こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
以前、勘定科目内訳明細書が滞留・ミスの最終チェックに役立つという記事を書きました。
最終チェックも大事ですが、理想を言えば期末日前に一度はチェックをしておきたいものです。
貸借対照表には滞留が発生しやすい
軽視されがちですが、損益計算書に比べて貸借対照表を正しく作成するのって結構難しいです。
その理由は、貸借対照表には過年度からのミス・滞留が発生しやすいから。
損益計算書は毎期の経営成績を計算することが目的のため、基本的に過年度の数値は関係ありません。
期首~期末までの損益状況が記帳されていれば正しく利益が計算されます。
これにたいして、貸借対照表は期末時点の財務状態を明らかにするための表なので、過年度に記帳した数字が延々と引き継がれていきます。
ということは、過年度に発生したミス・滞留はどこかで処理しないと、永遠に残り続けることになります。
勘定科目内訳明細書はミスを見つけやすい
過年度からのミス・滞留を見つけやすい絶好のタイミングは、勘定科目内訳明細書を作成するときです。
勘定科目内訳明細書というのは、各貸借対照表科目の期末日時点における残高内訳を記載する表のこと。
(法人の確定申告時に作成・提出を要するものです。)
明細書に内訳を記載していくためには、各勘定科目の内訳を確認しなくてはなりません。
企業規模がそれほど大きくなく、かつ正しく記帳されていればサクッと数字を拾えるのですが….どうしても差異が埋まらないなんてことも。
だいたいの場合はこの不明差異を調査しているうちにミス・滞留に気付くことができます。
そのため、勘定科目内訳明細書は最終チェックに向いている資料といえるでしょう。
期末日後ではちょっと遅い時も
ただ、勘定科目内訳明細書を作成するのは決算日後。
実際の資金移動を必要としない修正であれば決算整理仕訳で調整すれば問題ありませんが、期末日後に預金口座の数字を動かすことはできません。
そのため、決算日前に貸借対照表科目の残高内訳をある程度チェックしておくことが望ましいです。
あくまで代表的な例ですが、以下のような勘定科目がある際には内訳をチェックしておくことをオススメします。
- 前払費用
- 未払費用
- 仮払金
- 仮受金
こういった営業項目ではない貸借対照表科目は管理が疎かになりやすいので、
数年間同じ金額が残り続けていた…なんてことも意外にあったり。(役員の立替経費の精算忘れとか)
仮払金・仮受金のような勘定は性質を鑑みると数か月同額で残っているだけでも異常ですから、しっかり確認するようにしましょう。
◆編集後記
昨日は5年ぶりくらいにネット上の知人と通話をしました。5年もあればお互い色々変わるものですね。話がドンドン盛り上がってしまい、気付いたら3時間近く電話してました笑
また、今日は吉野家で初カレー。想像よりだいぶ美味しかったです。