こんにちは、公認会計士・税理士の三橋裕樹です!
freee認定アドバイザーとして、確定申告のみならずfreeeの使い方のサポートをすることも多いのですが、
預金口座の同期設定、自動仕訳ルールの整備をするだけで
「こんなに楽なの!?」
と驚かれることがよくあります。
これはfreeeだけではなく他のクラウド会計システムでも同様ですが、
導入の初期時点でしっかり時間をかけてあげれば日々の業務を大幅に効率化することができます!
こういったことは最早周知の事実かと思いますが、
クラウド会計ならではの落とし穴があったり。
結構前に以下の記事でも説明をしましたが、
自動処理を行うということは間違ったルールをつくってしまうとひたすら間違った処理を繰り返してしまうという落とし穴があります。

今回はこれに関連した売上高の処理について書いていきます。
入金=売上ではない
自動登録ルールでよく見るのが、「○○という得意先からの入金は売上高として処理」というもの。
売上の相手先が限られているような場合には有効なルールですよね。
ただ、ここで注意しなくてはならないのが入金額=売上高ではないということ!
結果として一致することはありますが、預金口座に入金される金額は
売上高(税込)から源泉税を控除した後の金額です。
しかし源泉税は、売上高に一定の税率を乗じて税金の前払いを行っているだけですので、
売上高の記帳には何の関係もないマイナスです。
なので、正しい処理としては源泉税を控除される前の売上金額を売上高として記帳する必要があります。
この処理を間違えると、気付かないうち売上高1,000万円超えてた!!!
なんてことになりかねませんので気を付けましょう!
売上高の記帳の仕方
それではどういった記帳方法にすれば良いのかというと、以下のとおりです。
売上計上時の仕訳
源泉税控除前の金額で売上高・売掛金を記帳します。
入金時の仕訳
入金時は少し処理が面倒になりますが、以下のとおりです。
- 売掛金全額を取り崩す
- 源泉税の徴収金額は事業主(貸)勘定で記帳
- 入金額を普通預金等で記帳
ちょっとひと手間必要になることが分かるかと思います。
freeeの自動登録ルールについて
売上入金時はちょっと面倒ですよね。仕訳が2行になるイメージです。
一方でfreeeの自動登録ルールはどうなっているかというと、
以下画像の赤丸のとおり勘定科目を一つしか設定できないので、2行の仕訳を設定することはできません。
freeeや連携システムで請求書を発行していれば源泉税を控除した仕訳を自動提案してくれますが、
請求書を外部で作成しているような場合にはこの2行の仕訳を手打ちしなければなりません。
こういう時に使えるのが取引テンプレートです!
freeeトップ画面の「設定」から「取引テンプレートの設定」をクリックして頂き、
以下例示のようなテンプレートを作成します。
(もし毎月決まった金額が入金されるのであれば、予め金額を入力することをオススメします。)
そして、自動登録ルールで以下のように設定します。
こうすることで、仮に三菱UFJの預金口座にABC社から入金があった際、自動でさきほど作成したテンプレートが出てくるようになりますので、
金額だけ入力してあげれば正確な売上高の記帳を行うことができます。
他にも方法はあると思うのですが、分かりやすい方法としてはこちらをオススメしております。
効率化と正確性のバランス
freeeやMF等の謳い文句みたいなもので、クラウド会計といえば
「ワンクリックで記帳完了!」
というイメージが強くありますが、大原則として正確に記帳することが何よりも大事です!
自動登録ルールをうまく使えば、口座クレジットカードの明細を同期するだけで取引内容を何も見ずに記帳を完了させることも可能です。
しかし、取引内容を見なくても記帳が完了するということは、誤っていても気付かないということでもあります。
普段の記帳で楽をし過ぎるあまり、いざ申告書を作成するときになって修正点が大量に発生するなんてことにならないようにしましょうね!