こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
青色申告のために必要となる「所得税の青色申告承認申請書」は、
開業届と一緒に税務署に出すべき書類として、フリーランス向けの本によく挙げられてますよね。
「お得なのはなんとなくわかったけど、初年度からやるのは大変そう…」
「とりあえず申請はしたけど、帳簿とか複雑そうで正直不安…」
そんなお悩みを持つ駆け出しのクリエイターさん、多いんじゃないでしょうか。
そこでこの記事では、初年度から青色申告をするメリット・注意点・ラクにやるコツについて、
クリエイターさん向けにやさしく整理していきます!
青色申告をするメリットは?
すでに理解している人も多いとおもいますが、
青色申告をすると、主にこんな大きなメリットがあります👇
- 最大65万円の控除
- 赤字を3年間繰り越せる
- 30万円未満の固定資産をその年に全額経費にできる
1つずつザックリ見ていきましょう!
最大65万円の控除
複式簿記で会計取引を記帳し、貸借対照表を作成(会計ソフトならどちらも自動的に対応)したうえで、
e-Tax等で電子申告をすることで、所得から最大65万円を差し引けます。
言ってしまえば、お金を使ってないのに65万円も経費が増えるのでめっちゃお得!
赤字を3年間繰り越せる(純損失の繰越控除)
初年度は設備投資や経費がかさんで赤字になることも多いです。
その赤字を翌年以降3年間に持ち越して、利益と相殺できるのは大きな節税効果。
「赤字でも無駄にならない」のはとてもありがたいですよね!
30万円未満の固定資産をその年に全額経費にできる
10万円以上の固定資産を購入すると、原則として数年間に案分して経費にします。(減価償却)
でも、この特例を使えば30万円未満の固定資産を買った年に全額経費にできるので、
当初の想定よりも業績が好調だったときにも、税金を大きく減らせる可能性があります!
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初年度からやるのは大変じゃないの?
「青色申告は難しい」というイメージが強いですが、
実際は工夫すれば初年度から十分に対応可能です。
多くの人が大変そうに感じるのは、次のような理由がほとんど👇
- 帳簿をつける必要がある
日々の収支をきちんと記録しなければならないため、「続けられるかな?」と不安になる。 - 複式簿記がわかりにくい
借方・貸方など専門用語が登場するので、初めての人にはハードルが高く見える。 - 申告書類がやや複雑
青色決算書や収支内訳書など、白色申告にはなかった書類が増える。
でも今の時代は、クラウド会計ソフト(freeeやマネーフォワードなど)を使えば、
銀行口座やクレジットカードを連携して自動仕訳が可能です!
また、専用のスマホアプリを使うことで、
領収書をスマホで撮影して取り込める機能もあり、簿記初心者でも迷わず進めやすい工夫がたくさん!
Youtubeを見れば、操作方法の解説動画もたくさん上がってます。
初年度でも、ソフトとアプリをうまく活用すれば、
思った以上にハードルは低いと感じられるはず!
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自分でできる?それとも税理士に頼む?
「そうはいっても不安だし…」という気持ちもわかります!
もちろん、最初から税理士に任せて、正解を知っておくのも一つの選択肢。
自分でやる場合、税理士に依頼する場合のちがいをまとめてみました👇
自分でやる場合 | 税理士に依頼する場合 |
---|---|
・コストがかからない ・会計ソフトを使えば初心者でも可能 ・税務知識を身につけられる ・取引が少ない初年度に練習できる |
・手間や不安から解放される ・節税のアドバイスを受けられる ・調査対応など安心感がある ・規模が大きくなっても対応できる |
個人的な意見としては、
開業したてで売上がまだ小さいうちは「自分でやってみる」のもおすすめです。
会計ソフトの使い方に慣れておけば、事業が成長したときにも役立ちますし、
税金の仕組みを理解するきっかけにもなります。
ただし、次のようなケースでは税理士に相談した方が安心です👇
- 案件が増えて、入力や管理に時間を取られすぎている
- 打ち合わせや制作に集中したいのに、経理作業に追われてしまう
- 節税の方法や控除の活用がよく分からない
- 処理方法を調べてるうちに1日が終わり、時間がもったいなく感じる
- 税務署からの問い合わせや調査対応に不安がある
つまり、「時間を優先するか、コストを優先するか」が判断の分かれ目。
一度自分でやってみて、どうしてもわからないときに「スポット相談」という形で、
必要な部分だけ税理士に相談ということもできるので、うまく活用しましょう!
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Q&A:青色申告に関するあるあるなお悩み
Q. 初年度の売上が少なくても青色申告する意味ある?
A. はい!赤字でも翌年以降に繰り越せるので、青色で申告しましょう!
また、クリエイター業の場合は、報酬額から税金が一部前払いとして源泉徴収されているので、
確定申告することで還付を受けられる可能性があります!
Q. 青色申告承認申請書はいつまでに出せばいい?
A. 開業から2か月以内、またはその年の3月15日までの早い方です!
期限を超過するとその年は青色申告できないので、注意しましょう。
まとめ │ 初年度からでも青色申告は十分可能!
- 青色申告は最大65万円控除などメリットが大きい
- クラウド会計ソフトを使えば、初年度でも自分でできるケースが多い
- わからないことは、税理士にスポット相談で確認もアリ