こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
独立して2~3年目になると少しずつ売上が増えてきて、
「青色申告の特別控除をつかっても利益が残りそう…」という人もいますよね。
「そろそろ節税が気になるけど、何からやればいいのかわからない…」
「利益がまだ少ないときからできる節税ってあるの?」
そこでこの記事では、派手じゃないけど今日からできる小さな節税習慣について、
分かりやすく解説していきます!
そもそも節税ってどういうものなのか、どういうことをすればいいのか分からないクリエイターさん、
ぜひ読んでみてください!
① 会計ソフト専用のスマホアプリを使用する
節税のほとんどは、経費の取りこぼしをなくすことから始まります!
「え、そんな簡単なこと?」と思うかもしれませんが、ほんとうに取りこぼしって珍しくないんです。
そのなかでも多いのが、レシート・領収証を紛失してしまうケース。
「外出したらその日のうちにレシート整理しよう!」と思っても、
1か月後には継続できないことがほとんど…。
そこでおすすめなのは、
会計freeeやマネーフォワードクラウドといった会計ソフト専用のスマホアプリで、
レシートを受け取ったらすぐに撮影して、その場で経費登録しちゃうこと!
1分もあれば登録できますし、たったこれだけで、
- レシート・領収証を紛失してもデータが保存されてる
- 経費の取りこぼしがなくなる
- 確定申告のための会計作業が一気に減る
といったメリットが盛りだくさん!
まだ会計ソフトを使っていないという方は、
freee・マネーフォワードクラウドのどちらかと契約して、今日からスマホアプリを使いましょう!
② 経費の支払いはできるだけ「1枚のカード」にまとめる
これも経費の取りこぼしをなくすための方法になりますが、
経費の支払いは「事業用のクレジットカード」1枚になるべくまとめるのがおすすめ!
ポイント還元目当てでクレカを何枚も持つ人が少なくありませんが、
- 1枚のクレカ明細を12ヶ月分チェック
- 5枚のクレカ明細を12ヶ月分チェック
どっちが簡単かは明白ですよね。
もちろんプライベートのお買い物だけで使うクレカが多数あっても、
「経費の支払いはこのカードだけ」と決めていれば何もありません。
さらに、事業用のクレカが決まっていると、
上で紹介したfreee・マネーフォワードクラウドといった会計ソフトと利用明細を同期できるので、
クレカを通した取引であれば、手入力しなくても経費登録が簡単にできてしまいます!
そしてこれは預金口座にも同じことが言えるので、
税法上で義務付けられているわけじゃなくても、事業用の口座・カードはなるべく分けましょう!
◆おすすめ記事


③ 自分にとっての「経費の範囲」を見直す
節税を考えるうえで意外と大事なのが、
「自分の活動ではどういう出費が必要なのか?」という、経費の範囲を見直していくことです。
わたしも多くのクリエイターさんの相談を受けてきましたが、
独立して間もないクリエイターさんほど、
- 「これは経費にならなそう…」
- 「プライベートっぽく見えるし、やめとこう」
- 「こんなの経費にしていいの?」
といった感じで、かなり控えめに判断している傾向があります。
でも実際は、自分の仕事に直接つながる支出として説明できれば、
意外と多くの出費が経費として認められるんです!
たとえば、こんなものも経費の候補になります👇
- イラストや漫画の資料として購入した雑誌・設定資料集
- 作曲するための音の研究として聴いた配信曲やサブスク
- Vlog撮影のための小物・ライト・マイク
- 動画制作者さんが演出を学ぶだめの映画鑑賞代
- 表現の幅を広げるための美術館・ライブ・舞台鑑賞
もちろん、なんでも経費にしてOKというわけではありませんが、
売上を得るための事業活動に必要な出費なら経費にできる余地があると覚えておきましょう!
◆おすすめ記事


④ 完全仕事用といえないときは「家事按分」
クリエイターさんの経費でよくあるのが、
完全仕事用とは言い切れないけど、間違いなくお仕事に必要という出費!
たとえば、
- カメラ
- タブレット
- スマホ
- イヤホン
こういった機材は金額も大きくなりやすく、
プライベートで使うこともあるからといって、経費にできないのは損した気分になりますよね。
そこで使えるのが「家事按分」という考え方!
ざっくり説明すると、仕事で使った割合を計算して、その割合分だけ経費に計上できる処理方法です。
具体的には、
- タブレット端末は使用時間の7割が仕事 → 70%を経費に
- カメラ使用回数10回のうち4回が仕事での資料撮影 → 40%を経費に
- 公私を完全に切り離せないけど、仕事の連絡はほぼすべてスマホ → 50%を経費に
こういった感じで経費計上することができます。
ただ、家事按分するときは「適当に割合を決めた」だけではNGで、
どういう理由でその割合に決めたのかを説明できる必要があることに注意しましょう!
◆おすすめ記事


⑤ 小規模企業共済・iDeCoを少額からはじめる
利益がすくないときには優先度が高くありませんが、
個人事業主の節税といえば、小規模企業共済・iDeCoが王道中の王道です!
もちろん細かく見ていくとそれぞれ違いはあるんですけど、
どちらにも共通するのはこういう点👇
- 将来に備えるための投資制度
- 投資したお金が全額所得控除になる
ちょっと例を見てみましょう。
(例)毎月20,000円 所得税率10%のケース
投資額:20,000円 × 12ヶ月 = 240,000円
節税額:240,000円 × (所得税率10% + 住民税率10%) = 48,000円
これをみてわかるとおり、
将来のためにお金を積み立てているのに、そのうち数十パーセントは税金を減らしてくれるんです!
もし売上がぐんぐん伸びて、毎年の所得税率が20%、23%、33%…と上昇していったら、
その分だけ節税額も大きく増加するので、かなりお得な制度であることがわかりますよね。
ただ、どちらも数十年継続することが前提になっているので、
もし始めるにしても5,000円程度の少額でやってみるのをおすすめします。
また、どちらを選ぶべきか・NISAとの関係については以下の記事で紹介しているので、
ぜひ読んでみてくださいね👇


Q&A:節税に関するあるあるなお悩み
Q. 経費を増やせば節税できますよね?
A. たしかに経費は増えますが、それ以上に手元のお金がなくなって生活に影響が出ます!
経費を増やしても節税できるのは、あくまで支出額のうち数十パーセント。
自分にとって今必要な支出じゃなければ、無理に経費を増やすのは得策ではありません。
Q. 投資よりも貯金でお金を持っておくほうが安心じゃない?
A. 短期的には貯金のほうが頼りになりますが、長期的には投資をしておいたほうが安心です!
ただ、投資をする前に、生活費3~6ヶ月分の貯金を確保するのが最優先!
◆おすすめ記事

まとめ │ 小さな節税習慣がいずれ大きな節税に
- 節税は経費に取りこぼしを防ぐのが何より大事
- 経費の範囲を見直したり、家事按分を使うことで経費が大きく増える可能性も
- 将来に備えつつ節税するなら、小規模企業共済・iDeCoを活用しよう

