税理士に確定申告を頼んだら決算書の売上が入金より多い!?その理由をカンタン解説!

税務関連

こんにちは!

公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です。

 

確定申告が終わったあとに、お客様からこういう質問を頂くことがあります。

「こんなに売上高を稼いだ実感ないけどどうやって集計したんですか?」

「入金額の合計と決算書の売上高に差異がありますけどミスですか?」

 

この 売上>入金 問題、実はよくある話です。

でも安心(?)してください。

それは税理士のミスではなく、「会計のルール」と「源泉所得税」が関係しているだけなんです。

この記事ではクリエイター業の皆さんに向けて、このズレがなぜ起こるのかを分かりやすく解説していきます!

結論:売上は「請求ベース」、入金は「実際に受け取った金額」

まず、覚えておいてほしいのはこれだけです!

💡 売上=請求した金額(発生ベース)
💰 入金=実際に振り込まれた金額(現金ベース)

つまり、「お仕事完了して請求書を出したら売上」として計上されます。

お金がいつ入ったか、いくら入ってきたかは売上と関係ないんです。

 

①なぜそうなるの?「発生主義」という考え方

これは会計のルールの一つ、「発生主義」が関係しています。

発生主義=お金が動いたかどうかではなく、
仕事が終わった(≒納品した)時点で売上にする。

たとえば…

  • 12月20日:原稿を納品 → 請求書発行(報酬5万円)
  • 1月31日:実際に入金

この場合、売上は12月のものとして計上されます。

翌年1月に入金があっても、それは売上の集計としては関係ないんですね。

 

②なんで金額がズレる?「源泉所得税」の存在

あともう一つ、クリエイター業の皆さまには大事な話があります。

「請求通りの金額で振り込まれてないんだけど…?」
→ それは源泉所得税が引かれているからです。

源泉所得税とは、報酬の支払側(クライアント)が、

税金をあらかじめ差し引いて税務署に納める仕組みです。

つまり報酬額の一部が(勝手に)所得税の前払いとして徴収されていることになります。

 

よくある例

  • イラストのお仕事で「55,000円(税込)」の請求書を発行
  • クライアントは「10.21%(5,615円)」を源泉徴収して、49,385円だけ振り込まれる

でも、売上は請求額の55,000円で計上されます。

源泉徴収された税金は、もともと収入の一部だからです。

 

税金計算にどんな影響がある?

たとえば売上55,000円、経費0円、所得控除0円、税率10%だとしたら。

税金は5,500円になりますよね。(55,000円*10%)

この例を2つのケースに分けて考えます。

源泉徴収される前の金額を売上とする場合(正しい方法)

この場合の税金計算は上記と同じです。

所得税:55,000円*10%=5,500円

ただ、源泉徴収されているので納税(還付)額は以下となります。

所得税5,500円 ー 源泉所得税5,615円 = ▲115(還付)

 

源泉徴収された後の金額を売上とする場合(間違った方法)

入金額を売上として税金計算をするとおかしなことになります。

所得税:49,385円*10%=4,938円

所得税4,938円 ー 源泉所得税5,615円 = ▲677(還付)

同じ取引のハズなのに、間違った方法で処理すると還付額が大きく増加してしまいます。

もちろん税務調査に当たったら間違いなく修正させられます(+ペナルティ)

 

このとおりクリエイター業であれば 売上>入金 となることがほとんどなんですが、

税理士と契約せず自分で会計登録・申告書作成をしている方は、入金額で売上処理していることが少なくないようです…。

 

正しく処理するためにやっておきたいこと

✅ 1. 納品日(請求日)、入金日をメモしておく

→ Excel・スプレッドシートや会計ソフトで管理すると安心!

クリエイター業のための「毎月やるべき会計タスク」チェックリスト
こんにちは! 公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です! 作曲家さん、漫画家さん、イラストレーターさんからよく聞く悩みの一つがこれ。 「確定申告の時期がくるたび、1年分の領収書を見て後悔します…」 わ...

 

✅ 2. 源泉税の引かれた明細、資料を保存する

→ 確定申告で税金の計算に使います(還付額の漏れ防止)

支払調書は現金主義なので、あくまで参考資料でしか使えません…。

 

✅ 3. 売上と現金残高は別物として考える

→ 特に通帳の金額だけを見て1,000万円を超えたかどうか判定するのはかなり危険

消費税の課税事業主判定は、もちろん源泉徴収前の売上高で判定されます。

 

よくある質問Q&A

Q. 源泉所得税って戻ってくるんですか?

A. はい!確定申告で税金を計算し直すので、還付されることが多いです!

売上高のうち企業との取引割合が多いクリエイターさんは、だいたい還付になります!

 

Q. 「現金主義」で申告できないの?

A. 原則NG。要件に該当した場合のみOK。

現金主義で売上登録するためには以下要件をすべて満たす必要があります。

  • 青色申告の承認を受けている
  • 2年前の事業所得が300万円以下
  • 届出書を税務署に提出している

 

まとめ:売上≠入金

差異理由 内容 留意するとき
発生主義 お仕事完了・請求時点で売上にする 納品月と入金月が違うとき
源泉所得税 報酬から税金が引かれて入金される 印税やイラスト報酬などの報酬
  • 売上=請求金額(お仕事完了時に記録)
  • 入金=実際に振り込まれた金額(源泉税など引かれてる)
  • このズレは会計ルールと税金の仕組みによるもの

 

事業のお悩み、税務相談、自分に合った将来の資産形成相談できる専門家がほしいという方は、

ぜひ顧問契約を検討してみてください!

税務顧問