監査のスケジュールがかなりシビアだと感じる理由

監査のお仕事

こんにちは、三橋裕樹です!

公認会計士として監査業務をやりつつ、
税理士として税務業務をやっています。

どちらの業務も一通り体験しましたが
監査のスケジュールは税務に比べてかなりシビアに感じます。

上場企業の短信発表がクセモノ

監査といえば監査報告書が思い浮かびますが、

監査法人から監査報告書が発行される前に
決算短信を発表する必要があります。

この決算短信の発表期日が四半期・期末問わず
45日以内となかなかシビアなもので

監査のスケジュールをギュっとキツくする要因の一つ。

決算短信は速報値であり
監査法人の意見・結論対象じゃないので

言ってしまえば「勝手に出してどうぞ」なんですが、

実務上はそんな軽く扱われるものではなく…。

多くの企業は
短信と四半期報告書・有価証券報告書の開示内容が変わることを嫌います。

投資家目線で考えても
決算短信をもとに投資意思決定を行いますから

速報値といえども
数字が間違っているなんてことは基本的に考えていません。

そのため決算日から30日~40日以内に
今後数字が変わることがないように監査を一通り終わらせる必要があります。

会社が締めた後からスタート

監査の作業をスタートできるのは
早くても決算日から15日~20日後です。

そうなると、2週間~3週間程度で
不正の有無を含めて数字が正しいことをチェックしなければならず。

(決算発表が早いところはもっとシビアです)

規模が小さい会社や
取引内容がシンプルな会社であれば

ある程度余裕を持って決算発表を迎えられることが多いんですが

その場合であってもミスが多ければ

監査手続→ミスの指摘→修正→修正確認
(必要に応じてミスの原因調査、内部統制の不備検討、改善報告書のチェックなども)

このような手順を何回も踏む必要があり、
連結財務諸表を作成している場合は個別のミスが監査日程に大きく響きます。

さらに不正が見つかろうものなら心身ともにシンドイ日々を迎えることに…。

きちんとしているように見える会社であっても
なかなか派手なミスをするので、

会社の締めが遅延して
監査のスタートが遅くなるのは致命的な話になりかねません。

開示書類のチェックもかなり大変

財務諸表の数字が固まっても
その先に開示書類のチェックという作業が待ってます。

四半期報告書や有価証券報告書に記載されている
財務諸表の数字、注記事項、「てにをは」や句読点の有無まで。

これがなかなか大変な作業なんです…。

会計システムや連結システムの数字が固まっても、
それを開示書類に転記するとなると、そこでもミスが発生するわけでして。

世に発表されるのは開示書類だけですから

どれだけ監査を頑張っても
検証した通りの数字が開示書類に反映されていることを確かめないことには気を抜けないんですよね。

(なので、開示書類の検討にもかなり時間を割きます)

ちなみに決算短信に関しては
上述のとおり監査意見・結論の対象ではありませんが

実務上はなんだかんだチェックを求められることが多いです。

ゴールから逆算

以上で見てきたとおり
監査のスケジュールはとってもタイト。

なので最初の現場から
ゴールから逆算して仕事をすることを叩き込まれます。

最初のうちはとてもしんどかったですが、
それが今の仕事にも活きているのは間違いありません。

楽な仕事ではないですが良い経験になるので
公認会計士試験に合格したら一度は体験してみてほしいですね。

 

◆編集後記

今日はリビングにソファが届きました。

愛犬もお気に入りのようで良かったです!