こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
経営者たるもの、試算表・決算書の数字くらいは説明できるようにしておきたいものですが、
「説明しろって言われても何を説明すれば良いんじゃい!」と思う方も少なくないでしょう。
そこで、今回は試算表・決算書の数字を説明する際に意識すべきポイントを紹介します!
過去から現在に至るまでのストーリー
大前提として、過去の実績を踏まえて当期の数字を説明することが必要です。
たとえば売上を説明する時、ザックリと分けても3通りのパターンがあります。
- 成長傾向にあるのか
- 成熟して安定推移しているのか
- 下降傾向にあるのか
ただこれって当期の数字だけ見せられても客観的に把握することができませんよね…。
そのため、過去数年間の数字を並べ、どのように売上が推移しているのか説明することが不可欠となります。
もちろんこれは経費も同じ話。
ある勘定科目の金額が多額であっても、当期の数字だけでは良し悪しを判断することはできません。
元々経費が発生しやすいビジネスモデルなのかも知れませんし、
下降傾向の業績を立て直すために広告宣伝や研究開発活動を増やしているのかも知れません。
つまり、売上であっても経費であっても、
数字を説明するためには過去から現在に至るまでのストーリーに落とし込んで説明することが大事です。
利益率の比較
また、過年度・競合他社と比較しながら当期の利益率を説明することが必要です。
例えば過年度と比較して利益率が高くなっている場合、
会計処理を変更したのかも知れませんし、
製造方法を見直して歩留まりが改善しているのかも知れません。
また、競合他社と比較して利益率が高い場合には、
当社が独自の仕入れルートを持っていたり、特別な技法を用いているのかも知れませんし、
会計処理が間違っているのかも知れません。
いずれであっても、過去実績もしくは競合他社と比較して利益率が変動しているということは、何かしらの変化があったということ。
その要因を説明するようにしましょう。
売上の分解
上記に加えて、売上を分解して説明できるとなお良しです!
分解って聞くとなんか難しそうですが、単価と数量に分けて説明するということです。
例えば、50,000,000円の売上実績であっても、
10,000,000円*5件という企業もあれば、5,000円*10,000件という企業もあります。
この規模感を見て分かるとおり、これだけ売上の構成要素が異なるとビジネスモデルも大きく異なります。
そしてビジネスモデルが異なるということは利益体質も異なるということ。
サブスクリプションサービスであれば来期も安定した売上が見込めるかも知れませんが、
大型のスポット案件が頼りという場合には来期もおなじ売上が上がる見込みはありません。
売上を分解するということは自社の置かれている状況も把握することになるため、PLの説明をするうえではぜひ意識してほしいところです。
◆編集後記
今日は初めて商工会議所の方と事務所での面談をしました。開業の経緯から業績に至るまで幅広いお話でしたが、こういう時にこの業界に入って良かったと感じますね笑