【クリエイター向け】現地視察と言えば家族旅行も経費になる?グレーゾーンを解説

クリエイターの税金・申告関係
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こんにちは!

公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

 

新規のお客様からスポット相談をいただくとき、

経費の線引きについて気になっている方がとても多いです。

 

具体的にいうと「これは経費にしていいの?」という質問をよく受けますが、

そのなかでもよく聞かれるのは旅行代のこと。

 

「もともと仕事で行く予定だったけど、家族も連れて行った場合は?」

「家族旅行を楽しみつつ、現地調査したときはどう?」

これ、意外とみなさん気になりませんか?

 

そこでこの記事では、「現地調査」といえば家族旅行も経費にできるのかどうかについて、

やさしく整理してみました!

 

漫画・イラストの資料収集や、動画制作の素材撮影など、

出張が多いクリエイターさんは、ぜひ読んでみてくださいね!

 

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① 「仕事の目的」が明確なら、旅費は経費にできる

まず大前提として、経費になるかどうかは、

その出費が売上を上げるために必要だったかどうかで決まります!

 

そのため、プライベートの旅行に見える支出であっても、

「作品や発信、営業などの業務につながっている」ことを説明できれば経費として処理可能。

 

具体的にいうと、こういうケースは問題ありません👇

  • 作品・映像・記事の舞台となる場所を取材するための出張
  • 撮影ロケ地を探すための視察
  • 展示会・イベント・フェスなどへの取材や制作目的の訪問
  • 実際に撮影・取材した内容をSNSやYouTubeで公開している

 

このように「業務に直接関係する」目的があれば、

基本的には往復の交通費、宿泊費などは経費として認められる可能性が高いです。

 

さらに、経費にするときには、

  • なぜそこへ行く必要があったのか(目的)
  • 実際に行って、何をしたのか(成果)

この2つがわかるように記録・メモといった証拠を残しておけると、説得力が高まりますよ!

 

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② 家族旅行がメインの場合は、基本的に経費にできない

そしてここが本題。

家族旅行がメインの目的の場合は、基本的に旅費・宿泊費は経費にできません。

これを認めてしまうと、ほぼすべての旅行を経費にできてしまいますからね…。

 

たとえば2泊3日の家族旅行に行った場合に、

  • たまたま近くに綺麗な森林があったから写真を撮っといた
  • オシャレなカフェを偶然見つけて、その外観を資料に使った

こういう場合でも、「その旅行は仕事目的じゃなかったでしょ?」とみなされ、

経費として認めてもらえない可能性が高いです。

 

ただ、家族も同伴してたら絶対に経費にできないというわけではなくて、

  • 展示会出展のための出張だけど、イベント後の帰り道で数時間家族と観光して帰る
  • 家族と同じ場所に宿泊するものの、日中は案件撮影のため完全別行動

こういう場合は、家族がついてこなくても自分の旅費・宿泊費は発生したと考えられるので、

自分ひとりの旅費・宿泊費は経費にしてもOK。

 

さらに状況を細かくすると、

家族旅行を楽しみつつ、現地でお仕事もしっかりこなしてるケースもありますよね。

そういう場合は、「旅程の何割が仕事のためだったか」をもとに、家事按分しましょう。

 

たとえば、こんな感じ👇

  • 2泊3日のうち、1日だけ取材 → 33%を経費に
  • 旅行中のうち3割は仕事の時間 → 30%を経費

 

按分割合の決め方に厳密なルールはありませんが、

  • 撮影スケジュールや取材メモを残す
  • 仕事のためであることがわかる写真・動画を残しておく
  • 家族と別行動した時間を明確に分けておく

こういった証拠があると、税務調査でも説明しやすくなります。

 

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③ なんでも「視察」はNG。税務署が見ているポイント

たまに「旅費は視察扱いで全部経費にしちゃおう!」という方もいますが、

これはかなりリスクが高いのでやめましょう。

 

説明のつかない経費が多いと、それらの取引が否認されるだけでなく、

会計帳簿全体の信用性がないものとみなされ、税務調査が長引く要因になりかねません。

 

そして、税務調査ではこういった点をもとにチェックが行われます。

  • 仕事との関連性が具体的にあるか
  • 仕事とのつながりを証明できる出張報告や成果物が残っているか
  • 家族・友人の同伴がどの程度あるか
  • 支出の金額や期間が業務に見合っているか

これを踏まえると、「視察」といえば経費にできるわけではないことがわかりますよね。

 

旅行は金額が大きくなりやすく、会計帳簿で仕訳を眺めていても目立ちやすい取引。

だからこそ、経費にいれるときには客観的な説明をできるかどうかで判断しましょう!

 

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Q&A:旅行に関するあるあるなお悩み

Q. 仕事メインの出張で、家族とご飯を食べたときは?

A. 出張であっても、自分ひとりや家族との食事代は経費になりません!

また、出張先で知人とご飯に行く場合であっても、仕事に関係が無い場合は交際費にできません。

 

Q. 旅行中に撮影した映像をSNSで投稿したら、経費になる?

A. SNSにアップすればただちに経費になるわけではありません。

撮影した映像がお仕事にとって必要で、そのつながりを示すために動画をアップする場合であれば、

経費にできる可能性が高いです!

 

まとめ │ 「現地視察」と主張するだけじゃなく、根拠が大切

  • 仕事目的であることが明確なら、旅費も経費にできる
  • 家族同伴の出張は、必要に応じて按分で対応
  • 税務調査では、実際の仕事とのつながりをチェックされる

 

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