こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
個人事業主として独立して数年後、
あるとき今までの努力が一気に報われるかのように売上がグンっと上がったら、
それは間違いなくうれしいことですよね!
でも、実際に売上が上がると、こんなことが気になってくるかもしれません。
「せっかく稼いだお金を無駄にしないよう、すぐ投資しなきゃ」
「iDeCoとか小規模企業共済って、節税のために今すぐやったほうがいいの?」
収入の変動が激しいクリエイターさんだからこそ、
お金があるときに有効活用することはすごく大事なこと。
でも、「売上が伸びたからすぐ投資を始めなきゃいけないのか」というと、すこし違うかもしれません。
そこでこの記事では、iDeCoと小規模企業共済を始めるべきタイミングについて
やさしく整理していきます!
収入が少しずつ増え始めてきたクリエイターさんも参考になると思うので、
ぜひ読んでみてくださいね!
まずざっくり、iDeCo・小規模企業共済のおさらい
まずはあらためて、iDeCoと小規模企業共済の基本をおさらいしましょう!
なんだか取っつきにくい名前をしてますが、どちらも将来の資産形成のための投資制度です。
それぞれの概要はこんな感じ👇
iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 将来の年金を自分でつくる制度
- 楽天証券やSBI証券などの証券会社にお金を入れて、自分で運用する
- 国民年金保険料の免除を受けてなければできる
- 投資したお金は60歳まで引き出せない
- 投資金額は年に1回変えられる
- 個人事業主は年間81万6千円まで投資OK(月額68,000円)
- 最低金額は5,000円
- 投資したお金が「所得控除」になって節税できる(将来、お金を引き出すときに課税)
小規模企業共済
- 将来の退職金を自分でつくる制度
- 中小機構にお金を預けて、勝手に運用をしてもらう
- 個人事業主か、小規模な会社経営者が使える
- 投資した金額を引き出すことは可能だけど、20年続けないと元本割れする
- 届出をすれば、投資金額の変更は何回でも可能
- 個人事業主は年間84万で投資OK(月額70,000円)
- 最低金額は1,000円
- 投資したお金が「所得控除」になって節税できる(将来、お金を引き出すときに課税)
どちらも掛金の全額が「所得控除」になるので、
「今の所得税・住民税を抑えながら将来のお金も準備できる」という点が大きなメリット。
(例)年間掛金が300,000円 所得税率が10%のケース
300,000円 × (所得税率10% + 住民税率10%)= 60,000円の節税
とくに印税や広告収入を得ているクリエイターさんは、
収入の増加に対して経費がそこまで増加しないことも珍しくなく、
そういう場合に、iDeCo・小規模企業共済で所得控除額を大きく増やせばかなり効果的です!
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売上が伸びても、すぐに始めなくてOK
iDeCoも小規模企業共済も、とってもお得な制度であることは間違いないんですが、
売上伸びてきたからといって、節税目的ですぐに始めようとする必要はありません。
払ったお金が全額「所得控除」になったとしても、どんなに評価の高い投資商品を選んでも、
相場が上がったり下がったりすることはよくあること。
それにどちらの制度も、数十年コツコツ継続することを前提につくられてます。
だからこそ、「一時的に収入が増えたから」と勢いで始めるよりも、
長く続けるための仕組みづくりを終えてから始めるのがベスト!
たとえば、
- 月によって収入差が大きい(波が激しい時期)
- まだ事業用の貯金や生活防衛資金が十分じゃない
- 事業に使う機材の買い替えなど、大きな出費が控えてる
こういった段階で「節税したいから!」と無理に始めてしまうと、
何かあったときの貯金が足りなくなったり、
本来使うべきだったところにお金が使えなくなってしまう可能性があります。
今の生活を守りながら、事業を成長させていくことは、将来の資産形成や節税以上に大事なこと。
とくにiDeCoに関しては、投資金額を60歳まで引き出すことができなくなるため、
まずは目先の生活に困らない状態をつくるようにしましょう!
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iDeCo、小規模企業共済を始める前にやっておきたいこと
上で見てきたとおり、iDeCo・小規模企業共済は
基本的には一度始めたら継続し続けることが前提の投資制度です。
そのため、こういった準備が整ってから始めるのがおすすめ👇
- 一時的な売上・利益の増加ではなく、これから先も継続して黒字が見込まれる
- 生活費6ヶ月分の「生活防衛資金」を預金口座に貯金できている
- 税金や社会保険料の支払いに備える「納税用資金」にある程度の貯金がある
ここまで準備が整えば、手元のお金を確保したうえで投資にお金を向けられるので、
生活を脅かすことはなくなりますし、
相場が下落したときにも「まだまだ取り崩すのは全然先だもんな」と焦らずに済みます。
逆に、
- 売上はあるけど経費も多くて手元にほとんど残っていない
- そもそも事業のキャッシュが安定していない
- これから開業2〜3年目でまだ波が大きい
という段階では、先に「お金の流れを整える」ことを優先していきましょう!
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投資に慣れるためにNISAから始めてみるのはアリ!
ここで一つ紹介したいのが、iDeCo・小規模企業共済と同じくらい有名なNISA!
その特徴はコチラ👇
NISA
- 誰でも使える
- いつでも引き出せるし、いつでも投資金額を変えられる
- 利益に税金がかからない(非課税)
- 年間360万円まで投資OK(成長投資枠+つみたて枠)
- 最低金額は100円
- 投資したお金はその年の所得控除にならない
このとおり、NISAには縛りがなく、最低金額は100円からでも始められます。
そのため、まずは投資に慣れるためにNISAだけやってみて、
手元のお金に余裕がでてからiDeCo・小規模企業共済をはじめるのが一番おすすめです!
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Q&A:iDeCo・小規模企業共済に関するあるあるなお悩み
Q. どっちか1つを選ぶならどちらがいいですか?
A. 60歳まで引き出せないというデメリットは強いですが、iDeCoが個人的にはおすすめです!
自分で投資商品を選べるだけでなく、長期的には小規模企業共済より運用益が増える可能性が高いです。
Q. NISAとiDeCoと小規模企業共済、全部やらないと損じゃないですか?
A. お金にかなり余裕があるのであれば、全部やりましょう!
ただ、投資は長期間コツコツ積み立てて、取り崩さずに放置して複利の効果を高めるのが基本。
そのため、無理に全部をはじめようとするより、継続可能なペースで1つずつやるのがおすすめ!
まとめ │ 売上が伸びたからといって、すぐに始める必要はない
- iDeCo・小規模企業共済は「節税+将来のお金づくり」が同時にできる制度
- どちらも長期間継続することが前提の制度。まずは手元資金の確保が何よりも重要
- 投資に慣れるために、まずNISAで少額の投資をしてみてから、あとで始めるのがおすすめ
\ 節税しつつ将来資金もつくりたいクリエイターさんも /
iDeCo・小規模企業共済・NISA…どれから始めるのがベストかは人それぞれ。
収入の波もふくめて、クリエイター特化の税理士が、あなたの状況に合わせてアドバイスします!
