こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「個人事業主だと老後が不安って聞くけど、具体的には何をすればいいの?」
「まだまだ若いけど、いまのうちから老後に備えて資産形成すべき?」
そんな疑問を持っているクリエイターさんもいますよね!
そこでこの記事では、個人事業主が老後資金をどのくらい備えるべきかについて、
クリエイターさん向けにやさしく整理してみました!
なぜ老後資金の計画が重要なの?
個人事業主にとって老後資金の計画が必要な理由については、
会社員との違いを整理するとわかりやすいです👇
会社員 | 個人事業主 |
---|---|
厚生年金あり(国民年金+稼ぎに応じた年金) | 国民年金のみ(満額でも月6.5万円程度) |
退職金制度がある企業も少なくない | 退職金なし(小規模企業共済などで準備する) |
追加で企業型DC・企業年金がある場合も | 追加年金なし(iDeCo・年金基金などで準備する) |
老後の生活にとって命綱ともいえる年金が、
個人事業主の場合は満額でも毎月6.5万円程度しかもらません。
会社員の人と比べてもらえる年金が圧倒的に低い理由は、この2つです👇
- 稼ぎがいくらであっても国民年金保険料が毎月1.7万円程度で固定
- 会社員の場合は、自分が負担する金額と同額を会社が上乗せで積み立ててくれる
また、会社員であればお仕事を引退して年金以外の収入がなくなっても、
退職金で一気にまとまったお金をもらえる可能性があり、老後資金を確保しやすいですが、
個人事業主の場合は退職金も「小規模企業共済」などで備えないかぎりありません。
つまり、何も考えずに年を重ねてしまうと、
お仕事を辞めたくても、辞めたら生活ができなくなるという状況に追い込まれてしまうんです。
だからこそ、年齢が若いときから未来を見据えて行動するのがとても大事!
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20代・30代にもおすすめできる資産形成制度
たとえば65歳からの20年間、毎月25万円の生活費をお仕事の収入無しで用意するには、
(25万円 ー 6.5万円)× 12ヶ月 × 20年 = 4,440万円
というとんでもない大金が必要になります。
こんな金額をいきなり用意するのは現実的ではないですけど、
一気に準備する必要はなく、長い年月をかけてこれに近しい金額まで持っていければOK!
そのためにおすすめなのは、少額からでも始められる仕組みを若いうちから活用すること。
具体的には、こういった投資制度があります👇
小規模企業共済
個人事業主や小規模法人の経営者が加入できる、自分で退職金をつくる制度です。
その年共済に払った掛金が全額所得控除になるので、節税しつつ資産形成できるのが魅力!
ただ、20年以上継続せずに、廃業・退職以外の理由で解約すると元本割れするので注意。
iDeCo(イデコ)
こちらは、自分で年金をさらに増やすための制度です。
小規模企業共済と同様にその年に払った掛金が全額所得控除になるので、節税策に使えます。
ただ、年金制度ということもあり60歳まで引き出すことができないので注意。
NISA
2024年から制度がさらに新しくなって、かなり使いやすくなりました。
いつでも投資掛金を変更できて、いつでもお金を引き出せるのに、税金が非課税という最高の投資制度。
ただ、NISAに積み立てたお金は所得控除にならないので、節税には使えません。
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どのくらい積み立てればいい?目安を考える
「制度はわかったけど、結局いくら毎月積み立てればいいの?」という疑問も出てきますよね。
すごーーーーくざっくりとした計算になりますが、
- 20代:毎月3万円 × 10年 (累計360万円)
- 30代:毎月5万円 × 10年 (累計960万円)
- 40代:毎月10万円 × 10年 (累計2,160万円)
- 50代:毎月20万円 × 10年 (累計4,560万円)
これで60代を迎える頃には投資した金額だけ見ても目標額を上回ることができます。
もちろん実際には、
- 経済成長による物価上昇
- 世界情勢や為替変動
- 下落相場や複利による資産拡大
- 毎年の収入変動やライフイベントの変化 など
いろいろな要因が複雑に絡みあうことで、こんなシンプルな話にはなりませんが、
大枠の目安として、「これくらいのペースで貯めていけば十分届くんだ」という感覚をつかめますよね。
また、「20代のうちは仕事とプライベートに全力投球して、30代から毎月10万円で投資スタート!」
という考え方ももちろんOKですし、
年齢を重ねても稼げるように収入経路を増やす方法だってあります。
大事なのは、老後に想定する暮らし方とそれに必要な金額をイメージして、
時間をかけて少しずつ準備していくこと。
時間を味方につけて、しっかり老後に向けて準備を進めていきましょう!
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Q&A:老後資金に関するあるあるなお悩み
Q. 一生働き続ければ、老後資金はそんなにいらなくない?
A. たしかに好きな仕事を続ける人も多いですが、体調や環境の変化は予測できません。
何かあった時でも安心して過ごすために最低限の準備はしておくようにしましょう。
Q. 国民年金基金ってどうなの?
A. iDeCoと同じように、掛金全額を所得控除にできるので、無駄にはなりません!
ただ、投資商品を自分で選べて、運用成果もチェックしやすいiDeCoのほうがおすすめです!
まとめ │ クリエイターこそ国民年金以外の老後資金計画が大事
- 国民年金だけでは間違いなく足りないので、+αの準備が大切
- iDeCo・NISA・小規模企業共済といった制度を活用して準備する
- 目指すゴールをイメージして、それに必要な金額から逆算して積み立てていく