【利益調整ってしてもいいの?】クリエイター向けに節税と脱税の境界線をやさしく解説

クリエイターの税金・申告関係
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こんにちは!

公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

 

「今年、かなり売上出そうだけど、その一部を来年に移せたりしない?」

「来年使う予定だった経費を今年にかなり前倒しするのってありなのかな?」

そんな疑問を持ったことのあるクリエイターさんもいると思います!

 

そこでこの記事では、利益を調整するためにやっていいことと悪いことの境界線を、

クリエイターさん向けにわかりやすく整理していきます!

 

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利益の調整ってどういうこと?

利益の調整というのは、

簡単にいうと経費の計上時期をコントロールすることです。

 

たとえば、

  • 来年も使う予定だった買い切りのソフトを今年のうちに購入して、経費に計上する
  • 必要な機材を年内に購入して、減価償却や消耗品費として計上する
  • 30万円未満の固定資産を購入して、「少額減価償却資産の特例」で一気に経費計上する
  • お仕事仲間との懇親会を開催して、交際費を増加する

こういった、「経費を合法的に増やすことで利益を少なくしようね」という考え方だと思えばOK。

 

そう考えてみると珍しい話ではありませんし、すでに実践している人も多いと思いますが、

なかには脱税とみなされるケースもあるんです。

 

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脱税と判断されるケース

具体的には、

  • 売上が発生しているのに、わざと翌年に計上する
  • 仕事と関係ないプライベートの支出を経費に入れる
  • 領収書を改ざん・架空経費を計上する
  • 売上を抜いて申告しない(無申告を含む)

こういったことをすると脱税とみなされ、

税務調査で発覚すると重加算税の対象となる可能性が高いです…。

 

とくに売上って、入金日で処理をしがちですが、

会計・税務のルールでは「仕事を完了させた日」「商品を引き渡した日」が売上の日付となります。

 

つまり、「請求書の発行日を遅らせれば売上を来年にできる」わけではなく、

あくまで取引の実態を見て、いつの売上か判断が行われるということ。

 

そのため、よほど特別な事情がない限りは、

売上を利益の調整に使おうとするのは脱税行為の可能性が高いものと考えておきましょう。

 

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クリエイターさんが取り入れやすい合法的な節税策

上に書いたとおり利益の調整というのは、

基本的に今年の経費を増やすことなので、結果的には「節税策」と同じです。

 

そして「今年は思ったよりも利益が出たなぁ」というときのために、

クリエイターさん向けに節税テクニックを紹介するとこういったものがあります👇

  • 「必要なもの」(液タブ、マイク、ソフト、パソコンなど)を年内に購入して経費にする
  • 1年分のライセンスを年払い契約で支払う
  • カード明細、預金明細を確認して、経費の入れ漏れがないか確認する
  • iDeCoや小規模企業共済に新たに加入し、12月に1年分一気に払う(全額所得控除になる)
  • 青色申告の場合、今年ほど来年は利益が伸びなさそうでなら「少額減価償却資産の特例」を使う
  • (必要に応じて)税理士に相談して、特例の適用など提案をしてもらう

 

ここで大事なことは、「節税」に惑わされて、

「あまり必要じゃないもの」「いまべつに無くても平気なもの」にお金を使わないようにすること。

 

経費を増やせば税金を減らすことはできますが、それ以上に手元のお金がなくなってしまいます。

せっかく稼いだお金を無駄に使ってしまわないようにしましょうね!

 

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Q&A:利益調整に関するあるあるなお悩み

Q. 取引先都合でやむを得ずお仕事の完了が翌年に延びたときは?

A. その場合はお仕事が完了していないことになるので、問題なく翌年に売上計上できます!

「実際はお仕事が終わってるのに、終わってないことにする」のはNG!

 

Q. 交通系ICカードにお金をたくさんチャージしたら経費になる?

A. 交通系ICカードにお金をチャージした時点では経費になりません!

チャージしたお金を電車賃やバス代として使ったときに経費になります。

 

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まとめ │ 利益調整は「節税策」。「脱税」とはちょっと違う

  • 認められている範囲内で経費の計上時期をコントロールするのが利益の調整
  • 売上隠しや架空経費は脱税にあたり、悪質だと重加算税の対象
  • 「節税」を考えたいときも、必要のないものにはお金を使わない

 

\ 経費判断に迷ったときも /

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