こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「今年は赤字だった…」
そんなときでも、去年黒字が出ていたなら“お金が戻ってくる”チャンスがあるって知ってましたか?
それが「純損失の繰戻し還付」っていう、ちょっと聞きなれない制度!
印税や案件の有無で収入が大きく変動しやすいクリエイターさんこそ、
この制度を知っておくと、もしかしたら自分を助ける一手になってくれるかも!
この記事では、純損失の繰戻し還付の制度内容や、注意点を、
クリエイターさん向けにやさしく解説していきます!
「純損失の繰戻し還付」ってなに?
ざっくり言うと、
「今年赤字だったら、去年払った税金を“取り戻せる”可能性がある制度」です!
個人事業主の場合、確定申告で所得税の精算をしますよね。
クリエイターさんの場合、取られ過ぎた源泉所得税を還付してもらうことがほとんどですが、
実際には、源泉所得税の一部で税金を納めてることになります。
でもその翌年、収入がガクッと減って赤字になったら?
「去年は儲けた分ちゃんと税金払ったし、赤字のときに何かケアしてくれないの?」って思いますよね!
そんなときに、前年分の所得税の一部を“還付”してもらえる仕組みがこの制度なんです!
◆おすすめ記事

対象になるための要件は3つ!
ただ、この制度は、白色申告では使えません!
使うための要件はコチラ👇
- 前の年に青色申告していて、所得税が発生していた
- 赤字の年も青色申告していて、期限内に申告を完了させる
- 「還付請求書」をその年の確定申告書と同時に提出
知らない人にとっては、「還付請求書」を一緒に出すという要件が初見殺しですけど、
一応、青色申告を毎年やってて、この存在を知っていれば事前申請なしに使える制度です!
◆おすすめ記事

どうしてあまり使われていないの?
ただこの制度、正直にいうと使ってる人はかなり少ないです。
その理由はコチラ👇
- 存在をそもそも知られてない
- 使える年が限られていて、ピンポイントすぎる
- 繰り越しなら3年間使える
- 所得税しか還付されない(社保や住民税は無関係)
- あくまで請求。通るかは税務署が判断する
- 税務調査に選ばれやすくなると言われてる
特に6つ目!
きちんと売上の登録・経費の判断・帳簿付けをやっていても、税務調査って避けたいですよね…。
なので、税理士から見ても、正直使いづらい制度だと思ってます。
ただ、「どうしてもお金がきびしい!」って時には、
この制度を使うことで、資金繰りが回復するまでのつなぎになってくれる可能性もあるので、
覚えておいて損はありません!
◆おすすめ記事


Q&A:繰戻し還付に関するあるあるなお悩み
Q. 全額戻ってくるの?
A. いいえ、前年に払った税金のうち、“赤字分に対応する一部”だけが戻ってきます!
全額ではないので注意!
Q. 赤字が50万円くらいでも使える?
A. 使えます!
ただ、還付額が少なすぎる場合は「手間とリスクのほうが大きい」こともあるので要検討!
Q. 繰越控除とどっちがいい?
A. 使いやすさと、使える年数を考えると3年間の繰越控除の方がおすすめ!
繰戻し還付は奥の手と思っておきましょう。
まとめ │ 条件が合えば、手続きしてみる価値アリ!
- 「純損失の繰戻し還付」は、赤字の年でもお金が戻る制度
- 青色申告&前年が黒字ならチャンスあり
- 手間が少しかかり、リスクもあるので慎重に
うまく使えば自分を助けてくれる制度、覚えておくだけでも1つ選択肢が増えます!