確定申告が終わった今こそ、法人成りのメリット・デメリットを考えてみる

税務関連

こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

「今年も無事に確定申告終了!」

「今年は売上こんなにあったんだ!」

「でもやっぱり税金高いなぁ」

この時期あるあるのお悩みですね。

 

個人事業を会社に移す、

つまり法人成りすることで

節税効果があるっていう話は聞いたことがあると思います。

 

「でも会社を設立するための手続は大変そうだし、

メリット・デメリットはザックリしたことしか分からないし…。」

 

そんなときに、ぜひこの記事を読んでほしいです!

そもそも法人成りってなに?

法人成りというのは、

個人事業主が自分の会社を設立して、

その新しい会社でお仕事することを言います。

 

これだけ聞くとシンプルですが、

  • 法人に100%事業を移して個人事業を廃業する
  • 個人事業の一部を法人に移す
  • 個人事業とは全く別のビジネスをする

などなど、その実態は人によって色々です。

会社設立の方法は?

会社をつくるための方法は大きく分けて以下2つです。

  • 司法書士先生に依頼して会社の設立手続を代行してもらう
  • 会社設立freeeなどのサービスを使って自分で手続をおこなう

司法書士先生に依頼をすると、

法定の会社設立費用(株式会社は約20万円、合同会社は約6万円)のほかに

代行報酬として4~5万円程度支払うことなります。

 

これに対して会社設立freeeを利用すると、

書類の作成・提出等の手続は自分自身でやることになりますが、

ほぼ法定の会社設立費用のみで会社を設立手続を行うことができます。

 

どちらが良い悪いはありませんが、

求められた書類をきちんと用意できれば

司法書士先生に依頼することでかなりスムーズ、かつ正確に設立手続が完了するため、

時間を買いたい気持ちがある場合には依頼するのがおすすめです。

会社設立にあたり決める必要があること

もう少し細かい話もありますが、

最低限決める必要があることは以下のとおり。

  • 会社名
  • 本社住所
  • 会社設立日
  • 決算期
  • 資本金額
  • 事業目的(ビジネスの内容)

このうち事業目的はテンプレ的な書き方があるので、

「事業目的一覧」でネット検索をして、

自分がやりたいビジネスの場合はどんな書き方が適切なのか知っておくとベターです。

法人成りのメリット

法人成りする具体的なメリットは主に以下のとおり。

1. 税負担の軽減

個人事業主はビジネスの儲けに対して所得税が課されますが、

所得税は儲けが一定水準を超えるごとに、

超過分に対して高い税率が課されるため、

たくさん稼ぐと、稼ぎに対する税金の負担割合がどんどん大きくなっていきます。

 

これに対して会社の場合には、

法人税の税率が15%(or23.2%)で固定されているため、

たくさん稼いでも、稼ぎに対する税金の負担割合がほぼ一定となります。

 

厳密には個人・法人それぞれ地方税を加味することになりますが、

それでも、一定金額を超える儲けが安定的に出るようであれば、

法人成りをした方が税金を安くできる可能性が高いです。

 

一般的には、確定申告書の以下赤マル部分が

900万円を超えてくると法人成りのメリットを十分に受けられると言われてます。

2. 健康保険・厚生年金への加入

個人事業主の場合は国民健康保険・国民年金に加入しますが、

法人成りをして役員報酬をもらうと、健康保険・厚生年金に加入することになります。

 

国民年金は一定額ですが、

国民健康保険は前年稼いだ利益をもとに算定されるので、

稼ぎすぎると1年分で100万円程度の支払いが発生する可能性があります。

 

これにたいして健康保険・厚生年金の保険料は

役員報酬に応じて支払金額が決まるので、

自分で社会保険料をコントロールしやすくなります。

 

また、国民年金だけに加入しているよりも

将来貰える年金が(一応)多くなる(と言われている)のもメリットと考えられるでしょう。

3. 取引先からの信用アップ

私のお客様の実体験を踏まえても

意外と軽視できないのがコレ。

 

