こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「そろそろ将来のことも考えて、個人年金の保険に入ろうかな…」
「でもこれって、経費にできるの?」
そんなふうに、フリーランスとして“老後の備え”を始めるときに気になるのが、税金との関係。
この記事では、「個人年金って経費になるの?」という疑問を出発点に、
クリエイターの将来準備と節税のバランスについて、やさしく解説していきます!
個人年金は、基本的に「経費」ではない
結論から言うと、個人年金保険の保険料は、原則として“経費”にはできません。
経費として落とすには「事業に直接関係があるかどうか」がポイント!
個人年金は将来の生活費に使うもの=プライベートなお金とみなされるからです。
年金って事業のために払うものじゃないですからね…。
事業用の口座や、クレジットカードから支払った場合でも、
「保険料」ではなく、「事業主貸」として処理しましょう!
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一応、「所得控除」で節税にはなる!
じゃあ全く得しないのかというと、そうではなくて、
「生命保険料控除」という制度で、支払った保険料の一部、税金を軽くできる場合があります。
これは確定申告で「所得控除」として申請できる仕組みで、
個人年金保険単体でも、年間保険料に応じて最大4万円までが控除対象になります。
なお、個人年金保険といっても、その契約内容によって、
生命保険料控除のうち、「生命保険料控除」「個人年金保険料控除」のどちらかに区分されるので、
確定申告時には生命保険会社からのハガキを見て、区分を確認することが必要。
生命保険契約との兼ね合いで控除額の上限が変わることがありますが、一応節税効果はあります。
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「iDeCo」や「小規模企業共済」との違い
同じように「将来の備え」としてよく出てくるのが、iDeCoや小規模企業共済。
これらはなんと、掛金全額が「所得控除」の対象!
しかも金額の上限も高め(月額70,000円程度)なので、稼いでる人ほど節税効果はかなり大きいです。
ただし、
- iDeCoは60歳まで引き出せない
- 小規模共済も長期的な運用が前提
などの制約もあるので、節税だけを考えるんじゃなく、
貯金も含めて「すぐ使うお金」と「老後のお金」のバランスを考えるのが大切です!
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「どれが正解?」ではなく、バランスが大事
個人年金・iDeCo・小規模企業共済…いろいろあるけど、
iDeCoは自分で投資商品を選べて、
ネットやアプリで簡単に運用成果(どれくらい儲かったか)を見ることができます。
また、初心者におすすめの投資信託等であれば、
投資を継続するときのコスト(手数料)がかなり安いので、この3つなら個人的にはiDeCoがおすすめ。
とはいえ、iDeCoに全ツッパが良いかというとそれもリスクがあるので、
どれか一つが完璧!というより、貯金を確保してから少しずつ分散しながら始めていくのが大事!
たとえば、
- 生活費の3ヶ月分は現金で確保
- iDeCoを月5,000円スタート
- 余裕が少しでてきたら、小規模企業共済も5,000円で始める
こんな感じの戦略でやってみましょう!
なお、この記事メインの個人年金保険もメリットがないわけじゃないですが、
掛金の一部しか所得控除にできず、かつ手数料が割高なので、正直優先度は低い…。
さらに、今はNISAがかなりオススメの制度ですので、
- iDeCoかNISA → 後回しにした方 → 小規模企業共済
という順番で資産形成をしていった方が、お金の使い方の納得感も強いと思います!
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Q&A:個人年金保険に関するあるあるなお悩み
Q. 個人年金を所得控除にするには「支払証明書」が必要?
A. はい、確定申告で「個人年金保険料控除」を受けるには、保険会社から届く「控除証明書」が必要!
毎年10月くらいに送られてきます。
Q. 節税目的だけで入るのってアリ?
A. 節税だけが目的だと、途中で解約したくなったときに損しやすいので注意。
「安心+ささやかな節税がセットになってる」くらいの感覚で考えましょう。
まとめ │ 個人年金は経費じゃないけど、控除で節税できる
- 個人年金保険は「経費」にはできないけど、「所得控除」は使える
- iDeCoや小規模共済、NISAに比べると正直優先度は低い
- まずは貯金を確保して、“自分に合うペース”で備えていこう
老後のことって考えると不安にもなるけど、ちょっとずつ備え始めるだけで、数年後の安心につながります。