こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
税務調査で指摘を受けないようにするためには私費を混在させないことが重要です。
そうは言っても、クラウド会計で自動化ルールを設定していると、知らず知らずのうちに私費が混在してしまうということがよくあります。
クラウド会計は記帳に時間がかからない分、こういった誤りがないかを確認することに時間を費やすべきなのですが、そうは言っても事業主様も暇じゃありませんので全ての勘定科目を見直すことは避けたいでしょう。
そこで今回は、私費が混在しやすい勘定科目を3つ紹介しますので、少なくともこの3つの勘定科目については定期的に中身を見る習慣をつけるようにしましょう!
交際費
まずは基本中の基本、交際費。
次のようなお店での出費も間違って混在していたりしないでしょうか?
- コンビニ
- スーパー
- 立ち食いそば
- デリバリーサービス
- 一人or親族と行ったレストラン
交際費である以上、原則として一人で飲食した場合には経費にすることはできません。
また、事業に関係のある人との交際が対象となりますので、家族との食事も経費に入れることはできません。
ここら辺はだいたい感覚で分かるかと思います。
ただ原則があれば例外があるもので、こういう怪しい出費であっても必ず経費から弾かれる訳ではありません。
以前、スーパーで買った食材も経費にできる余地があることを書きました。
また、同業者セミナーの昼休み中に、近くの立ち食い蕎麦屋でご飯を食べながら事業の話をすることもあるでしょう。
実態があれば経費にできる余地がありますので、これらの支出を全て私費とするのではなく、あくまでも「これは経費にしても良いのか?」という疑いの目を向けるきっかけにしましょう。
消耗品費
次は消耗品。これもブラックボックス化しやすいです。
- 生活用品
- 家電
- ブランド品
- 衣料品
こういったものが紛れこんでないでしょうか?
有名は話として、青色申告であれば年間300万円までは30万円未満の固定資産を全額経費に入れることができるというものがありますが、それを利用して掃除機や冷蔵庫まで経費に入れるのはNGです。
(もちろん、仕事専用の事務所があって、そこで利用する冷蔵庫であれば経費にできます。)
あとは最近人気のゲーミングチェアやモニターも仕事で使う分には経費にできますが、単に生活用品として使うのであれば経費に入れることはできませんので注意しましょう。
旅費交通費
あとは旅費交通費も結構私費が混在しやすいです。
今は交通系ICカードが資金決済手段にもなっているので、チャージしただけでは旅費交通費として使うかどうか分からないんですよね。
そのため「チャージしたから即経費」と判断せず、券売機等で利用明細を出力のうえ、実際に移動に要した金額のみ経費に入れるようにしましょう。
あと、当然のことながら家族でレジャーに行った際の高速代や、友達と遊びに行った時の電車代は経費になりませんのでご注意を!
クレジットカードは分けよう
他の勘定科目でも私費が混在する余地は十分にあるのですが、特に混在していることが多い勘定科目を紹介しました。
こういった意図せず経費に入ってしまうことを防ぐためには、事業用のクレジットカードを明確に分けるのが一番簡単な方法です。
プライベートでは一切使わず、経費を支払う時は必ずそのカードを利用するようにする。
こうすれば混在する可能性がグッと減ります。
税務リスクを少しでも抑えるために、発生原因から改善してみてはいかがでしょうか。