こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「思いきって買った高めのカメラや機材、最近ほとんど使ってない…」
そんなクリエイターさん、実はけっこう多いです。
機材って、使わなくなっても帳簿の上では「資産」として残り続けるんですよね。
「使わなくなっても、減価償却で経費にし続けていいの?」
「売るときってなにか特別な処理しないとダメ?」
そんなお悩み、ありませんか?
この記事では、使ってない高額機材の減価償却の扱いや、売却したときの会計処理について、
クリエイターさん向けにやさしく解説します!
減価償却ってそもそも何?
まず大前提ですが、減価償却についてあらためて確認!
減価償却っていうのは、高額なモノは「何年かに分けてちょっとずつ経費にする」という仕組みです。
たとえば、20万円のマイクを買ったら、
- 法定耐用年数(=国税庁が決めてる年数)が「5年」
- 5年 × 2ヶ月=60ヶ月に分けて経費化する
- 手元に届いた、使える状態になった月から減価償却スタート
といった感じ!
もし5月に買って手元に届いたら、その年の償却額はこうなります👇
200,000円 × 8ヶ月 ÷ 60ヶ月 = 26,666.666...
◆おすすめ記事

もう使ってない…でも減価償却は続けてOK?
「じゃあ、今は使ってない機材ってどうするの?」
もし使っていなくても、いつでも使える状態が維持されてれば、減価償却費を経費にしてOK!
(稼働休止資産)
7-1-3 稼働を休止している資産であっても、その休止期間中必要な維持補修が行われており、いつでも稼働し得る状態にあるものについては、減価償却資産に該当するものとする。
法令解釈通達より
なので、使ってる・使ってないじゃなくて、
使おうと思えば使える状態かどうかが判断基準になるってことですね!
逆に、「レンズにカビが生えてる状態で正直使えない」って状態で持っている場合、
主にこの2通りで処理することになります👇
- 修理して使う予定:使える状態じゃないので、減価償却は最後までするけど経費にできるのは0円
- 処分したとき:雑損失として残りの金額を一気に経費化
高級機材であれば、そのまま廃棄せずにジャンク品として売ることもあると思うので、
「修理して使う予定」の処理を選ぶことが無難です!
◆おすすめ記事

売却したときの処理はどうなる?
もし、使わない機材をメルカリなどで売った場合は、この4通りの処理が必要👇
①10万円以下で買った消耗品
売却額を「雑収入」として事業所得に含めます!
②10万円超で買った固定資産(原則)
以下の算式で求めた金額を「譲渡所得」に含めます!
売却金額 - 残っている帳簿価額 - 売却にかかった手数料
③一括償却資産として処理した固定資産
売却額を「雑収入」として事業所得に含めます!
④青色申告の少額減価償却資産の特例を使って処理した固定資産
以下の算式で求めた金額を「譲渡所得」に含めます!
少額減価償却資産の特例を受けている場合、全額経費化されてるので、「帳簿価額」がありません。
売却金額 - 売却にかかった手数料
金額によって、色々扱いが変わって面倒ですよね…。
あと、自分が消費税が申告義務のある場合、売却額にも消費税が課税されるので注意!
◆おすすめ記事


「もう使ってないけど高かったし…」という悩み
高額な機材って、「また使うかも」と思ってなかなか手放せないもの。
でも、帳簿のうえでは“資産”として扱われるため、固定資産税(償却資産)の税金が増えることも。
ムリに売る必要はありませんが、
- 実際にどのくらい使ってるか?
- 他に活用方法があるか?
- 売って新しい機材を買った方がいいか?
を一度見直すだけで、お金の流れや会計の整理もスッキリします!
◆おすすめ記事


Q&A:機材の売却に関するあるあるなお悩み
Q. 減価償却してるかどうか、どこで確認できる?
A. 会計ソフトの「固定資産台帳」や、確定申告書と一緒に提出する決算書に記載されてます!
「修理して使う予定」の処理の場合、事業共用割合を0にすればOK!
Q. メルカリで売ったときの振込手数料や送料は?
A. 事業所得では「経費」に、譲渡所得では「譲渡費用」として税金を減らしてくれます!
漏れなく集計するようにしましょう!
まとめ │ 使ってない機材は“お金の流れ”に影響する!
- 高額機材は減価償却で、数年にわたって経費処理される
- もう使っていない場合は、処分や売却処理の検討を
- 売却時の利益や損失も、帳簿にしっかり反映を
機材は「持っているだけ」で経費になったり、帳簿に残り続けたりと、意外と影響が大きい存在!
使ってないモノほど、整理しておくと、心もお金もスッキリしますよ!