こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
2019年も残りわずかとなり、市場はクリスマス・年末商戦で賑わってますね!
ブランド物にしても、おもちゃにしても、クリスマス限定モデルが販売されるとやっぱり欲しくなってしまう…!
そしてそれはソシャゲも同じ!
クリスマスの時期になると、各ソシャゲにおいて人気が高いキャラのサンタコス版が登場し、ガチャで爆死する人が続出…なんていうのは最早毎年恒例のイベントになっていますよね。
そこで今回は、ソシャゲやゲームへの課金は経費になるのか?という話をしてみようと思います!

事業規模や事業内容により異なるため画一的な処理方法がある訳ではありませんが、参考になれば幸いです!
経費ってナンだ?
いったん経費のおさらいをします!
誤解を恐れずにザックリ言うと、仕事に関連のある支出が経費に該当します。
その内容のイメージとしては以下のとおり。
・その出費をすることで売上が拡大する見込みがある
・事業を行っていくうえで必要となる出費である
書籍のお話で言うと、公認会計士が会計の本を購入する場合は「仕事に関連ありそう」な気がしますよね。
または音楽家が楽譜を購入したら、それも「仕事に関連ありそう」だと感じますよね。
つまり、ある事業を行うことで収入を得ている時、その事業に関連する書籍は原則経費になります。
この理由は仕事に関連のある支出だから。
上記の例は仕事との関連を客観的に証明しやすいですよね!
参考記事はコチラ↓

ソシャゲやゲームへの課金はどうなる?
ではソシャゲやゲームへの課金はどうでしょう?
結論からお話すると、経費として認められない納税者がほとんどと考えた方が無難です。
上述のとおり、経費として認めてもらうためには仕事に関連のある支出という要件がありますからね…。
ただ、ソシャゲやゲームへの課金だからといって必ず経費として認められないかというとそんな事もありません。
主な例を示すと、以下のような職業の方は経費として認められる余地があると考えます。
・YouTuber
・漫画家、ライター
・ゲームクリエイター、デザイナー
簡単に説明していきますね!
YouTuber
再生数をキッチリ伸ばして稼げているのであれば、経費判定の幅がかなり広がると考えられるYouTuber。
実際にYouTube見てても
「〇〇に100万円課金した男の末路w」
なんて動画が出てくることありますよね!
これを税務上どう扱うかという話。推論になってしまいますが…
有名YouTuberは動画内で課金した金額については全額経費にしているように思います。
というのもYouTubeは動画一本あたりの再生数が分かるので、その企画でどれだけの収益を生んだかというのが立証しやすいんですよね。
そして、その収益に対応する出費として課金した金額が動画内に残っているので、経費性がないと言い切るのが難しいように感じます。
ただここで留意して頂きたいのが、
動画外で課金した分や、本業としてYouTuberをやっていない場合はその課金額全てを経費にするのは難しいように思います…。
そもそもゲームは趣味嗜好として扱われやすいジャンルなので、プライベートな支出との明確な区別が難しいです。
その前提があるなかで桁外れな課金額を経費にした場合、
「プライベートな支出で経費を水増ししてる」と思われかねません。
なので、このような場合には課金額の何割かをプライベートな支出として除外することを検討しましょう。
また、本業としてYouTuberをやっている場合であっても、チャンネル登録者数や再生数が少なく収益があまり上がっていない人は多いかと思います。
その場合でも、「この企画をやることで知名度を一気にあげます!」といった広告宣伝的要素をしっかり説明できるのであれば全額経費にする余地はあるのではないでしょうか。
実際のその動画をきっかけにチャンネル登録者数が爆上がり!
なんて分かりやすい結果になれば客観性が高いですね!
ただ、収益や他の経費と比較して明らかに桁外れな金額だと否認される可能性が高いです。
いずれにせよ、経費にする場合には「この動画で使った金額分のみ」など、説明できる理由をもって行うようにしましょう!
漫画家、ライター
漫画家、ライターはソシャゲやゲームへの課金を経費にすることはできるのでしょうか。
こちらは、全額経費は難しいものの何割かを経費にすることが認められるように考えます。
今や漫画にソシャゲのパロディネタが登場するのは珍しくなくなってきており、これをきっかけにコラボ企画やコラボ商品に発展することも少なくありません。
また、雑誌・ブログにおいても各ソシャゲを比較してランキング化したり、批評されているのを目にする機会が増えてきました。
そのため、流行りのキャラやアプリの傾向を認識することが職業上必要なことであり、
コンテンツを生み出すための資料代としてみなせる場合には課金額を経費にすることは認められるのでないでしょうか。
ただ経費に認められるといってもその割合は個々人によります。
極端な例として、テレビアニメ化するような人気漫画内に特定のソシャゲネタが継続的に出ており、そのソシャゲとのコラボ企画が無数にわたり展開されているなんて場合はどうでしょう。
作品とそのソシャゲは切っても切れない関係となっており、業務付き合いもあるので作者がそのソシャゲに課金することもやむを得ないですよね。
そのため、
このような場合には交際費・資料代として課金額全てを経費にすることに一定の合理性があると言えます。
一方で、
特に自分のコンテンツと関係ないようなソシャゲやゲームをやっていて、多額の課金をしているような場合に
「これは資料代です!」
なんて言われたとしても信憑性がないですよね…。
ただ職業上インスピレーションを得ることやネタ探しとしてソシャゲをやっている人も少なくないはず。
なので、他の資料代等と比較のうえ説明のつく範囲で何割かを経費にするというのはアリではないでしょうか。
ゲームクリエイター、デザイナー
ゲームクリエイター、デザイナーについても漫画家やライターと同様に考えて問題ないかと思います。
仮にソシャゲの開発に携わっているようなゲームクリエイターの方であれば、他社のソシャゲ研究のためにユーザーとして課金することは当然にあるかと思います。
また、デザイナーの方であれば自分が普段描いている作品ではないものの、自分が好みのキャラクターの絵を描いてSNSやpixivにアップしたことで知名度が向上するというのは珍しい話ではありません。
ですので、こちらも説明のつく範囲で経費計上の金額を決めるのがベターかと考えます。
経費の幅は人それぞれ!
経費になるかどうか、またその金額割合がどれくらいかというのは人それぞれ異なります。
プライベートな支出と混同しやすい出費についてインターネットで検索すると
「10%くらい引いた金額を経費計上すれば大丈夫!」
という情報もあるのですが、その根拠は不明ですよね…。
仕事に関連のある支出かどうかは本人が一番分かると思うので、その感覚を持ちつつ実務上の目安として参考情報を探す程度に留めておくのが望ましいです。
または、自分の状況においてはどのように処理するべきか税理士に聞いてみるのも大切ですね!
今回の記事が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです!