こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
個人事業主として独立してから数年経つと、
売上が増加していくにつれて、毎年払う税金・社会保険料の多さにびっくりしますよね。
せっかくお仕事を頑張ってたくさんお金も入ってきたのに、
納税スケジュールを考えずにお金を使ってしまい生活が苦しくなってしまう人も少なくありません。
そこでこの記事では、お金が無くなる前に知っておきたい納税スケジュールを、
分かりやすく整理してみました!
いまのうちから来年の税金に備えたいクリエイターさん、
ぜひ読んでみてくださいね!
税金は「あと払い」でやってくる
会社員の場合、会社が社会保険料・所得税・住民税が徴収してお給料の振込額を計算してくれるので、
働き続けていれば、「税金を払うためのお金がない!」ってことは基本的にありません。
一方で個人事業主の場合は、誰かが勝手に計算してくれることはなく、
毎月の報酬から徴収されるわけでもないので、自分で管理をする必要があります。
クリエイターさんであれば、報酬額から所得税が源泉徴収されることはありますが、
社会保険料、住民税だけでなく、業績によって事業税や消費税の支払いがある人はかなり大変…。
しかもこの社会保険料・税金って、
1年間の稼ぎをまとめた確定申告書をもとにして、翌年に税金を払うことになるので、
口座に入ってきたお金をそのまま使ってしまうと、翌年あっという間に納税資金が足りなくなります。
そのため、もし今口座のなかにお金がたくさんあっても、
- 自分が自由に使っていいお金
- あとで税金として出ていくお金
この2種類が混ざっている状態。
ここを分けて考えることが、納税に向けた準備の大きな一歩!
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意識したい主な納税スケジュール
ざっくり納税スケジュールをまとめると、こんな感じになります👇
| 月 | 税金社会保険料 |
|---|---|
| 1月 | 住民税、国民健康保険料 |
| 2月 | 国民健康保険料 |
| 3月 | 所得税(確定申告)、消費税(確定申告)、国民健康保険料 |
| 4月 | 国民健康保険料 |
| 5月 | なし |
| 6月 | 住民税 |
| 7月 | 所得税(中間納付)、国民健康保険料 |
| 8月 | 消費税(中間納付)、事業税、住民税、国民健康保険料 |
| 9月 | 国民健康保険料 |
| 10月 | 住民税、国民健康保険料 |
| 11月 | 所得税(中間納付)、事業税、国民健康保険料 |
| 12月 | 国民健康保険料 |
自治体によって国民健康保険料の支払スケジュールが少し違ったり、文美に加入していたり、
口座から期日に税金が引き落とされる「振替納税」を選択している場合は1ヶ月ズレがあったりしますが、
基本的にはこのスケジュールをもとに考えていけば準備がしやすいハズ!
パッと見て分かるとおり、夏にかなり税金が集中しているので、
「確定申告で税金しっかり納めた!」→「まだ確定申告は先だし、今のうちにお金を使おう!」
って考えてしまうと一気に預金残高にダメージが入ります。
ただ、所得税・消費税の中間納付、事業税については、
絶対に払わなければいけないわけではありません👇
| 税金の種類 | 納税義務がないケース |
|---|---|
| 所得税(中間納付) | 所得税の確定申告で納税額が15万円未満の場合 |
| 住民税(中間納付) | 消費税の確定申告で「差引税額」欄が48万円以下の場合 |
| 事業税 | 法定の業種に該当しない or 青色申告控除前の事業所得が290万円以下 |
払わなくていい場合はもちろん納付書が届きません。
ただ、もし届いていたのに納付漏れをしてしまうとペナルティが発生するので注意しましょう…!
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「税金が高い」の正体は、準備不足なだけかも
ここでちょっと重たい話をすると、
じつは税金って稼いだ金額以上に払うものではないんです。
社会保険料、所得税、住民税、事業税は、売上から経費を差し引いた後の金額に対して、
何かしらマイナスを加えて税率を掛けて計算してますし、
消費税はちょっと特殊ですが、こんな感じで計算されてます👇
売上に乗っている消費税 - 経費に乗っている消費税 = 支払う消費税
これらをすべて踏まえても、だいたい利益の30%~40%には収まるので、
本来はどれも「事前に備えておけば払えるハズのお金」なんです。
もちろんいまは物価が高くなっているので、
「生活費・固定費を支払ったらお金なんて残らない」という人もたくさんいると思いますが、
出ていくお金以上に、予想してなかったときにお金を払わなきゃいけなくなるのが一番キツい…。
逆に言えば、あらかじめ「この時期は〇〇の支払いがある」と分かっていれば、
納付書が届いても慌てずに対応できるようになりますよ!
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売上が入った時点で「税金用のお金」を分けておく
納税スケジュールを知っておくことに加えて大事なのは、
売上が入ったら、一定割合を税金用として別の口座に分けておくという方法です。
たとえば、
- 売上の20〜30%を別口座へ
- 最低でも「これは使わない」と意識する
こういった感じで自分のなかのルールを決めておけば、
残りのお金でどうにか生活を回そうとする意識が生まれやすくなります。
お金は、「なるべく節約して残った分だけ貯金しよう」と思っていても、
パーキンソンの法則で言われているとおり、あればある分だけ使ってしまうもの。
本当に生活が苦しくなったらあとで戻せばいいだけなので、
最初は少し多めに分けておくくらいの感覚で残す習慣をつけるようにしましょう!
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Q&A:税金に関するあるあるなお悩み
Q. お金があんまり残ってないから、経費増やして節税すべき?
A. お金がないときに無理して経費を増やすのはNGです!
経費として使ったお金の30%程度しか節税できないため、
お金がないときは手元資金を多くすることをまず第一に考えましょう。
Q. お金が足りなくてどうしても納税できないときは?
A. 早めに地方自治体や税務署に相談しましょう!
払う意思を見せて手続をすれば分納することができますが、放置すると預金口座が差し押さえされます。
まとめ │ 税金はスケジュールを把握して事前に準備が大事!
- 個人事業主の社会保険料・税金はあと払い
- 納税スケジュールを知っておくだけで不安は減る
- 売上が入ったら、先に税金分を確保しよう
