こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
突然ですが、監査法人は精神的に崩れる人が比較的多い職場だと思ってます。
休職するほどには至ってないものの精神薬を服用しながら働いている(働いていた)人は思いの外多いです。
「あんなにメンタル強そうな人がなぜ?」と思うこともしばしば…。
私も二年目の時は薬を飲んでいないと動悸が激しくなったり、頭痛や吐き気に襲われたり、色々辛かった記憶があります。
そこで今回は、自身の経験も踏まえて監査法人でうつになりやすい人の特徴を3つ紹介します!
スタッフに作業を振れない人
まず、スタッフに作業を振るのが苦手な人は要注意です!
数年前から、監査職の仕事とアシスタントの仕事を明確に分担していく流れが一層強くなりました。
その一方で、アシスタントやスタッフを使わずに雑務を自分でこなそうとする主査が少なからずいます。
スタッフのうちはそういう仕事の仕方でも何とかなるかもしれません…。
しかし、3年目~4年目になると主査を持ち始めると同時に、スタッフワークも平行稼働しなければなりません。
そうなってしまうと、やはりどこかで限界を迎えます。
「あのスタッフもすでに忙しいから、これ以上作業を増やすのは申し訳ない…。」
「アシスタントに作業の説明をするのも大変だし、管理も面倒。」
作業を振れない人の根本にあるのはこのような考えだと思います。
それでも相手に断る選択肢も与えたうえで依頼することは可能ですし、自分に余裕があるうちに作業を理解してくれるアシスタントを育てておけば後で楽できます。
こういう人は忙しい時ほど作業を抱え込みやすいので、閑散期などに予め作業を振るテンプレを作っておくことで対策を打ちましょう!
「こうあるべきだ」の意識が強い真面目な人
「こうあるべきだ」という気持ちが強い真面目な人も要注意です!
どの業界であっても同じだと思うのですが、仕事をしていると本当に思い通りにならないことばかりです。
クライアントが出すと言った資料を出してこなかったり…
クライアントが起こしたエラーなのに、修正依頼をすると逆ギレされたち…
監査論で習うような”独立性”を現場でも額面通り貫けたらどれだけ楽だろうかと思う毎日。
監査チームスタッフという点では、ファーストキャリアが監査法人という人は結構多いです。
そのため、「え、社会人としてそれはどうなの?」みたいな事は頻繁に目にしますし、上席者がチームをマネージメントしないなんてことも割とよくあります。
なので、「普通こうすべきなのに、どうしてやってくれないの!?」という視点で物事を捉え続けるといつか自分が壊れてしまいます。
本来は仕事で関わる人を全員信頼することができればそれが一番良いのですが、真面目過ぎる人は相手に何も期待しないくらいでも丁度良いのかも知れません。
ただし、ここで何でも自分がやろうとすると上述のように自分が折れてしまうので、「もう私はここまでやったし後の事は知らん。」という割り切りを上手くできるようになりましょうね!
完璧主義者
完璧主義者な人は特に要注意です!
財務諸表監査についての意見は色々あれど、取引の一部を抽出して試査を行っている以上、完璧に監査を行うことは不可能です。
そのうえ、財務諸表監査に投入できる時間は限られていますから、リスク・アプローチの考え方を前提に重要だと判断した取引や論点に注力しなければなりません。
なので現場では、
「質的な影響も少なくて金額がショボイことに時間をかけてる暇ないからスルーしよう。」
といった感じで些末な論点を切り捨てていくことが多いです。
こういったことに対しても完璧さを求める人にとってはとんでもなくストレスでしょうね。
また、年次の若いうちは主査に監査調書を提出する度にレビューコメントがドッサリ返ってきます。
完璧主義者はこのレビューコメントを見て「私って本当ダメだな」とか「使えないな…」って思ってしまいがち。
その自分を受け容れられる人は良いとして、自分を許すことができず「私はこの業界に向いてない」と思ってしまうとドンドン精神的に崩れていきます。
完璧主義者をやめることは簡単にできませんが、そういう時は同期や上司と食事にでも行き、自分の現状をありのままに話してみることをオススメします。
これも私自身が経験したことなのですが、自分の想像以上に同期や上司も同じような悩みを抱えてます。
一人で抱え込まず、人に話すことできっと心が楽になりますよ!
最終的には慣れるしかない
うつになりやすい人の特徴を書いてきました。
しかし、それを乗り越えるためには結局のところ慣れるしかないと思います。
ただこれは必ずしも仕事に限らず、
できない時でも自分を許すことだったり…
「所詮こんなもんさ」と思えることだったり…
人に作業を振ることだったり…
自分を守る練習をしながら、少しずつ上手くなっていくということですね。
仕事を楽しいと感じられない時は、誰が何と言おうと本人にとってはストレスでしかない。
しかし、自分を守る練習を積み重ねればストレスを逃がすのが上手くなっていきます。
そうすれば自分の中に累積するストレスが減っていきますよね。
そうやってストレスが減っていけば、見えてくるものがまた違ってくると思いますよ。