こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
- 「アンティークのテーブルを買ったけど、これって経費にできる?」
- 「撮影スペースにこだわって、家具も揃えたんですが…」
- 「空間づくりも仕事の一部って思ってるんですけど、税務的にはどうなんでしょう?」
こういうお悩みを持つクリエイターさん、少なくないですよね。
この記事では、アンティーク家具が経費になる・ならないの判断ポイントについて、
クリエイターさん向けにやさしく整理してみました!
基本は「仕事目的で使っているか」が判断のカギ
大前提として、経費になるかどうかは、
「その出費が売上を上げるために必要だったかどうか」で決まります!
- 撮影小物、創作のための資料など仕事で使っている → 経費になる可能性あり
- 趣味・プライベート目的 → 経費にはできない
つまり、アンティーク家具のように、
趣味・嗜好品としての性質が強いものでも、経費として処理できる可能性はあります!
たとえば、こんな使い方をしている場合👇
- 動画や配信で背景インテリアとして映り込ませている(例:YouTubeやTwitchの配信背景)
- 作品の世界観づくりや撮影セットに活用している(例:イラストの背景やMVのセットに登場)
- ポートフォリオ撮影時の小道具として定期的に使用(例:作品横に置く花瓶やチェア)
- 顧客を招く打ち合わせスペースで使用(例:個人スタジオ内の接客エリア)
- 制作環境の整備目的で、作業用チェアやデスクとして導入
- 中世ヨーロッパ風のファンタジー作品で、時代背景に合った家具を描くための資料として購入
このように、仕事と明確に結びついた「用途」や「シーン」があれば、
アンティーク家具も「仕事に必要な出費」として扱いやすくなりますよね。
とくに、写真・映像・デザイン・空間演出に関わるジャンルのクリエイターさんにとっては、
他の撮影小物と同じように、業務上不可欠な要素になることも多いはず!
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職業・肩書きよりも「どう使ってるか」が大事!
「カメラマンでもデザイナーでもない自分が、家具を経費にするのはムリでは…?」
そんな不安もあるかもしれません。
でも実は、職業や肩書きはそこまで重要ではありません。
経費にするために税務上で大事になるのは、あくまで「実際の使い方」なんです!
たとえば、こういったケースでは、肩書きに関係なく経費にできる可能性👇
- イラストレーター:アトリエの雰囲気づくりの一環でアンティーク家具を設置し、制作風景や作品発信に活用(SNSやブログなどで定期的に室内環境を紹介)
- 作曲家:作業部屋などでヴィンテージソファに座った状態で配信や、MVに使用
- 漫画家:貴族社会、ファンタジーもので描くための参考資料として使用
- デザイナー:アンティークテイストの作品を創るうえでの参考資料として使用
「自分の仕事には関係なく見られそう…」と思っても、
きちんと仕事に役立てている実態があれば、問題なく経費として処理できます!
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経費にできないケースや「一部だけOK」な場合もある
とはいえ、すべてのアンティーク家具が堂々と経費になるわけではありません。
たとえば、こんな場合は、完全なプライベート目的と見なされやすく、経費にできません!
- リビング用として購入したソファ(仕事とは無関係)
- 観賞用のアンティーク時計や棚(仕事で使っていない)
- 寝室に置いたチェスト(オフィスでも背景でも使っていない)
とくにアンティーク家具は値段も高くなりやすく、
「趣味じゃないの?」と見られやすいため、使用目的や設置場所には注意が必要。
さらに、「完全に仕事用じゃないけど、私用だけのためでもない」というグレーなパターンもあります。
たとえば、こんな感じ👇
- 自宅の作業部屋に置いてある椅子(たまに家族も使う)
- 配信や撮影の背景に使ってるけど、普段は生活スペースとしても使う棚やテーブル
こうしたケースでは、「家事按分(かじあんぶん)」という考え方を使って、
以下のように使っている割合だけを経費に計上する方法があります。
- 週7日のうち4日は仕事で使っている → 購入費の約60%を経費に
- 配信の背景に月10回登場している → 使用割合に応じて按分
按分割合を決める方法について、厳密なルールがあるわけではないですが、
使用日数の記録、SNSの投稿履歴、配信アーカイブなど、割合算定の根拠と合わせて、
「どうしてその割合にしたのか?」が分かるような記録を残しておくと安心!
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価格が高い場合は「固定資産」として処理することも
アンティーク家具は値段のバラつきが激しいですが、
10万円以上の支出は「消耗品費」ではなく「固定資産(工具器具備品)」として処理が必要になります!
基本的には、以下のようなルールで処理👇
価格 | 処理のしかた |
---|---|
10万円未満 | 「消耗品費」として経費に計上 |
10万円以上(青色申告なし) | 「工具器具備品」として固定資産に計上し、基本的に「8年」で減価償却 |
30万円未満(青色申告あり) | 「少額減価償却資産の特例」で経費に計上可 |
たとえば、税込55,000円のイスなら、その年の「消耗品費」に計上すればOK。
一方、税込220,000円のテーブルを購入した場合は、
- 8年間(=96カ月)かけて少しずつ経費にする(減価償却)
- 少額減価償却資産の特例で、買った年に全額経費処理
このどちらかを選ぶことに。
また、世界的に有名なデザイナーが手掛けたアンティーク家具だと、
100万円を超えることも…。
その場合は、もはや高額なアート作品と同じ扱いになることが考えられるため、
処理方法は税理士や、所轄の税務署と相談のうえ決めることを強くおすすめします!
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Q&A:アンティーク家具に関するあるあるなお悩み
Q. コレクション用に買ったアンティークも経費にできますか?
A. 趣味性が強い場合は経費にできません!
撮影用・配信用・資料用など、仕事に実際使っている実態が必要です!
Q. 自宅に置いてる家具も経費にできますか?
A. 仕事に使っているのであれば経費にできる可能性はあります!
業務と私用が混在していれば、家事按分で一部だけ経費にしましょう!
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まとめ │ アンティーク家具も、用途次第で経費になる
- 空間演出・配信・撮影などで使うなら、肩書きに関係なく経費にできる
- プライベートで利も用してるなら「家事按分」で一部だけ経費にすることも可能
- 金額によって処理方法が変わるので注意
一見するとプライベートに見える支出でも、仕事に使用している実態があるなら経費にしましょう!