こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「温泉旅館でのんびり作業してきたけど、宿泊費って経費になる?」
「撮影や構成づくりのために泊まりがけで移動したんですが…」
宿泊先でお仕事に励むクリエイターさんもいますよね!
この記事では、旅館や温泉宿の宿泊費・交通費が経費になるかどうかについて、
クリエイターさん向けにやさしく解説していきます!
基本の考え方:「仕事のため」が目的かどうか
税務上、経費になるかどうかのポイントは、
その支出が、売上を得るために仕事で必要となる支出かどうか!
- 「仕事のために行った」ことが説明できる → 経費になる可能性あり
- 「リフレッシュのついでに仕事した」 → 経費にはしにくい
基本的に旅行はプライベートで行くもの。
そのため、「仕事の一環でそこに行く必要があった」ことを証明できなければ
経費として処理することは認められません…。
でも、こういう場合は交通費・宿泊費を経費にできる可能性があります👇
- 撮影・取材・ロケ目的の滞在
→YouTubeやブログの企画で温泉宿を訪れ、施設レビューや撮影を行った場合など - 創作活動に必要な構成づくりや執筆のため
→漫画や小説の舞台としての取材など
これに限らず、「仕事の目的」が前提にあることが大事!
◆おすすめ記事


「少し作業をしたから」経費になるわけではない
ちょっと誤解されがちですが、プライベート旅行の場合は、
少し宿泊先で作業をしたからといって、経費にできるわけではありません。
確かに現地で仕事をしている実態はあるかもしれませんが、
「そこに泊まらなければいけなかった理由」を、基本的に説明できないんですよね…。
そのため、よくある次のようなパターンは要注意👇
- 「たまたま旅先にPC持って行って、ちょっと作業もした」
- 「リフレッシュしたくて温泉に行き、ついでに構想を考えた」
- 「友達との旅行中に、ちょっとだけ仕事した」
- 「現地調査の名目で行ったけど、癒されただけで創作やお仕事に活かしてない」
これらの共通点は、行動の主軸が「遊び」や「癒し」にあること。
温泉旅館だからNGというわけではありませんが、
客観的に「それは仕事のために必要だったよね」と言える実態があるかで判断を行うようにしましょう。
◆おすすめ記事


「仕事と私用が混ざる」場合は家事按分を
仕事目的での旅だったとはいえ、
せっかく行ったからにはプライベートでも楽しみたいですよね!
そういう場合は、「家事按分(かじあんぶん)」という考え方を使って、
仕事に使ったと思われる分だけを経費にすることができます。
たとえば、
- 3泊中、2日は仕事、1日は観光 → 2/3を経費に
- 1日の中で午前中は作業、午後は観光 → 時間割合で按分
こういった「日数」「時間」などを考慮して、
「全体のうち何割が仕事としての使い方だったか」を算定しましょう!
按分割合の決め方に厳密なルールはないですが、
「なんとなく」で決めると税務調査で否認される可能性があるので注意!
◆おすすめ記事


記録を残しておくと安心
旅館や温泉宿のように、プライベート利用と見られがちな支出は、
「本当に仕事で使っていました」という証拠や記録を残しておくことがとても大切です。
税務調査のときには、「業務のために必要だった」と口頭で説明するよりも、
実際の行動がわかる証拠がある方が格段に説得力が増します。
そのため、こんな記録を残したりするのがおすすめ👇
- 宿泊が必要だった仕事の内容(例:撮影、イベント、現地取材 など)
- 「〇月〇日〜〇日 ●●出張(イベント撮影)」のような帳簿メモ
- ブログ投稿やYouTubeなど、コンテンツのリンク(出張とのつながりが分かるもの)
「完全な証拠でなければダメ」ということはありません。
「仕事として使っていたことが、後から見て自分でも説明できるか」という視点で残せればOK。
また、クリエイターさんによっては家庭の事情や納期の都合等で、
どうしても家の外に宿泊して、みっちり仕事漬けの数日を過ごさないといけないこともありますよね。
それが必ず経費として認められるかは判断が分かれますが、
上記のように「仕事で行かざるを得なかった」証拠が残っていると、
税務調査の場でも経費として認められる可能性があるので、きちんと証拠を残しておきましょう!
◆おすすめ記事


Q&A:宿泊に関するあるあるなお悩み
Q. 旅館の「宿泊プラン名」も影響ありますか?
A. 「癒し旅」「観光満喫プラン」などは私用感が強く見えることも。
宿泊プランそのものが必ずしも影響を与えるとは言い切れませんが、
他のプランと比べて料金格差があるような場合には、そのプランを選んだ理由が必要です!
Q. 日帰り温泉で作業した場合も経費になる?
A. 施設使用料や飲食代だけだとかなり厳しいです。
ただ、現地で収録・取材・撮影など明確な業務があれば経費として認められる余地があります!
まとめ │ 温泉宿も「仕事のため」なら経費の対象に
- 仕事が主目的の滞在なら、温泉宿の宿泊費・交通費も経費にできる
- 私用との混在は、家事按分で対応する
- 実績や記録を残しておくと税務調査でも説明しやすい
仕事目的の出張は、完全プライベートの旅行ときちんと線引きして、経費にしましょう!