こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
新型コロナウイルス感染症による資金難という背景もあってか、税理士交代の話をよく耳にします。
「事業を始めたタイミングで取り敢えず顧問契約をした」
ということは事業主あるあるかと思いますが、
「お金払ってる割に何もしてくれない」
と感じている事業主も多いのではないでしょうか。
そのような場合、より安くコストを抑えるために契約内容や契約事務所を変更するというのは当然ですよね。
ただ、今後税理士との契約を考えている場合や、
税理士変更を検討している場合に、
第一候補として挙がるであろう「丸投げプラン」について知っておいてほしいことを書いておきます。
この記事を読むと、以下のことが分かるようになります!
- 丸投げプランのメリット
- 丸投げプランのデメリット
- クリエイターにオススメできるか否か
丸投げプランとは
これは税理士事務所により色々な呼び名がありますが、
端的に言うと以下のサービスを提供してくれます。
- 事業主は領収証や書類一式丸々税理士事務所に送付するだけでOK
- 受領した領収証をもとに税理士事務所が会計システムに記帳
- 正しい会計処理に基づき確定申告書を作成
- 電子申告により代理で確定申告実施
見て分かるとおり、「確定申告をどうにかしたい」というニーズに最低限応えるためのサービスです。
丸投げプランのメリット
なんといっても税理士事務所に支払う報酬が安いことが挙げられます!
売上規模、事業内容、領収証枚数等に左右されるものの
極端に安いところを探せば2万円程度で依頼することも可能です。
また、事務所によっては送付した資料さえ不足していなければ、
それ以上のやり取りを全くすることなく確定申告を完了してくれるところもありますので、
「面倒なやり取りしたくない!」
という事業主にはそういった点でもメリットがあると言えます。
丸投げプランのデメリット
安い報酬でサービス提供が可能な分、デメリットもあります。
諸々あるなかで私が考える最も大きなデメリットは、経費性の判断等をしない事務所が多くあるということ。
極端な事を言えば、
丸投げプランはお客様から頂いた領収証をもとに記帳を行い、確定申告を行うだけのサービスです。
そのため、「送られてきた領収証は全て経費性があるものと事業主が判断しているんだろう」という前提を置いて無機質に作業を実施することが少なくありません。
現に私も、丸投げプランのお客様に「前の先生は何でも経費にしてくれた」とお話し頂くことがとても多いです。
なので、贔屓目に見てもブラックな経費を税理士事務所に指摘されず確定申告を終えたからと言って、
必ずしも「税理士が経費性を認めた」という訳ではないことをご留意ください。
クリエイター業は特に留意が必要!?
私はイラストレーター、ゲームクリエイター、作曲家といったお客様に特化してサービス提供してますが、
クリエイターの皆様には上述のデメリットを特によく理解してほしいと考えています。
一つの例ですが、
以前、ソシャゲのガチャ代を経費にできるのかというお話を記事にしました。
クリエイター業を営む方の中には、ソシャゲへの課金履歴も領収証として税理士事務所に丸投げしている方が少なくないです。
「税理士が見てるんだし税務署が来ても平気だろ」という安心感を持っているかも知れませんが、
税理士事務所によっては「経費性の有無まではチェックしてません」なんて話になりかねません。
「事業に関連のある領収証を送ってください言いましたよね?」
なんて言われたら顔面蒼白ですよね…。
また、同業の先輩から「俺、税理士に〇〇も経費に入れてもらってるから平気だよ!」という話を聞いても、
それが自分にも当てはまるとは限りませんし、本当に税理士がOKを出したのかも不明です。
(というか、税理士以外の税務指南は税理士法上アウトです…)
なので、継続的にお付き合いしている税理士がいるのであれば、一度明確に質問をしてみることをオススメします。
丸投げプランですと、個別具体的な話についてはスポット相談として報酬を請求されることもありますが、
自分を税務面で守るための必要投資と考えましょう。
ちなみに全くお付き合いのない税理士事務所であっても、初回は無料で相談に乗ってくれることが多いです。
税務相談も含めた確定申告プランもあるよ!
ただ安いからという理由で丸投げプランを選択することはリスキーであることが分かって頂けたかと思います。
もちろん自分で経費性の判断に責任を持つ、という人は選択する余地がありますし、
最初だけ税理士に積極的に関与してもらい、数年したら丸投げプランに移行というスイッチもアリです。
また弊事務所のように、いわゆる丸投げプランに加えて税務相談もある程度できるプランを提供している事務所もあります。
顧問契約のようにガッツリと見てほしい訳ではないけど、簡単な相談くらいはしたい!
という要望がある方にはオススメですので、宜しければお気軽にお問い合わせください!