【開業初年度から赤字ってヤバいの?】利益が出なかったときのクリエイターと税務の考え方

クリエイターの税金・申告関係
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こんにちは!

公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です。

 

独立したばかりのクリエイターさんから、こんな相談を受けることがあります👇

「開業初年度から赤字になってしまって…これって税務調査につながりますか?」

「収入よりも機材やソフト代が多くて、利益が出ませんでした…」

 

そこでこの記事では、開業初年度、もしくは開業から数年間赤字なったときの考え方・税務対応について、

クリエイターさん向けにやさしく整理していきます!

 

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開業初年度の赤字は珍しくない

まず前提として、開業したての時期はどうしても支出が多くなります。

たとえば、

  • 機材購入(カメラ・PC・ソフト・マイク・周辺機材など)
  • 事務所や作業スペースの整備、通信環境の導入
  • 営業活動・発信にかける広告費やサイト制作費
  • 名刺やポートフォリオ、サンプル作品の制作費

ほかにも、スキル獲得のためのセミナー受講料や知識を増やすための書籍代など、

ほんとうに色々とお金がでていきますよね。

 

これに対して、最初から収入が安定している人ってほとんどいません。

開業初期は「新規のお客さんに知ってもらう」段階なので、

単発の仕事が中心だったり、知人からの紹介がメインだったりします。

(業種は違えど、わたしもそうでした)

 

そのため、どんな業種であっても、

開業初年度は「出ていくお金 > 入ってくるお金」、つまり赤字になるのは自然な流れ。

実際、開業初年度〜3年目くらいまでは赤字のクリエイターさんも少なくありません。

 

開業間もない頃の赤字は決して異常なことではなく、

次年度以降にどう利益につなげていくかの視点を持つことが大事です!

 

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赤字だからといってすぐ税務調査につながるわけじゃない

「開業初年度から赤字だと税務署にマークされるのでは…?」と不安になる方も多いですが、

赤字だからといって、すぐ税務調査につながるわけではありません。

 

税務署が重視するのは「その活動が事業として成り立っているかどうか」。

売上が少なくても、以下のような「おかしさ」がなければ問題視されることはほとんどありません。

  • 長年にわたって赤字が続き、事業性が感じられない
  • お給料の収入や事業の売上に対して、明らかに経費がかかりすぎている
  • 収入を得るための努力や活動がほとんどない

 

どれも、客観的に考えたら「どうやって生活してるの?」「事業やる意味ある?」って思いますよね。

 

のちほど説明しますが、会社員としてお給料をもらいながら事業をやっている場合、

経費を増やして事業所得を赤字にすることで、お給料から引かれた税金を還付してもらうことができます。

 

そのため、少し前は「節税」という名目でなんでも事業化する人もいたみたいですが、

そういった「危ないこと」を目的とした動きじゃなければ、基本的に赤字でも大丈夫!

 

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赤字のときでも申告すべき3つのメリット

「そもそも赤字なら申告もしなくていいんじゃ?」と思うかもしれませんが、これは誤解です。

たとえ赤字でも、事業所得として申告することで税務的に有利な制度が使えます!

 

① 損益通算

これが上に書いた内容のもの。

事業の赤字を、他の所得(給与所得など)と相殺できる制度です。

たとえば「給与所得 500万円 − 事業所得 ▲50万円」=所得 450万円、というイメージ。

 

事業のほかに所得がない場合は使えませんが、

複数の収入形態があるような場合は、所得税や住民税を減らすことができます。

 

② 3年間の繰越控除

これは青色申告をしている場合の特例!

事業所得が赤字の確定申告をして、そこから3年以内に利益が出たら赤字分をマイナスできる制度です。

「今年は赤字だから放っておこう」と申告を省略してしまうと、この制度は使えません。

 

③ 源泉所得税の還付

クリエイターさんが企業と取引するとき、報酬から「源泉所得税」が天引きされることもありますよね。

この「源泉所得税」は言ってしまえば納めるべき所得税の前払い。

でも、(他の収入がなく)事業所得が赤字になった場合、納めるべき税金は0円のハズですよね。

 

そのため、赤字の状態でも確定申告をすることで、

本来納めるべき税金(0円)と、前払いとして払った税金(源泉所得税)の差額を還付してもらえます。

 

 

確定申告って聞くとどうしても「面倒…」と思ってしまいますが、

きちんと申告することでその分メリットもありますので、放置しないようにしましょう!

 

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Q&A:赤字に関するあるあるなお悩み

Q. 副業でやっている場合でも赤字を通算できる?

A. 副業でやっている場合は「雑所得」に区分されることが多く、

その場合は「事業所得」ではないため損益通算できません…。

「事業所得」に区分されるためには、反復継続して事業活動を行っている、などの条件があります。

 

Q. 赤字を見越して開業・運転資金をローンで借りた場合は経費になる?

A. 事業用の借入金のうち、元本の返済分は経費になりません!

利息は経費にできるので、口座から引き落とされる返済額のうち、元本と利息を分けて処理しましょう!

 

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まとめ │ 初年度赤字は珍しくない。きちんと申告を!

  • 開業初年度の赤字は珍しくなく、投資や準備の結果として自然なもの
  • 赤字でも「おかしい」数字でなければ税務調査につながることは少ない
  • 損益通算・繰越控除で税務的メリットを活かせる

 

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