クリエイター業も例外なし!個人事業主から法人成りするときに考えておきたいポイントと注意点!

税務関連

こんにちは!
クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!

売上が伸びてくると
気になるのが節税策ですよね。

その一つは法人成りですが
会社を設立する前から
決めておいた方が良いことって結構あります…!

会社そのものについて

まずは設立する会社そのものについて
方針を決定しておきましょう。

その代表的なものを紹介しますね!

 

株式会社か合同会社か

株式会社と合同会社の
どちらで会社を設立するか。

かなーりザックリ説明すると

株式会社⇒カッコイイ、設立費用が高い
合同会社⇒あまり知られていない、設立費用が安い

この差があります。(これだけ?)

詳細は以下の記事を見てもらうと
理解が進むと思いますが

特にこだわりが無かったり
会社名を表に出すことが少ないなら
合同会社の方がオススメです!

法人成りするなら株式会社、合同会社 どっちにすべき?
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決算期をいつにするか

決算期をいつにするかも重要です!

日本だと一般的には
3月もしくは12月を決算にしているところが多いですが

法律で決まってるわけじゃないですし
1月~4月を避けた方が税理士も探しやすくなります。

(繁忙期の契約件数を絞っていることがあるので)

こちらも詳細は以下の記事に記載してますが
営むビジネスの繁忙期から少し後にしておくと

節税策を取りやすいのと
申告書上の資金残高が増えて融資を受けやすくなる特徴があります!

会社を設立するなら決算期を何月にすべき?検討すべき2つのポイント
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資本金をいくらにするか

設立費用とは別に
会社の初期費用として払い込む資本金。

この金額はいくらであっても
会社を設立することはできますが

企業が新しい取引先と契約するためには
「資本金〇〇円以上」が決裁条件になることがあったり

資本金を高くしておいた方が
預金口座を作りやすく、金融機関からの印象が良い
ということもあります。

なにより出資額をもとに
法人の活動を行っていくわけですから

あまりに少ないと事業を行うにあたって
身動きが取れなくなることも…。

なので少なくとも100万円くらいは
出資しておくことをオススメします!

 

会社の事業目的

個人事業主と違って
ちょっと厄介なのが事業目的です。

会社を設立する過程で
定款(ていかん)という自社ルールブックを
作成する必要があるんですが

そこに事業目的として
「こんなビジネスやってます」というのを
記載しなくてはいけません。

事業目的を決めるときは
以下のリンクを参照にして
文言を決めればOK。

定款目的ナビ

ただ、行政やら金融機関との手続をするときには
定款の提出を何かと求められるので

あまり事業目的を増やし過ぎて
「結局何やりたいの?」と思われて
信用力を損なわないようにしましょう!

 

役員報酬や社会保険料のこと

会社そのものについて
だいだい方針が決まったら

今度は役員報酬や
社会保険料のことを考えましょう。

 

役員報酬はいくらにする?

まず一番悩みやすいのが
役員報酬をいくらにするかです。

個人事業主として
事業売上がある程度伸びていて

法人成り後も
順調に売上を獲得できているなら
とりあえず事業は継続できるので大丈夫!

 

そうじゃなくて法人設立後に
いきなり売上を獲得できないような場合だと

役員報酬を決めるのにちょっと気を遣います…。

たとえば事業が伸びないうちは
役員報酬を0円とした場合

個人としての収入が他に無いなら
その役員の年収は0円ということですよね。

住民税や所得税は取られませんが
0円の年収で生活を続けることはできませんから

新たに個人で受けるローンや賃貸の審査は
全て落ちると思った方がいいです。

しかも社会保険料を天引きできる報酬金額じゃないので
法人設立後も国民年金・国民健康保険に加入し続けることに…。

一方で、売上が伸びないうちから
役員報酬を高めに設定してしまうと

初期費用として出資した金額が
みるみる減っていき

役員報酬のせいで
資金調達を考えなきゃいけなくなります。

そのため、実際に目途が立ちそうな売上金額と
生活をするための個人貯蓄を踏まえて役員報酬を決めましょう!

 

社会保険料のこと

役員報酬にも絡む話ですが
法人成りをすることによる節税を考えるなら
社会保険料のシミュレーションも欠かせません。

たとえば、個人の前年所得が
500万円の場合は国民年金・国民健康保険合わせて
年間678,750円支払うことになります。

 

(神奈川県川崎市在住、40歳未満、扶養人数0人で計算)

 

これに対して
役員報酬を100,000円にした場合は

会社・個人負担の健康保険料・厚生年金保健料を合わせて
331,980円の支払いで済むことになります。

 

 

社会保険料を減額したいだけなら
このように役員報酬を下げれば良いだけですけど、

例えば毎月10万円しか給料を貰えなかったら
個人の生活は家賃、光熱費、食費だけで
資金ショートを起こしかねませんよね…。

なので、あくまでも生活に必要なお金を払いつつ
社会保険料と所得税、法人税が結果として安くなる金額を
シミュレーションして決めるようにしましょう。

会社を設立した年は
設立日から3か月以内に決めた役員報酬で固定されることになるので
特に注意が必要です。

ちなみに、クリエイター向けの
社会保険料シミュレーションについては
以下の記事をご参照ください。

クリエイター業の個人事業主向け!健康保険料の比較方法
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一人で解決するのは難しい

会社を設立するにあたって
考えることはたくさんあります。

会社設立freeeを使えば
会社の設立手続を行うことは簡単にできますけど

悪く言えばこの記事に書いたようなことを
深く考えずに設立ができてしまうということ。

なので、法人を設立後に
困り果ててしまう事業主様がとても多く…。

シミュレーションしてみたら
「個人事業主のままで良かったじゃん」なんてことも。

お金をなるべくかけたくない気持ちは分かりますが
「法人成りしたは良いけどお金が出ていくばかり」
なんてことにならないためにも

自分で考えることが難しいなと判断したら
すぐ専門家を頼るようにしましょう!

きっとお支払い頂く報酬以上に
専門家がサポートしてくれることの価値を感じられるハズです!

 

◆新しいこと

あるお客様の資金繰り表の作成。