入金・支払サイトを変更・調節するだけでも手元資金が安定する。

融資・経営支援

こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!

事業を継続していくためには資金ショートを避けなければなりません。

資金ショートを避けるための方法

資金ショートを避けるためにできることを考えてみましょう。

  • 売上を上げる
  • 経費を減らす
  • 融資を受ける
  • 資金繰り表を作ってモニタリング

このあたりは分かりやすい話で心掛けている事業者の方も多いと思いますが、売上・経費を変動させず、融資も受けずに手元資金を安定させる方法があります。

それは入金・支払サイトを変更することです!

入金は先、支払は後!

目立った投資をせず、安定的に売上が発生しており黒字の場合であれば、お金の心配なんてないハズですよね。

しかし黒字倒産という言葉があるように、現実には利益が出ていても倒産してしまう会社があります…。

その理由は簡単で、売上債権が入金されるまでの間に経費の支払いでお金が出ていくからです。

利益が出ている以上、無理な投資をしなければいずれお金は増えていくのですが、入金待ちでお金が少ない時に経費の支払いがまとまると、倒産リスクが一気に高くなります…。

でも裏を返せば、お金が早く入ってくれば、もしくは経費の支払いを遅らせることができればそれだけ倒産リスクを低く抑えることができます。

「それができたら苦労しない!」と思うかも知れませんが、業種によっては(特にto Cビジネスは)そこまでハードルが高い話ではありません。

入金・支払サイトを変更する場合、入金は期日を早く、支払は期日を遅くという基本を可能な限り徹底するようにしましょう。

具体的にはどうすれば?

売上については、受注時にお客様から予め報酬を貰うという契約を取り交わせば良いだけです。

お店で買い物をする場合には、何かしらの方法で先に決済しないとモノを得ることができませんし、結婚式のような高額出費であっても先にお金を払わないと式を挙げることはできません。航空券だってそうです。

つまり、こちらの想像以上にお客様は「先にお金を払えと言われれば払う」ことに慣れています。

全額を前払いしてもらうことが厳しい場合であっても、少なくとも1/2~1/3くらいのお金は払ってもらうようにしましょう。

(to Bビジネスですと、取引先企業の方が交渉力が強く融通できないこともありますが…。)

 

経費については、なるべくクレジットカードを使うだけでも簡単に支払いを遅らせることができます。

外注や仕入など、ある程度取引先との交渉が可能な場合には、月末締め・翌月末払い(理想は翌々月末払い)等、支払サイトを遅らせることができないかを相談してみることをオススメします。

最初は無理でも、長期にわたって取引実績があり、取引先にとっての”お得意先”になることができれば交渉しやすくなるはずです。

運転資金分のお金は持っておくべき

入金・支払サイトを変更することで資金ショートを避けられることを書きましたが、そもそも支払から入金までのラグを耐えきるだけのお金は保有しておかなくてはなりません。

「最低限持っておくべき具体的な金額はいくらになるのか」

それは営むビジネスや借入状況により区々ですが、ザックリの目安を算出する方法は以前の記事で紹介しています。

手元資金は結局のところいくらあれば良い?最低保有資金水準の目安。
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赤字であってもお金さえあれば事業を継続することができますから、入金・支払サイトを調整したうえで、少なくとも最低限必要となる運転資金はいくらなのかを明確にし、その金額は何があっても保有するようにしましょう!