こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
個人事業主として活動を続けていくうえで、
毎年売上が右肩上がりになればそれが理想ですが、どうしても売上が落ちる時期がきます。
案件が減って収入が一時的にダウンすることをなんとなく予想できても、
毎月支払う金額が大きいと、「どこから削ればいいんだろう…?」と不安になってしまいますよね。
そんなときに大事なのが、「削るべき支出」と「削ってはいけない支出」を分ける視点!
この記事では、売上減少期に迷いやすい支出の整理法をクリエイターさん向けにやさしく解説していきます!
削るべき支出:生活や仕事に直結しないもの
まずは、削っても仕事や生活の質が大きく落ちない支出から見直しましょう。
一時的に調整しやすい部分を削るだけでも、案外チリツモで固定費を減少できますよ!
具体的には、こんな感じ👇
サブスクの整理
使っていないサービスや、重複している配信・ソフト系は一度解約を検討しましょう。
半年以上ログインしていないものは、ほぼ不要なコストだと思います。
とくに放置しがちなのが、書籍読み放題・動画視聴し放題のサービス。
必要なときだけ契約して、忙しいときにはきちんと解約するのが理想です!
交際費の一部
ひとりで仕事をしている人にとっては、誰かとご飯に行くのはとても大事な時間ですよね。
でも、案件につながらない異業種交流会や、あまり気が進まない会食はキッパリ断りましょう。
本当に大切な人脈や打ち合わせは残し、メリハリをつけるのが大事!
少し背伸びをしている投資
老後のための資産形成を若いうちから始めておくに越したことはありません。
ただ、NISAが新制度になってからは、
- 毎月10万円じゃ少ないくらい
- 最短で枠を埋めないのはもったいない
こういう発信をSNSで目にすることも珍しくなくなりましたよね。
でも、インデックス投資の本質は長時間かけて育てることで複利の効果を拡大していくこと。
もし「生活費の一部を切り詰めて投資している」という場合は、
無理のない金額に抑えて、長く続けていくことを第一優先に考えていきましょう。
推し活で過剰に使ってるお金
推し活に時間・お金を使うことが仕事への活力になるの間違いありません。
でも、お金に余裕が無くなってきたときには、趣味に使うお金も節約する必要があります。
とはいえ、まずやるべきことは「使いすぎてるかも」と思う場合に、毎月の上限を決めること。
あまりに我慢し過ぎると、反動で一気にお金を使うことにもつながるので、ほどほどに!
ちなみに、「来年は絶対に●●を買うんだ」という気持ちがあると、
仕事へのやる気も上がりますし、行動を変えるきっかけにもなりますよ!
コンビニのちょこちょこ買い
わたしもついついやってしまうのがコンビニのちょこちょこ買い。
とくに、コンビニコーヒーやお菓子・スイーツを買うだけで500円程度になるので、
10回行くだけでも5,000円に。
作業へのやる気スイッチを入れるための投資になることもありますが、
これも自分のなかで上限を決めて、「昨日も行ったから今日は行かない」と自制できると、
お金が想像以上に残ります!
お金に余裕がなくなったときは、こうした「削りやすいコスト」から整理することで、
生活や仕事のクオリティを大きく落とさずに支出を調整するのが一番効果的です。
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削ってはいけない支出:義務があるもの、未来につながるもの
逆に、短期的には節約できても、長期的には自分の首を絞めることになるため、
売上が減ったときに「これは削っちゃダメ」という支出もあります。
具体的にいうと、こういう出費はなるべく削らないようにしましょう👇
最低限の健康投資
なるべく食費を安く済ませようとして、ネットで安いインスタント麺を大量に購入したり、
手っ取り早く固定費を抑えるために、せっかく習慣になっていたジム通いを辞めるのはNG!
