こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
確定申告というと「税金を払う作業」というイメージが強いですが、
じつは申告することでお金が戻ってくるケースも少なくありません。
「病院代が高かったけど、医療費控除の計算をしていなかった」
「ふるさと納税をしたのに、確定申告で寄附金控除に入れ忘れた寄付がある」
「報酬から源泉所得税を引かれているのに、申告していなかった」
とくにわたしがクリエイターさんの相談を受けると、こういった還付の見逃しが結構多いです。
そこでこの記事では、改めて医療費控除・寄附金控除・源泉所得税という、
代表的な還付申告のポイントをクリエイターさん向けにわかりやすく整理します!
医療費控除:医療費年間10万円以上なら所得控除
わたしの体感では、かなり軽視されがちなのが医療費控除。
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えると、超過金額は所得から差し引ける制度です。
ポイントをまとめるとこんな感じ👇
- 本人だけでなく、家族の医療費も合算OK
- 診察・薬代・手術代のほか、通院に必要な交通費(電車・バス)も対象
- 年間で10万円(または所得の5%)を超えた分が控除される
家族数人で同居しているような場合は、
全員分の医療費を集計して、一番稼ぎが大きい人が医療費控除を申告することで、
なかなか大きな金額の還付を受けられる可能性があります。
ひとり暮らしのクリエイターさんだとなかなか10万円を超えることはないかもしれませんが、
レーシック、歯列矯正といった数十万円単位の出費でも対象になるので、
きちんと毎年集計してみるのがおすすめ!
健康診断・マッサージ・エステ・美容外科代は基本的に医療費控除の対象となりませんが、
あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師、柔道整復師が行う治療は対象になるので、
もし治療で通っている場合には先生に確認してみましょう。
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寄附金控除:ふるさと納税や寄附をしたら限度額まで所得控除
もはや多くの人に馴染みのある制度となったふるさと納税。
実質2,000円の自己負担はあるものの、税金を前払いすることで返礼品を受けられるという、
寄付金控除のひとつです。
ポイントはこんな感じ👇
- 限度額までは、(寄付金額 ー 2,000円)だけ税金をマイナスしてくれる(実質前払い)
- ワンストップ特例を使わない場合、必ず申告が必要
- 寄附金受領証明書を保管しておくこと
認知度が上がってきたことで、申告に含めていないって人は見なくなりましたが、
寄付したのに寄付金控除に含めていなかったというケースは意外と少なくありません。
とくに10万円以上ふるさと納税をやっているような場合って、
複数の自治体から寄付金受領証明が届くので、何枚か紛失することって珍しくないんですよね。
そのため、手入力で集計漏れが起きることがないように、
ふるさと納税のポータルサイトから、「寄附金控除に関する証明書(電子証明書)」という、
電子データを取得して、確定申告に反映するのがおすすめ!
これをe-Tax等の申告ソフトにインポートするだけで、
ふるさと納税の情報が漏れなく集計されるので、年が明けたら忘れずにダウンロードしておきましょう。
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源泉所得税:報酬から天引きされる所得税の前払い
源泉所得税というのは、個人事業主がデザイン料や原稿料、動画制作料などの報酬を受け取るときに、
報酬額から税金(原則10.21%)を徴収される制度のことをいいます。
クリエイターさんであれば、企業から報酬を受けるときは、
源泉所得税を天引きされるケースが多いですよね。
ただ、源泉所得税も集計漏れとなっているケースが珍しくなく、
その原因は、「支払調書」に頼りすぎてしまっていることです。
「支払調書」というのは、その年払った報酬額と天引きした源泉所得税を税務署に申告する紙ですが、
こんな特徴があります👇
- その年の報酬支払額が50,000円以下の相手先分は作成不要
- 「支払調書」は税務署に提出するもの
- 報酬の支払先に「支払調書」を共有するのは任意
- 基本的には「現金主義」で作成される(発生主義ではない)
つまり、ある企業からの報酬が源泉徴収されていても、支払調書がもらえない可能性がありますし、
「現金主義」で作成されるため、「発生主義」で会計記帳している場合には金額がズレます。
そのため、「支払調書」はあくまで参考情報でしかなく、
自分自身でいくら源泉徴収されたのか集計する必要があるということ。
支払調書を参考にすれば確かにラクなんですが、
あるべき金額とはズレが生じてる可能性が高いということを忘れないようにしましょう。
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更正の請求(還付のための修正申告)は5年間さかのぼれる
ただ、もしミスがあって還付漏れが発覚した場合も、
更正の請求(還付のための修正申告)は5年間さかのぼって可能です。
たとえば👇
- 2025年に「2021年の医療費控除漏れ」を思い出しても申告できる
- 数年前のふるさと納税の寄附金控除漏れを申告して還付を受けられる
気づいたときに修正できるのが、還付申告のうれしいポイント!
Youtubeで「e-Tax 更正の請求」と検索すると、様々な動画が出てくるので、
参考にしながら申告して、しっかり還付を受けるようにしましょう!
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Q&A:所得控除に関するあるあるなお悩み
Q. 医療費控除って美容整形も対象になる?
A.「治療」ではないので、 基本的には医療費控除の対象になりません!
Q. 源泉所得税が引かれているかどうか、どう確認する?
A. 支払明細書や振込通知に「源泉徴収額」と書かれていれば対象です!
また、請求額から10%くらい金額が少なく振り込まれていたら、
その差額分が源泉所得税である可能性が高いです。
まとめ │ 還付はあとで気付いた場合でも受けられる
- 医療費控除・寄附金控除は見逃しが生じやすい
- 源泉所得税は「支払調書」に頼りすぎるとミスが起きる
- 還付申告は5年さかのぼれるので、忘れていても間に合う
\ 還付申告に不安があるときも /
医療費控除やふるさと納税、源泉所得税など、見落としやすい申告ポイントも大丈夫!
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