こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
事業を行ううえで、キャッシュ以上に有事の際に頼れるものはないでしょう。
いつの時代においても資金調達ニーズはあるものですが、お金の使い方が悪いと金融機関に嫌われることになりかねません…。
そこで今回は、金融機関が嫌うお金の使い方を3つ紹介します!
社会保険料等を滞納
中小企業、個人事業主にとってどうしても軽視されがちな社会保険料。
「社会保険料さえなければもっと資金繰りが楽なのに…」と邪険にされやすく、未加入の会社が少なからず存在しているため、
「少しくらい滞納しても平気でしょ」
「融資を受けて余裕ができたら払おう」
こんな気持ちに傾きやすいものです…。
ただ、社会保険料の滞納は金融機関が資料を見たらすぐにバレてしまいます!
決算書の勘定科目内訳明細書を見れば期末時に何カ月分の社会保険料が残っているか分かりますし、
損益計算書上の人件費に比して法定福利費率が著しく低ければ計上漏れも発覚します。
そもそも税金や社会保険料は事業を営んでいるか否かを問わず支払う義務があるものですので、その支払いを優先せずに怠るということは「借りても返しません」と宣言しているようなもの。
融資をアテにせず、普段から滞納することがないようにしましょう…!
プライベートに横流し
これは特に個人事業主に多いです。
設備資金の融資を受けた場合にはある程度の拘束力がありますが、運転資金の場合は(極論を言うと)明確な資金使途がありません。
そのため、数百万円の融資を受けた後にプライベート資金として流用することも可能といえば可能です。
ただこのような場合であっても決算書を見ればだいたいバレます。
法人であれば役員貸付金が増えますし、
経費の総額を見てもそこまで支払いが無いように見えるのに、借入残高に対して現預金残高が著しく低い場合には違和感があります。
過去にそういった形跡があると、「またプライベート資金に充てそうだな」と疑念を抱かれますので、融資を継続して受けることを想定している場合には避けるようにしましょう…。
羽振りの良い接待交際費
また、本業の利益に対して接待交際費の金額が多い場合も金融機関に嫌われます。
接待交際費とは、事業を円滑に行うために取引先等を接待する際にかかる費用ですが、当然ながらその金額が多額であればあるほどお金が会社から出ていきます。
実務上はゴルフや会食の場を設けることで取引関係の構築につながることがあるとはいえ、本業とは関係のないところでお金が出ていく訳ですから、度を超えると無駄遣いでしかありません。
例えばですが、他社の決算書を見ていて
- 売上高が500万円、接待交際費が100万円
こんな状況の会社があったらお金を貸したいとは思いませんよね。
もちろん金融機関も同じ考えを持っていますから、融資を検討しているのであれば本業とは言えない部分でお金が消えていないか確認する必要があります…。
自分が「貸したい」と思う事業主になる
融資を検討しているのであれば、何よりもまず自分が貸す側に立った際に「貸したい」と思える状態になっていることを必要です。
お金の貸借に関して素人である自分でさえ「貸したい」と思わないのであれば、プロが貸してくれるハズがありません。
金融機関に好まれる事業主になるために、小手先に頼らず真っ当な経営をして利益を稼ぎましょう!