こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「会計ソフトで仕訳をしてたら、“事業主貸”って出てきた…」
「“事業主借”ってなに? 自分に借りたの??」
そんな風に、“事業主貸・事業主借”が出てくるたびに混乱しているクリエイターさん、けっこう多いです。
この2つは“個人事業主特有の”ちょっと特殊な勘定科目。
でも、仕組みを知ってしまえばとってもシンプルな話。
この記事では、会計ソフトを使うときに迷いがちな「事業主勘定」について
クリエイターさん向けにやさしく解説します!
「事業主貸」「事業主借」って結局なに?
この2つは、事業用とプライベートのお金を動かしたときに使う科目です。
ざっくりとこんなイメージ👇
- 事業主貸(じぎょうぬしかし)
→ 事業のお金を“プライベートで使った”とき(=貸した)に使う - 事業主借(じぎょうぬしかり)
→ プライベートのお金を“事業で使った”とき(=借りた)に使う
メインの視点はあくまで、ビジネスをしてる自分(=事業主)。
たとえば…
- 事業用の口座から生活費の引き出し → 事業主貸
- 自分のお財布から経費を立て替えた → 事業主借
つまり、「自分」という存在が、会社の社長でもあり、プライベートの個人でもあるから、
その“2つの人格間の貸し借りを記録”するための「勘定科目」なんです。
◆おすすめ記事

実際の例でイメージするとカンタン!
たとえば、クリエイターのAさんがこういう動きをしたとします:
- 事業用口座から、5万円をプライベート用に引き出した → これは事業主貸
- 自分のクレジットカードで資料代を立て替えた → これは事業主借
ソフト上でもこの記録を残すイメージで使ってみると、理解が進むと思います。
あとはちょっとテクニカルな売上の話。
たとえば、現金で報酬をもらうときとか、プライベートの口座に入金されることもありますよね。
そういう場合は、「事業主貸」を使うことになります。
- 事業のお金を個人が貰った(=個人にお金を貸したのと同じ)→事業主貸
「現金」を使わない理由については、コチラの記事を参照してみてください👇

よくある“事業主貸・借”の使いどころ3選
ここも押さえておくと、仕訳がスムーズになります👇
① プライベートの財布で仕事の支払いをした
この場合は、事業のお金ではなく“自分の財布から立て替えた”状態なので、「事業主借」で処理します。
② 事業用口座から生活費を引き出した
プライベートに使うお金を、事業のお金から引き出した場合は「事業主貸」になります。
③ 仕事のための出費だけど、個人カードで払った
用途は事業用だけど、現金・個人カードで支払った場合は、「事業主借」+「経費計上」のセットで処理します。
特にクリエイターさんは“財布の境界線があいまい”になりがちなので、
「仕事なのに個人カードで払った!」ときに事業主借を使うのがポイントです。
◆おすすめ記事



よくある質問│勘定科目を間違えたらどうなる?
Q. 「消耗品費」か「事業主貸」か、よく迷います
A. それが“事業の経費”なら消耗品費などでOK。
生活費やプライベートな出費なら「事業主貸」で処理しましょう!
Q. 間違ってても税務署に怒られますか?
A. 少額で悪意がなければ、基本的に問題ないケースが多いです!
ただ、正しい処理を知っておくと、不安がなくなり気持ちもラクになります!
まとめ │ 「自分に出した・自分からもらった」お金を整える科目
- 事業主貸=プライベートの自分に”払った”お金
- 事業主借=プライベートの自分から“もらった”お金
- 個人事業主ならではの“自分=経営者”という視点で記帳しよう
最初はややこしく感じますけど、
“自分のお金を整理するための科目”だと分かると、ぐっと仕訳がラクになりますよ!