【開業前の支出って経費にできる?】クリエイターが知っておきたい「開業費」の使い方

クリエイターの税金・申告関係
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こんにちは!

公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

 

「開業届を出す前に会計ソフトのプラン契約しちゃった…」

「参考資料や打ち合わせの交通費も先に払ってる…」

そんな“開業準備中の支出”、ちゃんと経費にできるか気になりますよね。

 

この記事では、「開業前にかかったお金」をどう扱えばいいのか

クリエイターさん向けにやさしく解説していきます!

 

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開業前の支出は、原則そのまま“経費”にはできない

「もう仕事の準備をしてるし、経費になるよね?」

…そう思いたくなる気持ち、すごくよく分かります。

ただ原則として、確定申告で経費として認められるのは、「開業後に発生した支出」だけなんです。

 

たとえば、開業届を出す前に買ったソフトや、

ポートフォリオ用に撮影した写真の費用などは、そのままでは経費として処理できないのがルールです。

 

とはいえ、準備中にも本格的な出費がかさむのがクリエイター業のリアル。

そんなときに活用できるのが、「開業費(かいぎょうひ)」という制度です。

 

開業費は、“開業前に、事業スタートのために使ったお金”をひとまとめにして、

後から経費として落とせるしくみです。

 

つまり、タイミングのズレがあっても、「ちゃんと準備のために使った」ことが説明できればOK

前向きなスタートを、ムダにしないための制度なんです。

 

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「開業費」として処理できる主な支出

たとえば、こんな出費は開業費に計上OK👇

  • ロゴ・名刺・ポートフォリオ制作の費用
  • デザインソフト・編集ツールの購入代
  • 取材・下見・打ち合わせの交通費
  • 参考資料として買った本・映画・有料サイト
  • スキルアップのために通った研修の講座費用
  • 事務所に使う予定のスペースの初期費用

 

ポイントは、「開業後の活動にちゃんとつながっているか」。

「あとで証明できるか」が大事!

 

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領収書やレシート、忘れず残しておこう

開業費として認められるには、“ちゃんと証拠が残ってること”が重要。

開業前の時点でも、

  • レシートや明細を保存
  • クレジットカード明細と紐づけておく
  • 「開業準備」や「取材」といったメモを残しておく

このあたりを意識しておくだけで、あとから安心して処理できます!

 

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開業費の計上方法は?

開業費は、事業開始の初年度に「繰延資産」という固定資産として記録します。

でも、他の固定資産と違って国税庁が定める「法定耐用年数」というのがないので、

タイミングを見て「好きな年に、まだ経費化してない金額を限度として経費にする」ことができます!

 

所得税は稼げば稼いだだけ、一部の税率が上昇する仕組みになっているので、

利益が少ない年には使わず、ある程度利益が出たタイミングで使うと節税効果が高まりますよ!

 

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Q&A:開業日に関するあるあるなお悩み

Q. いつが「開業日」になるの?

A. 基本的には「開業届に書いた日」が開業日になります。

実際には開業届に書いた日から前後することもあると思いますが、

青色申告の承認申請書の提出期限や、補助金・助成金の申請を行う際は開業届をベースに判定されるので、

「開業届に書いた日」を開業日として決め打ちするのが、実務上は分かりやすくてオススメです。

 

Q. 何年も前の出費でも「開業費」にしていい?

A. 理論上は制限がないことになりますが、数年以上前の支出は「開業準備」として扱いづらい…。

なので、実務上は数ヶ月前~1年前くらいを限度として、開業費の集計とするのが安全です!

 

まとめ|“開業前の支出”、あきらめなくてOK!

  • 開業前にかかったお金は、「開業費」として後から経費にできる
  • 証拠(レシート・メモなど)をしっかり残すことがポイント
  • 経費化のタイミングも自分で選べる、意外と使いやすい制度

開業準備の段階から、開業後のお仕事につながる出費は漏れなく集計するようにしましょう!

 

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