必要があります。これが「源泉所得税」。
もしお給料を払っているフリーランスの方に顧問税理士がついてたら、
その税理士に払う顧問料からも「源泉所得税」を徴収する必要があります。
これを毎月きっちり納めるのって、正直めちゃくちゃ面倒ですよね…。
そこで登場するのが、「納期の特例」です!
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「納期の特例」ってどんな制度?
納期の特例を使うと、半年分まとめて年2回だけ納付すればOKになります。
- 1月〜6月分 → 7月10日までにまとめて納付
- 7月〜12月分 → 翌年1月20日までにまとめて納付
毎月の手続きがいらないのは、かなり助かりますよね。
でも!ここに思わぬ落とし穴があるんです…。
落とし穴①「払ったつもり」で滞納してしまう
半年分をまとめて払う、という仕組みのせいで、
うっかり忘れたり資金繰りに苦しんだりする人がめちゃくちゃ多いです。
たとえば、3月に税理士に確定申告報酬を払って、
忘れてた頃の7月に、納期の特例で「源泉所得税」の納付が数万円発生するケース。
気づいたら、「払えない…」ってなってるケースもあります。
顧問税理士がついていれば、予め教えてくれるとは思いますが、
それでも支払いを肩代わりはしてくれないので、きちんと払えるお金を残しておきましょう…!
落とし穴②「外注費も納期の特例」と思い込む
これ、めっちゃ多いです!
実は「納期の特例」、外注費から天引きする源泉所得税は対象外なんです…。
なので、もし8月にイラストレーターさんへ外注費を払って源泉所得税を天引きした場合、
納期は1月20日ではなく、9月10日ということになります。
一般的には税理士報酬も、外注さんへの報酬も同じ外注費みたいに見えますが、
- 弁護士、税理士といった士業への報酬 → 納期の特例対象
- 楽曲制作、演奏、講師、デザイン関係の外注費 → 納期の特例対象外
このように取り扱いが違うので、期限までに支払い忘れが無いように注意!
落とし穴③ うっかり「納期限」を過ぎるとどうなる?
納期の特例を使っていても、
納付期限を1日でも過ぎると「不納付加算税」がかかることがあります。
ペナルティとなる金額は「納めるハズの源泉所得税*5%」となりますが、
このペナルティ額が5,000円未満の場合は免除してもらえます!
つまり、源泉所得税が100,000円以上発生しているときのみペナルティということになりますが、
それでも払うべき税額を滞納してて良いことはないので、しっかり払いましょう…!
フリーランスにおすすめの対応策
- カレンダーに納付日を事前に登録
→ Googleカレンダー・手帳などに通知設定を!
- 12月時点で概算額を計算
→ 手元資金を先によけておくと安心
- e-Taxを使ったオンライン納付
→ スマホやPCでさっと完了できる
最初はどうしても面倒ですが、一度ルーティン化してしまえば慣れてきます!
よくある質問(QA)
Q. 納期の特例って、勝手に適用されるの?
A. いいえ。税務署に「納期の特例の承認に関する申請書」を提出しないと使えません。
開業届と一緒に出しておくのが一般的です!
Q. 納期の特例をやめたい場合は?
A. やめるときも、届出が必要です。
途中で切り替えたいときは、必ず税理士や税務署に相談を!
Q. そもそも誰に源泉徴収が必要なの?
A. 主に、以下のような個人に報酬を払う場合が対象です👇
- イラストレーター
- 作曲家・ナレーター・声優
- ライター・翻訳家
- カメラマン・動画クリエイター など
判断に迷ったら、税理士にしっかり確認を取りましょう!
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まとめ │ “落とし穴”も理解して、納期の特例を活用しよう!
- 源泉所得税の納期の特例は便利だけど、油断すると滞納リスクも
- 「外注費」は納期の特例対象外
- 納期限・資金繰り・届出の管理をしっかりしよう
使い方を間違えなければ、とっても頼れる制度。
「忘れてた!」が怖いだけに、ちょっとした意識を大事にしましょう!
\ 「源泉徴収って自分も必要?」と迷ったら /
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