青色事業専従者給与はなんで毎月8万円で設定している人が多いの?もっと多くちゃダメなの?

税務関連

こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

 

「節税はしたいけど
支出を増やして家計が苦しくなるのはシンドイ…。」

 

そんな時に個人事業主で使えるのが
青色事業専従者給与!

独立して仕事が増えてくると
毎月家族に仕事を手伝ってもらうことって
よくある話。

なので働いてくれた分、
その家族にお給料を払ったら経費として認めるよーという制度です!

専従者給与の支払先は家族なので、

世帯全体で考えると
お金が外に出ていってないのに経費を増やせることになります。

これはかなり使えますよね!

青色事業専従者給与の適用条件

青色事業専従者給与を経費にするための条件。

しれっと家族にお金を払っとけばいいわけじゃなくで
以下のように対象者と条件が決められてます。

青色事業専従者給与として認められる要件は、次のとおりです。

(1)青色事業専従者に支払われた給与であること。

青色事業専従者とは、次の要件のいずれにも該当する人をいいます。

イ 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。

ロ その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。

ハ その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。

(2)「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出していること。

提出期限は、青色事業専従者給与額を算入しようとする年の3月15日(その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合や新たに専従者がいることとなった場合には、その開始した日や専従者がいることとなった日から2か月以内)までです。

引用:国税庁タックスアンサー No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

なので、家族がそもそも対象なのか確認したうえで
期日までに届出を出すようにしましょう!

「なんで80,000円くらいに設定している人が多いの?」

ここで本題!

青色事業専従者給与は
労働実態があるなら一応支給金額の制限がないんですけど

月々の支給金額を8万円くらいに設定している人が
結構多いように感じます。

その理由とは…!?

 

まず一つ目が源泉徴収の手間の関係。

青色事業専従者給与を支払うと
給与支払事務所という扱いになるので源泉徴収の義務が発生します。

専門家だったり特定の業種に払う報酬だけじゃなくて
給与を支払う場合も金額によっては源泉徴収しなきゃいけないんですけど

通常、給与金額が88,000円未満なら
源泉徴収しなくていいことになってます。

 

そして二つ目が所得税・住民税の関係。

所得税の話だけなら、

給与所得控除の最低額である55万円と
基礎控除額の48万円を合計した103万円。

この上限までに給与収入が収まれば
税金が発生しないことになります。

ただちょっと厄介なのが住民税で
給与所得控除の最低額である55万円と
(例えば茅ヶ崎市なら)45万円を合算した100万円。

この上限までなら住民税が非課税となります。
(一応各市区町村で確認しましょう)

 

ということは、年収100万円までなら
所得税も住民税もかからないということなので

100万円を12分割した83,333円までに
月々の支払いを納めれば良いことになりますよね!

で、実務上はそこまでギリギリを攻めるのもなんかアレなので
月々80,000円(年収960,000円)に設定している人が多いということです。

もちろん労働実態が伴ってれば
80,000円を超えても問題ありません!

何も手伝ってもらってないのに
所得の分散を狙って数百万円支給とかはやめましょうね…。