こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「貯金あんまり余裕ないけど、これから繁忙期だから大きな仕事が入ってくるハズ」
「この先数ヶ月は毎月いくつか案件が入ってくるだろうから、すこし贅沢しても平気なハズ」
こんな感じで、今後の売上見込みをもとにお金を使ってしまうこともありますよね。
じつはわたしも昔はそういうお金の使い方をしてました。
でも、多くの個人事業主さんは会社員の人たちと違って、
来月以降も安定してお仕事・収入が入ってくる保証はなく、
売上見込みを過信しすぎると、気づかないうちにお金も気持ちも追い込まれるリスクがあるんです。
そこで今回は、売上見込みを過信していると危険な理由と対応策について、わかりやすく整理します。
無理なく創作を続けるための、ちょっとした視点として活かしてみてください!
「売上が入る前提で買い物をしてしまう」
ある程度お仕事の経験が積みあがってくると、
「来月はたぶん〇件、再来月はだいたい△件くらいお仕事取れそう」
「来年も年商10%アップくらいは達成できそう」
という感覚がなんとなくわかってきますよね。
その見込みをアテにして、
もう売上が取れたようなお金の使い方をするのはかなり危険です。
たしかに、よほど楽観的な見積もりじゃなければ、
多少のブレはあっても予想に近しい結果になることが多いと思いますが、
見込みはあくまで見込みでしかなく、まったくお仕事が取れない可能性もゼロではありません。
たとえばここ数年の話をすれば、
- 世界的な感染症の蔓延により生活スタイルが大きく変わってしまった
- AI技術の急速な発展・普及により ゲームのルールがガラッと変わってしまった
- 大規模な自然災害の発生により、今までとおりにお仕事ができなくなった
こういった自分自身の努力とは無関係な要因で業績が一気に傾くリスクはいつでもあります。
お仕事の幅を拡大していくために先行投資をおこなう自体は悪くありませんが、
ただ、売上が確定する前から支払の予定が立ってしまうと、
予定とおりにお仕事がこなかったときに気持ちの余裕がなくなり、
多少質の悪い案件でも積極的に受けざるをなくなってしまうことに。
その結果、資金繰りで大きな問題にならなかったとしても、
並行している他の案件に影響が出たり、疲労・ストレスを引きずる可能性があるので注意しましょう!
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「入金されていないお金を、あるつもりで数えている」
売上見込みを過信していない人でも意外とやりがちなのが、
入金前の売上を、すでに手元にある感覚で扱ってしまうこと。
具体的には、
- クライアントに請求を送った瞬間、少し贅沢なお買い物をしてしまう
- 支払いサイトが長い取引先からの入金を待たずに、カードで機材投資をガンガンしてしまう
こういったこと、少なくないと思います。
でも、わたし自身の経験も踏まえてお話すると、
支払期日通りに入金が行われないことって珍しくありません。
督促をすることで払っていただけるならまだマシですが、
規模の大きなお仕事をやり切って、外注費や諸経費の支払いも終わっているのに、
取引先とある日急に連絡がつかなくなり、そのまま入金されずに消えてしまうなんてことも…。
機材が壊れてしまったタイミングや、どうしても緊急な用事の時には仕方ないですが、
やっぱり自分の口座にお金がしっかり着金するまでは、
今ある資金で対応できる程度の支払いに留めておくのが大事です!
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お金が入ってきたあとも、税金・社会保険料のことを考える
お仕事も無事に終わって、
自分の口座にお金が入ったことも確認できた。
これでようやく心置きなくお金を使えると思いきや、
個人事業主さんは、そのお金をもとにして税金・社会保険料の支払い備えなければいけません。
具体的には、
- 所得税・住民税
- 消費税(対象者の場合)
- 事業税(対象者の場合)
- 国民健康保険料・国民年金
こういった支払いを諸々踏まえると、
売上から経費を引いた利益のうち、だいたい30~40%が持ってかれることになります。
つまり、手元に入ったお金を何も考えずに使ってしまうと、
あっという間に貯金残高が底を尽きることになってしまうので、
資金繰りが安定するまでは、守りの姿勢が強すぎるくらいでちょうどいいかもしれません。
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お金を使うときには、枠を先に決めてしまうと管理が楽
お金を使いすぎてしまうことを防止するためには、
「いまは〇〇円まで使って大丈夫」という枠を先に決めてしまうとむしろ楽です。
具体的には、
- 原則として、口座に入る前のお金はアテにしない
- 毎月の固定費(賃料、光熱費、通信費、食費)の概算額を知っておく
- お仕事の報酬が口座に振り込まれたら、25~30%を税金用に別口座へ移しておく
- 固定費、税金用の貯蓄を除いた金額は自由に使ってOK
こういったルールを作っておければ、
お金を自由に使える枠が自然と分かるようになるので、使いすぎを防ぐことができます。
もちろん、消費税・事業税の支払いがない場合や、
ほぼすべての報酬から源泉徴収されてる場合は、もっと税金用の貯蓄を低くして大丈夫ですが、
多めに備えておいて、あとで残ったときにどう使うかを考えるようにしましょう!
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Q&A:お金に関するあるあるなお悩み
Q. 税金の備えと同じくらい貯金も大事だよね?
A. そのとおりです!
まずは生活費の3ヶ月分、できれば6ヶ月分の貯金があると何かあったときも安心です!
Q. 経費やお仕事にお金を使うべきかどうかの判断軸は?
A. その出費を行うことで、数ヶ月以内に売上につながる可能性があるかがとても大事!
もちろん経験のための自己投資も大事ですが、
資金繰りが安定しないときに優先すべきなのは「すぐ回収できるか」という視点です。
まとめ │ 見込みはアテにしないで、枠を決めてお金を使おう
- 自分が予想していなかったことでお仕事が途切れる可能性がある
- お仕事が終わっても、確実に入金されるとは限らない
- 税金・社会保険料に備えて、枠の範囲内でお金を使おう
\ 税金やお金の管理をひとりで悩んでるときも /
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