こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「登壇する機会が多くて、美容への投資が欠かせない…」
「モデルとしても活動してるから、美顔器も経費になるよね?」
そんなクリエイターさんも、少なくないですよね!
この記事では、スチーマーや美顔器といった美容機器・グッズを経費にできるかについて、
クリエイターさん向けにやさしく整理してみました!
基本的に、美容代は経費にならない
税務上、経費になるかどうかのポイントは、
その支出が、売上を得るために必要あるかどうかです!
ただ、スチーマーや美顔器のような美容グッズは、
「原則としてプライベート使用」とみなされやすいアイテム。
というのも、こういった商品は業種を問わず誰でも使えるもので、
とくに仕事目的でなくても使う人が多いため、
税務調査では「これは個人的な買い物ですね」と判断されやすいからなんです。
たとえば…
- 肌の調子を整えたい
- 毛穴ケアや乾燥予防
- 気分転換やリラックスのため
- お風呂あがりのスキンケアを丁寧にしたい
- 仕事の気分を上げるために肌に投資してる
こうした目的で使っている場合は、
業務との明確な関連性が説明できないため、経費にはできないと考えておきましょう。
「肌を整える=清潔感が仕事につながる」という事実が少なからずあるのは否めません。
でも、美容や健康のように誰にとっても当てはまる理由になってしまう場合は、
「個人事業として仕事をするうえでの必要性が明確とはいえない」と判断されてしまうことに。
つまり、「見た目が大事」な仕事であっても、
それが本当に収益や活動内容に直結しているかが判断の分かれ目になります!
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経費にできるケースもある?
ただし、必ず経費にできないかというとそうではなくて、
一部のケースでは経費にできる可能性もあります!
たとえば、こんなケース👇
- 肌の状態が直接パフォーマンスや見た目に関わるモデルさん・俳優さん
- 美容機器のレビューや比較コンテンツを投稿して収益を得ている美容系YouTuberさん、ブロガーさん
- 美肌がそのまま売上・評判につながるエステティシャンさん、ホストさん・ホステスさん
このように「業務上の必要性」が明確で、
実際の活動に組み込まれている様子があれば、スチーマーや美顔器も経費にできる余地があります。
ポイントは、誰にでも当てはまりそうな理由でなく、
「自分の仕事にとって無くてはならないもの」と証明できること!
たとえば俳優さん・モデルさんであれば、
- 撮影時のメイク乗りや肌の質感が、作品や広告の仕上がりに直結するため、日常的な肌管理がパフォーマンスの一部になっている
- 美顔器の使用感や肌の変化をブログやYouTubeで紹介しており、それがファンとのコミュニケーションや集客、収益につながっている
といったように、仕事としての見た目の管理や美容機器の紹介が、
売上に直結しているかどうかが判断材料になります。
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「使い方」や「記録」がとっても重要
「仕事で必要そう」であっても、美容機器のようにプライベートとの境界があいまいなアイテムは、
何を買ったかよりも「どう使っているか」がとても大事になります。
たとえば、まったく同じ美顔器でも、
- 作品や撮影前のルーティンとして取り入れていて
- その様子をコンテンツの中で紹介している
- 実際に「このアイテム使ってから○○が良くなった」など、効果を仕事に活かしている
といった具体的な実態がある場合は、説明にも客観性がありますよね!
そのため、経費にしたい場合は、
「仕事の一部として使ってます」と説明できる記録を残しておくのが安心です。
たとえば👇
- SNSやYouTubeでレビュー・紹介を投稿している(商品名を明記すると説得力UP)
- 撮影や配信前に使用している様子をVlogやメイキングとして記録
- 帳簿に「肌コンディション調整のため業務使用」などと明記しておく
- 購入理由や使い方を簡単なメモやノートに残しておく(業務日誌的に)
ただ、「間違いなく仕事目的で使ってるけど、100%とは言い切れない…」という場合は、
1か月の活動時間のうち、仕事に要している時間などをもとに家事按分することも検討しましょう。
そしてもうひとつ大切なのは、
「実態がないのに経費にしようとしない」こと。
税務調査の場でウソをつくとペナルティが課せられる可能性が高いので、やめておきましょうね…。
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Q&A|美容代に関するあるあるなお悩み
Q. エステや美容クリニックの費用は?
A. こちらも同じ考え方で経費にできる可能性があります!
ただし、一般的には経費にならない支出なので、根拠が説明できないときは経費に入れないようにしましょう…。
Q. 領収書をとっておけば十分でしょ?
A. 気持ちはわかりますが、それだけでは不十分です…。
基本的には経費にできない支出なので、「仕事用」と明確に言える根拠を残した方が無難!
まとめ │ 美容アイテムは「業務との明確な関係性」がカギ
- スチーマーや美顔器などの美容機器は、基本的に経費にならない
- 例外的に、外見がそのまま売上に直結するお仕事なら経費になることも
- 使い方や記録を残す。必要に応じて「按分」も検討しよう
美容アイテムはグレーゾーンだからこそ、「どう使ってるか」をきちんと整理しておきましょう!