こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です。
「そろそろ法人化した方がいいのかな?」
「節税になるって聞いたけど…」
収入が伸びてくると、“法人成り”が気になるタイミングがやってきますよね。
でも、法人化はメリットだけでなく、“やらない方がよかったかも…”と後悔するケースもあります。
今回は、クリエイターさんが法人化を考える前に押さえておきたい3つの視点を紹介します!
① 「毎年安定して稼げてる?」をチェック!
法人化の大きなメリットは所得税より低い税率で利益を残せること。
たとえば所得税は、所得が増えるほど税率が最大45%まで上がりますが、法人税は最大でも約23.2%です。
ただし、毎年の利益に波がある場合は注意が必要。
- 所得が少ない年でも法人税は最低15%前後
- 赤字でも均等割(7万円〜)は必ず発生
「今年はたまたま売上が高かった」場合など、一時的な増収だけで法人化すると損になる可能性もあります。
そのほかにも個人事業主の時に比べて、日々の会計ソフトへの登録も、
確定申告書の作成も複雑化することになるので、税理士報酬等のコストが増えることも考慮しましょう…。
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② 「売上、法人にちゃんと移せる?」を確認!
作曲家さんやイラストレーターさんのなかには、印税を受け取っている方も多いですよね。
法人を作ったからといって、収入をスパッと法人に移せるとは限りません。
- 印税の契約 → 法人へ移せるか出版社に確認
法人に移せない収入が多いと、節税にならず逆に手間だけ増えるケースも…。
自分の収入構造を細かく分解して、どれだけ法人に移せるのかをシミュレーションしましょう。
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③ 機材や資産を”法人に引き継ぐ処理”を忘れずに!
これまで使ってきたパソコンやソフト・楽器などの機材。
法人化したら、「そのまま使い続ける=法人が資産を購入した」という処理が必要です。
- 個人 → 売却したことになり、事業所得もしくは譲渡所得にカウント
- 法人 → 中古資産を購入して減価償却スタート
この処理を忘れると、税務調査で指摘を受ける可能性があるので注意!
まとめ|法人化は”節税だけ”じゃなく「今の自分に合ってるか」で判断を
- 売上が安定していて、法人に移せる収入が多い → 法人成りの検討あり
- 収入に波がある/印税が多い → まずは個人事業を継続するのが無難
- 機材の引き継ぎ処理など、手続きも地味に複雑
法人化は長期的な収益や働き方を見据えて検討すべきタイミングです。
焦らず、損しない形でステップアップしていきましょう!