こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「世界観を理解するために写真集や資料集を買った」
「歴史物のキャラ制作で、時代背景の本を読んだ」
「クライアントの希望に合わせて資料を収集した」
いつもと違うテーマの作品や、時代背景の理解が必要なときに、
大量の資料を購入するクリエイターさんも、多いですよね。
そこでこの記事では、受注したイラスト制作用の資料費・参考書籍・素材購入費などの経費判断について、
クリエイターさん向けにやさしく整理していきます!
基本は「仕事のために使っているかどうか」
税務上、経費になるかどうかのポイントは、
その支出が、売上を得るための事業活動に必要あるかどうかです!
- 作品づくりのために参考に使った資料、素材 → 経費にできる余地あり
- 趣味で楽しむための資料、書籍など → 経費にはできない
つまり、受注したイラストを制作するために使用した資料、書籍、素材は、
売上に直接紐づく支出といえるので、経費として問題なく認められます。
たとえば、
- モンスター系の依頼で、参考にした生物図鑑やファンタジー資料
- キャラデザのために買った衣装・ポージング集
- 世界観づくりに役立てた歴史・建築・文化系の本
- 絵柄参考のために購入した他の作品や画集
こういったものは「作品のクオリティ向上」や「業務遂行のためのインプット」として扱えるため、
いずれも経費で処理してOK。
たとえ普段と違うテーマ・作風のものであっても、
客観的に「これは仕事のために必要だった」といえるものであれば、同様に経費になります。
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注意点:趣味・コレクション目的なら経費にできない
ただし、クリエイターとしての活動にはインスピレーションが必要とはいえ、
資料・素材の購入がすべて経費になるわけではないので注意!
たとえば、
- ただ好きで集めている画集やアートブック(飾って眺めるだけ)
- 読むだけで、とくに創作に活かしてない漫画・小説
- 自室に飾るために買ったフィギュアやポスター
これらは「仕事に必要だった」といえる根拠がなく、
プライベートの趣味・娯楽扱いとされるため、経費にできません…。
ほかにも、
- 気分転換のつもりで読んだ作品
- 推しキャラのグッズを「自分のモチベUP用」に買った
- 「いつか描くかもしれないから」と理由をつけた買い物
こういうものは、実際の制作や発信に活かしていなければ経費にしない方が無難です。
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デジタル資料・オンライン購入もOK!
最近では、紙の本だけでなく、
ネットで購入できる資料や素材もどんどん増えていますよね。
たとえば、
- 電子書籍(Kindle、楽天Koboなど)
- 有料画像・素材サイト(Adobe Stock、PIXTA、イラストACなど)
- デジタルデータ集、ポーズ素材、3Dモデル、背景素材集
- クリスタやPhotoshop向けのブラシ・テクスチャ素材
これらももちろん、制作に使っている実態があれば、問題なく経費にできます。
媒体が紙面などの物理的なものであっても、デジタルであっても、
あくまで経費の判断基準になるのは「お仕事に必要だったかどうか」です!
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経費にするなら記録・メモを残す
資料費や素材を経費にするときに、
「仕事で必要だった」ことが分かる記録・メモを残すことが大切です!
といっても、難しいことをする必要はありません。
たとえば、
- 本や素材を買ったら、タイトル、使い道をメモする
- 制作ファイル名に資料名や参照ページを記録しておく
- 領収書や購入メールに「○○制作時に使用」と書き添える
- 会計ソフトの摘要欄に「○○案件で使用」など書いておく
こういったちょっとしたメモや工夫だけで、
「ちゃんと仕事のために使ってました!」と説明できるようになります。
趣味と仕事が混ざりやすい創作活動だからこそ、
税務調査でもきちんと経費性を証明するために、できる範囲で証拠を残すようにしましょう。
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Q&A:資料費に関するあるあるなお悩み
Q. 月額の素材サイト(Adobe Stockなど)も経費OK?
A. 制作業務で使用していれば経費になります!
サブスクはつい経費から漏れがちなので、きちんと経費に計上しましょう。
Q. 「将来使うかも」と思って買った資料はどう扱えばいい?
A. 今のお仕事に活かせる点があれば経費にしてOKです!
ただ、なんでも経費にできるわけではないので、線引きはきちんとしましょう。
まとめ │ 資料費も、お仕事に必要だったら経費にできる
- 受注制作に必要な資料・素材は経費にできる
- 紙でもデジタルでも「仕事に必要だった」ものであれば経費にできる
- 記録・メモを残しておくと税務調査でも説明しやすい
\ 資料購入や素材費の経費判断に迷ったら /
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