こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
フリーランスとして活動していると、
「お金を借りたい」「事業用クレジットカードを作りたい」「家や車のローンを組みたい」なんてタイミング、
いつか来るかもしれません。
そんなときに提出を求められるのが、確定申告書と決算書(青色申告決算書など)。
でも、「決算書って出せばいいだけじゃないの?」「数字の意味まで見てないでしょ?」って思ってませんか?
じつは金融機関は、けっこうしっかり見てます。
というわけでこの記事では、
「金融機関が個人事業主の決算書でチェックしてるポイント」を、できるだけやさしく解説していきます!
① 売上の推移(安定感 or 成長性)
まずチェックされるのが、売上の「金額」とその「流れ」。
たとえば…
- 3年間の売上が右肩上がり → ◎成長性あり
- ずっと同じくらい → 安定性はある
- 毎年ガクッと変動 → ▲不安定に見える
「収入が不安定=返済能力が低い」と判断されることもあるので、
できれば売上は毎年”少しずつでも伸びてる”のが理想です。
クリエイター業の場合、収入の変動があるのは仕方がないことなので、
そういう時には「貯金がしっかりあること」、これが融資を受けるうえでの好材料になります!
② 経費の内容とバランス
売上がしっかりあっても、
経費が多すぎると「手元にお金残ってないんじゃ…?」と不安に思われます。
特に見られやすいのが👇
- 接待交際費 → 多すぎるとマイナス印象
- 通信費・消耗品費 → 割合が高すぎると”経費化しすぎ?”と思われがち
- 家賃や水道光熱費 → 按分が不自然だとマークされる
もちろん業種を考慮して検討はしてくれますが、バランスよく、適正な経費であることが大切です。
◆おすすめ記事

③ 所得と営業利益(ざっくり儲け)
「売上−経費=利益」。きちんと黒字になっているか?
これも、もちろんチェックされます。
他にお給料などの収入がある場合はそれも合算するので、
実際に見るのは、確定申告書の「所得金額」、決算書の「事業専従者控除前の金額」あたり。
金融機関としては、「本当にこの人は返せるのか?」を判断するので、
ちゃんと利益が出ているかどうかはめちゃ大事。
経費をやたら積み増してしまうと、審査の時にかなりマイナス点になってしまいます…。
◆おすすめ記事


④ 事業主貸・事業主借の動き
ちょっとマニアックですが、「事業主貸・事業主借」も見られることがあります。
これはつまり、「事業のお金とプライベートのお金が、ちゃんと分けられてる?」という視点です。
- 毎月の生活費を定額で引き出してる → OK
- 収入と支出がごっちゃ → 疑問を持たれる可能性アリ
自分が貸し手だとしたら、やっぱりお金の管理がしっかりしている人に貸したいですよね。
お金の管理が雑だと「この人、大丈夫かな…」って思われる原因に。
まずはできる範囲で、生活費と事業費の口座は分けるようにしていきましょう。
◆おすすめ記事


⑤ 申告内容と実態の一致
最終的には、「この申告内容って、ほんとに現実と合ってるの?」という視点で見られます。
たとえば、
- 売上が少ないのに豪華な車を持ってる
- 売上に対して利益が少なすぎる
- 前年までマイナス続きだったのに、売上変わらずいきなり利益アップ
こういうのがあると、「この数字、本当かな?」と思われて、
追加の資料提出や、より事業の状況についてヒアリングで深堀りされたりします。
そういう時に焦らないためにも、日ごろから、数字の説明ができるように準備しておくと安心!
じゃあ、どう備えたらいいの?
ここまで聞いて、「うわ、決算書って思ったより重い…」って思ったかもしれません。
でも大丈夫!いまからやれる備え、ちゃんとあります👇
- 日々の記帳をできるだけ正確に
- 売上が伸びたときに、きちんと貯金口座にお金を残しておく
- 事業用とプライベートの口座をなるべく分ける
- 不自然な経費計上は避ける
- 可能であれば年に1回は税理士などにチェックしてもらう
これだけでも、金融機関からの印象は大きく変わります。
ライフイベントの変化等で「そろそろ家を買いたい」と思ったときに、
いざ融資を受けようと思っても、融資を断られてしまうなんてことがないように備えておきましょう!
まとめ │ 申告書や決算書、しっかり整えて融資に備えよう!
- 金融機関は「数字」より「ストーリー」を見ている
- 売上の安定性、経費のバランス、利益、資金管理が重要
- 書類を出すだけじゃなく「どう見られるか」も意識しておこう
将来、設備投資したいとき、クレジットカードを作るとき、引っ越しのとき…
事業がうまくいってる今だからこそ、ちょっとだけ”見られ方”も意識しておくと安心です!
\ 決算書、どう見られてる?ちょっと不安ならご相談を /
金融機関に出す決算書、
どこを見られるか不安…というときもOK!
クリエイター特化の税理士が、あなたの事業内容に合わせてアドバイスします。