食生活が適当になると、それがそのまま体調悪化につながりますし、
一度身についた運動習慣が抜けてしまうと、慢性的な体の痛みや睡眠の質低下につながります。
食事や運動といった、健康への支出は「働ける身体を維持するための必要経費」と考えましょう。
税金や社会保険料
お金がカツカツになってきたときに、一番しんどく感じるのが税金・社会保険料ですよね。
とくに、忘れたころに数万円一気に飛んでく住民税は、「こいつさえいなければ…」と誰もが思うところ。
でも、税金・社会保険料の納付を後回しにすると延滞税や差し押さえにつながり、
自分が想像してる以上に大きな影響を受けかねません…。
どうしても支払いができない場合には、窓口で正直に話して、
猶予措置を取ってもらえないか相談をするようにしましょう。
制作に必要なソフト・機材
お仕事を継続していくためには、機材への投資や制作に必要なツールへの課金が欠かせませんよね。
ここを削り続けてしまうと、短期的には大きな影響がなかったとしても、
どこかで作品の質が低下したり、作業スピードが落ちることで納期に直結します。
安易に解約や買い控えをすると、結果的に仕事の機会を逃すことにもなりかねません。
学びやスキルアップ
講座や教材は「未来の売上を生む種」。苦しい時期こそ少額でも続けると、次の成長につながります。
お金が厳しいときこそ、ただ評判が良いだけの講座・教材ではなく、
「明日からすぐ使えそうな知識かどうか」で遠別するようにしましょう。
今をしのぐために、払わなきゃいけないものを無視したり、未来を削るのは悪循環です。
売上が減っているときほど、未来を支える支出をしっかり守って回復のスピードを早めるのがポイント!
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支出の見直しをすべき順番のまとめ
上に書いてきたとおり、すべての支出切り詰めようとするのではなく、
次のように整理すると判断しやすいです👇
| 分類 | 例 | 対応 |
|---|---|---|
| 義務のある出費 | 家賃・水道光熱費・税金・社会保険料・制作ソフト | 削らない |
| 未来への投資 | 講座・教材・機材アップデート | できる限り維持 |
| 使いすぎな出費 | サブスク・交際費・コンビニ・過剰な投資や趣味 | 一時的に削る |
この表をもとに出費を分類してみると、
意外と調整できる金額があるんじゃないかなと思います!
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お金が無くなる前にやっておきたいこと
売上が減りそうな気配が出てきたとき、「まだ大丈夫」と見ないフリをしてしまうと、
気付いたら手元のお金があっという間に底をつきてしまいます。
そうなる前にあらかじめ備えておくことが、売上減少期を乗り切るうえでとても大事!
具体的にはこんな工夫がおすすめです👇
- 納税資金を別口座にプール:まずは税金分を取り分けて、「払えない」状態を避ける
- クレジットカードの固定費を整理:毎月自動で引き落とされるサブスクやサービスを見直し
- 売上が入ったら「先に残す」方式:入金があったらすぐに一定割合を生活防衛資金口座へ
- 最低限の生活費をシミュレーション:「いざとなったらいくらあれば生きていけるか」を把握
- 相談先をリストアップ:資金繰りが厳しくなる前に、相談できる金融機関や専門家を事前に把握
- 売上回復の計画を立てる:見通しのためにも、融資を受けるためにも、ざっくり立てておく
こうした準備をしておけば、売上が減っても「にっちもさっちもいかない状態」を回避できます。
大切なのは、危なくなってから慌てるのではなく、まだ少し余裕があるときから動くこと!
売上が好調なときでも少しずつ備えておけると安心ですよ!
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Q&A:資金繰りに関するあるあるなお悩み
Q. インデックス投資はできる限りしたほうがよくない?
A. 長期的な投資では資産が伸びる可能性が高いですが、それでも相場が下落するリスクはあります。
一時的に無理して投資するよりも、長く続けられる金額で投資を行うのが大事です。
また、個人事業主さんの場合は、事業にお金を向けたほうが資産拡大を狙える可能性も。
Q. 一時的にとはいえカードローンはおすすめしない?
A. 確実に「来月に返せる」というような場合を除き、基本的におすすめしません!
できればカードローンに頼るような状況になる前に、金融公庫などから融資を受けるのがおすすめです。
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まとめ │ 売上減少期は、削る支出の線引きと事前の備えが大事
- サブスクや交際費、過剰な投資・趣味への支出は一時的な削減対象
- 義務のある支出を無視したり、未来への投資を削減すると自分の首が締まる
- お金が無くなるまえに、事前に備えておくことでリスクを回避する
