こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
毎年1月頃、突然ポストに届く謎の書類…「支払調書」。
初めて見る人は「え、これって何?」「税務署に提出しなきゃいけないやつ…?」と
ドキッとしちゃうかもしれません。
でも安心してください。
支払調書は「情報のお知らせ」であって、提出の義務はありません。
この記事では、そんな「支払調書」の正体と、使い方について、
クリエイターさん向けにやさしく解説していきます!
支払調書ってどんな書類?
支払調書っていうのは、
クライアント(報酬を支払った側)が、あなたにいくら支払ったかを税務署に報告するための書類です。
報酬額や源泉徴収された税金の額が記載されていて、
年明けに「参考資料」としてあなたにも送られてくる可能性がある、という流れです。
実は外注先に共有する義務はないので、届かないこともあったり。
どんなときに送られてくるの?
以下の条件に当てはまると、
源泉徴収義務のあるクライアントは、原則として支払調書を作成・提出する義務があります。
- 1年間に合計5万円以上の報酬を支払った
- 職種が源泉徴収の対象(例:原稿料・デザイン・ナレーション・作曲など)
ただし、企業によって運用が違うため、5万円以下でも送ってくるケースもあります。
もちろん、そもそも源泉徴収がされていない場合や、
クライアントが従業員を雇ったりしてない個人事業主の場合は、「支払調書」は発行されません。
◆おすすめ記事

支払調書、届いたらどうすればいい?
結論から言うと、確定申告に添付・提出する必要はありません。
でも、書いてある金額を参考にして、自分の帳簿と照らし合わせるのが大事な使い方です。
ただ、使うときにはこんな注意点があります👇
- 源泉徴収対象の報酬のみ記載されている
- 支払調書は「現金主義」
- 消費税額が記載されていないことがある
- 間違ってることもある
このなかでとくに大事なのは「現金主義」で作成されてること。
会計の基本は、発生主義(納品やサービス提供完了時に売上計上)ですが、
支払調書はその年の1月1日~12月31日支払われた金額をもとに作成されています。
つまり、きちんと会計のルールを守って売上の登録をしていると、
支払調書とズレが出るってことになります。
ただ、そのズレの原因は、
- 前年分の売上(今年入金分)が含まれてる
- 今年分の売上(来年入金分)が含まれてない
この2つなので、それを調整した金額が支払調書と一致すれば基本的には安心してOK!
◆おすすめ記事


届かなかった場合はどうする?
「あのクライアントからの支払調書、まだ届かない…」
そんなときも、基本的にこちらから請求する義務・必要はありません。
あくまで参考情報ですし、確定申告は、自分で記録した金額をもとに行うもの。
なので、
- 入金記録(通帳・振込履歴)
- メールや請求書の控え
- 印税などの支払通知書
などをもとに、支払調書がなくてもちゃんと計算・申告できればOKです!
◆おすすめ記事

よくある誤解&注意点
● 支払調書の有無=売上ではない
「支払調書が届いてない=申告しなくていい」はNG。
調書がなくても、もらったお金はちゃんと申告対象です!
● クライアントと金額がズレてるとき
先ほど書いたとおり、「支払調書の金額」と「自分の帳簿の金額」がズレることもあります。
そんなとき、自分の集計金額に誤りがなければ自分の記録を優先しましょう。
ズレていても、きちんと処理できた証拠があれば、税務調査でも説明できます。
Q&A:支払調書に関するあるあるなお悩み
Q. 支払調書がなくても申告できる?
A. はい、できます!
自分の通帳や記録をもとに、正しい金額を申告すればOKです。
Q. 添付しないと不利になったりする?
A. いいえ、提出しないことが不利になることはありません。
あくまで「参考資料」であって、申告の必須書類ではありません。
まとめ │ 支払調書は「通知」だけど、使い方が大事!
- 支払調書は「いくら支払ったか」と「源泉額」を通知するだけの資料
- 確定申告では、自分の記録をもとに正しく申告すればOK
- 届かなくても、必要以上に焦らなくて大丈夫!
「支払調書」の正体と使い方が分かっていれば、年明けの確定申告準備の時に届いても安心!