こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
今年も公認会計士試験 論文式試験が目前に迫ってきました。
本番特有の緊張感に包まれて朝から夕方まで三日間試験が行われる。
こんなにハードな事ってなかなかありませんよね。
(私は経験がないのでアレですが、国立大の試験とどっちが大変なんだろう…)
私の場合は一度論文式試験に失敗し、初受験の人に比べて論文式試験の雰囲気に慣れていたハズですが、
合格した年も変わらず「もうこんな試験二度と受けたくない…」と思っていました。
それくらいハードな論文式試験ですが、
私が公認会計士試験の講座に申し込む前、こんな話を耳にしたことがあります。
「公認会計士試験は短答さえ受かれば、論文は余裕だから。」
![](https://i2.wp.com/mitsuhashi-cpa.com/wp-content/plugins/word-balloon/img/blank.png?resize=18%2C18&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/mitsuhashi-cpa.com/wp-content/uploads/2019/07/eb22bf7a906b7f73af3d68cd620dade7.png?resize=96%2C96&ssl=1)
今思うとマヌケな話なんですが、私はこんなことを考えていました。
結果どうだったのか。
(少なくとも私にとっては)論文式試験の方がはるかに難しかったです。
一方で監査法人内の上司や同僚に話を聞いてみると、「論文は楽だった」という人もいることはいます。
なのでこればっかりは相性なんだと思います…。
ただ、私みたいに「論文は楽」と考えなしに信じてしまうのは怖いので、
なぜ私が論文式試験を難しいと感じたかを説明します!
試験科目がとても多い!
一番に挙げられるのは、論文式試験は試験科目がとても多いということです。
まず短答式試験の試験科目を見てみましょう。
・企業法
・管理会計
・監査論
・財務会計論
これだけでも他の試験に比べたらかなり分量が多いですが、
短答式はいわゆる記述回答がないため、どれだけ迷っても回答が選択肢の中に含まれています。
私のときは回答不能問題が財務会計論で出題されましたが….
そのため、理論科目であっても回答を暗記する必要はなく、正確に理解できていれば正答することができます。
これに対して、論文式試験は以下の科目が対象となります。
・監査論
・租税法
・管理会計論
・財務会計論
・企業法
・選択科目(民法、経済学、統計学、経営学より一つ選択。)
一目瞭然ですね!
短答式試験と比較して単純に2科目増えます。
財務会計論の理論なんて短答と比較にならないくらいの勉強量を求められますし、他の理論科目も自分で回答を記述する必要があります。
選択肢から正答を探すことと、自分で回答を記述することのどちらが難しいか。
少なくとも私にとっては圧倒的に後者の方が手強かったです。
しかもそれを全科目平均的な成績を残せるように仕上げる必要がある。
これだけ見ても「論文が楽」なんて私には思えませんでした…。
論文式試験は年に一回勝負
また、試験制度が変わったことで短答式試験は年に二回チャンスがあります。
これに対して論文式試験は年一回しか開催されません。
そのため、一度失敗すると次に挑戦できるのはその一年後。
これが短答であれば「また数か月後にチャレンジ!」と前を向きやすいですが、
次の試験まで一年間また勉強しなければならないと考えると、とても精神的にキツイですよね。
しかも、上述のように論文式試験は三日間戦い抜かなければならないので、受験するだけでもハードです。
合格率という点では論文式試験単体で30%を超えているので一見楽勝に見えるかも知れません。
しかし、論文式試験は短答合格者同士での戦いとなるので、その母集団のなかで上位1,000人程度に入ることはそれほど簡単な話ではありません。
ましてや記述式特有の「頑張って書いたけど論点がズレて足切り」という恐怖もあります。
受験した人のほぼ全員がこの論文の怖さに納得できるのではないでしょうか。
論文の方が10倍辛かった
あくまで個人的な意見ですが、短答より論文の方が10倍辛かった気がします。
上述のとおり論文式試験は年に一回しか受験できないため、一度失敗した時の反動が大きかったこともあります。
しかしそれ以上に理論科目を記述できるまで仕上げることがこんなに大変だとは思っていませんでした。
- 短答と比較した時の合格率
- 2年間の短答式免除
確かにこういった面はありますが、論文一発勝負でもキツイものはキツイです。
受験戦略として「まずは短答!」という意識は間違っていないと思います。
しかし、短答専念で頑張っても論文まで合格しないと公認会計士試験合格者になれませんので、
短答合格したら「むしろここからスタートだ!」という気持ちで挑むことをオススメします!