こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
個人事業主のメリットといえば、法人のような設立手続をせずとも事業活動を行うことができることですよね。
預金口座やクレジットカードは個人名義のものをそのまま使うことができるので、実際に元々持っている口座やカードを使ってビジネスを始める人も多いと思います。
しかしメリットの裏返しで、事業用のお金と私費が混在している人が少なくありません。
プライベートな収支は事業主勘定
法人であれば売上が法人口座に入金され、そこから役員報酬・給料という形で個人にお金が支払われるため公私を明確に区分しやすいのですが、個人事業主の場合は売上が入ってくる口座が生活費の支払いに使われていることって結構多いのではないでしょうか。
会計上ではプライベートな収支について「事業主勘定」を使います。
◆プライベートな支出があったとき
事業主貸 100 / 預金口座 100
◆プライベートな収入があったとき
預金口座 100 / 事業主借 100
つまり、プライベートでの使用割合が高ければ高いほど「事業主勘定」の金額は大きくなるということです。
「事業主勘定」は売上・経費に影響を与えない勘定科目なので、税金計算を行うという目的だけ考えるならどれだけ積みあがっても問題はありません。(融資を受けることを検討しているのであれば、なるべく減らした方が良いですが…。)
事業主勘定を家計管理に使う
「事業主勘定」はプライベートな収支が発生した際に必要となる勘定科目なので、事業所得の記帳という意味では無いに越したことはありません。
そうは言っても、現金勘定を正確に管理することが非常に難しいのと同様、預金口座を明確に分けるのが難しいという方もいるでしょう…。
そのような場合は、いっそのこと会計システムを使って家計管理するという発想もアリです!
例えば、毎月いくらソシャゲに課金しているか知りたい時。
freeeであれば「ソシャゲ課金」という勘定科目か、品目を作ります。
◆勘定科目を作成(例)
◆品目を作成(例)
こうすることで、今までは…
事業主貸 5,000 / カード 5,000
だったのが、
ソシャゲ課金 5,000 / カード 5,000 もしくは 事業主貸(品目:ソシャゲ課金) 5,000 / カード 5,000
といった感じになります。
個人的には勘定科目を作ってしまった方が、以下のように試算表を見たときにパッと分かるのでオススメです。
勘定科目が増えるのが嫌ということであれば、補助科目や品目コードを作ればOKです!
ちなみに、これらは確定申告上の決算書では「事業主勘定」に集約されるので、確定申告時にも特に困りません。
区分されたものを集約するのは楽
上述のとおり、細かく区分した数値を集約するのは楽です。
特に、勘定科目を新たに作成しても決算書の表示科目名を選択できるようであれば、こちらで集約する必要すらありません。会計システムって便利…!
一方で、深く考えないで「事業主勘定」にぽいぽい放り込んでしまうと、何にも使えずブラックボックス化してしまいます。
せっかく預金明細やクレジットカードの取引明細を一つのシステムに取り込んでいるのですから、より自分にとって有益な情報を得られるよう、仕訳の入力から一工夫してみましょう!
◆編集後記
家の真正面で大きな花火があがりました。振動で家が震えるほど…。我が家のお犬様もさすがにビックリしたみたい…。花火大会を望めない夏になりそうなので、見れて嬉しいです。