【作曲家・漫画家向け】著作権使用料(印税収入)はいつ売上に計上すべき?税理士が解説!

クリエイターの税金・申告関係
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こんにちは!

公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

 

作曲家さんや漫画家さんは、制作物を納品して終わりではなく、

著作権使用料(印税収入)として継続的な収入が入ってくる方も多いですよね。

 

「印税や著作権収入って、いつ売上に計上すればいいの?」

確定申告の時期になると、こうした質問を多くいただきます。

 

この記事では、作曲家・漫画家などクリエイター向けに、

著作権使用料の売上計上タイミングについてわかりやすく解説します!

 

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原則は「発生主義」!売上は“もらえる権利”が確定した時

会計処理の原則は「発生主義」

現金の入出金日ではなく、売上を受け取る権利が確定したタイミングで計上するのがルールです。

(例)
【納品・請求時】 売掛金 100 / 売上 100
【入金時】   普通預金 100 / 売掛金 100

このように、作品を納品・請求したタイミングが「売上の確定したタイミング」となるわけです。

 

著作権使用料の計上は「通知書発行日」が基本!

著作権使用料は作品の利用に応じて発生し、集計と分配に時間がかかります

 

たとえば「8月〜11月分の使用料が、翌年2月に支払われる」など、

実際にいつ確定したのかが本人には見えにくいという特徴があります。

 

このため、実務上は:

  • 管理団体や出版社・音楽会社からの分配通知書の発行日

これをもって、「売上の確定したタイミング」として、売上計上するのが合理的とされています。

 

所属事務所・企業がある場合は、その企業からの通知書で判断

作曲家さんや編曲家さんの中には、

音楽出版社や芸能事務所などに所属している方も多いですよね。

 

この場合:

  • 複数の著作権使用料を企業側で合算
  • 手数料や源泉所得税を控除後、本人へ振込

という形式が一般的。

 

この場合は、所属企業が著作権使用料を集計終えるまで売上も手数料も確定しませんから、

所得企業からの分配通知書が届いたタイミングで売上計上ということになるかと考えます。

 

 

よくある質問

Q. 入金日で売上を立てちゃダメですか?

A. 基本的には、通知書などで「もらえる権利」が確定したタイミングが適切!

ただ、通知書の発行月と入金月が同じであれば、細かい日付は違っても入金時に売上登録してOK!

 

Q. 通知書が届くのが遅れた場合は?

A. 実務上は「通知書発行日」が基準になるので、遅れて届いても日付ベースで記帳するのが一般的です。

やむを得ず入金日でしか処理できない場合は、その理由をきちんと説明できるようにしましょう!

 

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まとめ:実態ベースで合理的に判断を

  •  原則は「もらえる権利が確定した時点」で売上を計上
  •  著作権使用料の場合は「通知書の発行日」が最も合理的
  •  所属企業が複数の印税を集計する場合、所属企業の「分配通知書の発行日」が合理的

税務調査における説明の観点でも、いつ確定したかを合理的に説明できるかが重要です。

合理的な理由に基づいたルール通りに継続処理していれば、基本は問題ありません。

 

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