こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
「〇〇の聖地巡礼、旅費結構かかるけど経費になるかな…?」
「現地調査、日帰りは無理だから一泊したいけど、それは経費にできない?」
そんなお悩みを持つクリエイターさん、多いんじゃないでしょうか?
そこで、この記事では、アニメ・マンガ・ゲームの聖地巡礼にかかった旅費を経費にできるかについて、
クリエイターさん向けにやさしく整理してみました!
基本は「仕事のために行ったかどうか」
税務上、経費になるかどうかのポイントは、
その支出が、売上を得るために必要あるかどうかです!
- 仕事の一環(取材・資料集め・撮影など) → 経費OK
- 完全に趣味・観光目的 → 経費NG
「これって経費になるのかな…」と迷うときは、
実際の行動や活用方法を具体的に振り返ってみるのがコツ。
たとえば、こんな活動をしていれば、
聖地巡礼が「仕事に必要な取材・資料集め」として扱える可能性は高まります👇
- 巡礼レポをYouTube・note・ブログなどで発信して収益を得ている
- 訪問先の写真や動画を、自分の創作物の素材・構成に取り入れている
- 漫画・イラスト・小説の舞台設定として、実在の場所を参考にしている
- 楽曲やMV制作に、現地の風景・音・空気感を取り入れている
- ブログや同人誌などで、現地紹介コンテンツを作成している
- 動画編集者やVlog制作者として、映像の素材取りを目的に訪問している
もちろんこれらは一例ですが、
共通しているのは「自分の発信・作品にどう使ったか」が明確ということ。
「行きたかったから行っただけ」「楽しかった」で終わるんじゃなく、
その体験をクリエイターとしての表現にちゃんと転換しているかどうかがポイントです!
◆おすすめ記事


職種やジャンルに縛られずに、経費にできる可能性がある
「旅行みたいなものだし、旅系YouTuberとかじゃないと経費にならないのかな…?」と、
不安に思う方もいるかもしれません。
でも、実は職業や肩書きにとらわれる必要はありません。
大切なのは、「その体験が、どんな形であれ売上に紐づく仕事に活かされているかどうか」です。
職業別に考えてみると、
たとえば、こんなケースも立派な「仕事目的の巡礼」になる可能性が👇
- 漫画家が構図や背景描写のために、作中のモデル地を実際に取材
- イラストレーターが現地で撮影した風景を、背景資料や構図練習に活用
- 音楽クリエイターが、曲の世界観に合わせて現地の自然音・映像を収録
- 小説家が、物語の舞台設定にリアリティを出すために街並みや空気感を観察
- Vtuber・配信者が、旅レポとして現地紹介コンテンツをライブ配信
- アクセサリー作家が、現地モチーフの作品づくりに向けてリサーチを兼ねて訪問
クリエイターさんのお仕事は、パソコンや作業机の前だけで完結することって少ないですよね。
インプットとして現地に行くという体験も、創作の一部と考えましょう!
◆おすすめ記事


「観光・趣味」と混ざるときは、家事按分を
もちろん、こんなケースも多いと思います👇
- 旅の一部は観光も兼ねていた
- 家族・友人と一緒に行った
- 半分は趣味、半分は仕事目的
こんなときは、全部を経費にするのではなく、
仕事に関係する割合だけを「家事按分」(かじあんぶん)という形で経費にしましょう。
たとえば👇
- 2泊3日のうち1日は完全に取材日 → 交通費・宿泊費の1/3を経費に
- 旅の全行程で毎日何かしら発信・撮影している → 宿泊費・交通費の70〜80%程度を経費に
- 午前は趣味の観光・午後は取材活動 → 1日を半日ずつ按分し、宿泊費の50%を経費に
按分割合の算定方法には決まりがなく、ぎっちぎちに厳密でなくても大丈夫ですが、
「どうやってこの割合にしたのか」が説明できるようにしておくのがポイントです!
◆おすすめ記事


注意:個人の娯楽旅行とみなされやすいケース
一方で、こんなケースはちょっと注意が必要👇
- 旅の様子を発信していないし、作品や制作物にも取り入れていない
- 単純に「推しの舞台だから行きたかった」「ロケ地巡りが好き」で訪問
- 「いつか創作に使えたらいいな…」という気持ちはあるけど、まだ形になっていない
こうした場合は、仕事とのつながりが見えにくく、
「プライベートな旅行」と判断される可能性が高くなってしまいます。
もちろん、「作品が好きだから行きたい!」という気持ちはとても自然なことですし、
それ自体が悪いわけではありません。
でも、税務上の経費として認められるには、
- 何かしらの発信・制作に活かしていること
- その活用があとからでも確認できる状態であること
こういう「成果物」や「証拠」が必要になってきます。
「仕事に必要っぽく見えるから大丈夫」ではなく、
自分が税務調査をする側だったとして、「これなら仕事用として認められるな」と思う実態があるときに、
きちんと証拠を残して経費に入れるようにしましょう!
◆おすすめ記事


たとえばこんな記録・証拠を残しておこう
聖地巡礼の旅費・宿泊費を経費にするときは、
たとえば、こんな記録・証拠を残しておきましょう👇
- SNS・ブログ・noteなどで、巡礼の様子や背景を発信している
- 発信の中で、「○○作品の舞台になっている場所を取材」と明記している
- 作品の中に、巡礼先の風景や構図を活用している(イラスト・動画・漫画・MVなど)
- 撮影した素材を、動画・記事・コンテンツに実際に使用している
- 帳簿にメモを残しておく(例:「○月○日 ○○駅周辺にて作品取材」)
- 制作ノートやプロットに「この場所を参考にした」などの書き込み
- 制作過程や舞台裏として、取材の様子をファン向けに共有している
こうした記録があると、
税務調査で質問されたときにも、「仕事でこう活用しました」と具体的に説明しやすくなります。
「作品の中で直接使っていないけど、構成や雰囲気づくりに参考にした」といった形でも、
きちんと創作に活かされているのであれば、経費として認められる可能性が高いですよ!
◆おすすめ記事


Q&A:聖地巡礼に関するあるあるなお悩み
Q. 今後実際に作品に活かすつもり。それでも経費にできる?
A. 巡礼後すぐに作品に活かせてなくても、経費にできる可能性はあります!
ただ、きちんと「仕事目的」だったことが分かるように、今後活かす予定の内容も含めて、
構図や現地調査の内容などを証拠として残しておきましょう!
Q. 同じ場所に何度も巡礼に行ってるけど、何回目まで経費になる?
A. 何度も行く必要性を証明できれば、回数に制限はありません。
何を目的に行って、どういうところを創作に活かせたのか、納得のできる説明をできるように!
まとめ │聖地巡礼も創作・発信に活かしていればも経費対象に!
- 資料集め・調査・コンテンツ制作目的なら、交通費や宿泊費も経費にできる!
- 観光との混在がある場合は、家事按分で割合を調整
- 使った記録や活用内容を残しておくと安心
趣味とみられやすい支出だからこそ、
きちんと証拠や記録を残して、お仕事に関係する部分は経費にしましょう!