大きな会社であればあるほど、

新しい取引先と契約をする場合には決裁規程というものがあり、

個人事業主よりも、資本金が100万円以上ある会社のほうが

内部承認が通りやすくなります。

 

大きな会社相手じゃなくても、

個人事業主として仕事をしていたときよりも

法人成りをしてからの方が

教育機関や公的なお仕事の受注が増えたという話はよく聞くので

これも大きなメリットといえます。

 

上記のほかにも規程による手当の支給、

社宅制度の活用、退職金の支給などなど法人成りのメリットはあります。

法人成りのデメリット

もちろん法人成りのデメリットもあります。

1. 手続きが増える

一番分かりやすいデメリットは、手続が増えること。

  • 設立費用がかかる
  • 設立~社会保険加入等の手続が煩雑
  • 法人用の銀行口座や印鑑を作らないといけない
  • 会社と個人のお金を明確に分ける必要がある

 

法人の活動が安定化するまで税理士が付いていれば、

何をどうすればいいか、誰に頼ればいいか など

一つ一つ課題を解消していくことができますが、

何でも自分でやろうとして結局色々後回しにしているケースもよく目にします。

 

2. 社会保険料負担が重く感じやすい

健康保険・厚生年金は

個人で半分、会社で半分を支払うことになるため、

毎月の役員報酬額に対して、総額としての社会保険料負担が重く感じやすいです。

 

役員報酬額を自分で決められるため

社会保険料をコントロールしやすいのは事実なのですが、

仮に業績が落ち込み、次の期で役員報酬を減額したとしても、

社会保険料を減額できるのは最短で2~3ヵ月後となりますし、

手続を忘れてしまうと減額前の社会保険料をそのまま支払うことになります。

 

また、個人事業を廃業して法人成りした場合、

社会保険料・税金が天引きされた役員報酬が自分の月収になるので

個人事業の時よりも社会保険料負担が重く感じることが多いです。

3. 会社のお金を自由に使えない

法人のお金は会社のお金なので、

個人で自由に使うことはできず、以下でもらったお金が個人のお金となります。

  • 会社からの役員報酬
  • 個人で立て替えた経費の精算
  • 手当の支給
  • 配当

 

今まで儲けが1,000万円くらいあった人が、

法人成りをしたら毎月30万円くらいしか使えないとなったら、

かなりストレスですし生活資金も不安ですよね…。

 

このほかにも、税務調査リスクが上がると言われていたり、

会計・申告が複雑化して税理士への報酬が増えることがデメリットと言われてます。

法人成りでどれくらい税金が安くなる?

例えば所得1000万円の人が

法人化した場合の節税額を見てみましょう!

 

個人事業主の税金

所得税:約180万円

住民税:約100万円

国民健康保険、国民年金:約110万円

合計 →  約390万円

法人成りした場合の節税イメージ

役員報酬を 月40万円(年間480万円) に設定した場合は

概ね以下節税となる見込です。
個人の税金(法人の社長としてもらう給料の税金)

 所得税・住民税:約35万円

 健康保険、厚生年金:約70万円

法人の税金(会社として払う税金)

 法人税・地方税:約120万円

 健康保険、厚生年金:約70万円

合計 →  約295万円

 

実際にはここから税理士報酬の増加など、

追加の費用影響も出てきますが、

法人成りの節税効果は理解しやすくなるかと思います。

法人成りすべき?しなくていい?

まとめると以下のとおりです。

法人成りしたほうがいい人

  • 毎年の所得が900万円以上ある人
  • 手間よりも節税を選びたい人
  • 健康保険、厚生年金に入りたい人
  • 取引先の幅を増やしたい人

個人事業主のままでいい人

  • 毎年の所得が900万円に届かない人
  • 面倒な手続や税務処理に手をつけたくない人
  • 文美保険等により社会保険料のコントロールができる人

 

それでも判断に迷う場合や、

自分に合った法人成りの方法を検討したい場合には

ぜひ税理士に相談することをおすすめします!